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大人のふりをすることだけで精一杯。

私は子供だ。

きっと今窓の外から聞こえる笑い声の主よりもずっと子供。

近くに公園があるんだ。園児がよく遊びに来るの。


小さい頃、早く大人になりたかった。

自立したい、大人にとやかく言われたくない、子供扱いされたくない。

そんなことを思っていた。


今になってみたらどうだ。

大人になることが怖くて、未来が見えなくて、でも置いていかれないようにと大人のふりをすることだけが上手になっていく。

小さかった頃、学校のシスターや塾の先生、習い事の先生、サロンの担当さんなんかの背中を見て、無意識に、「頼れる存在」を感じていた。

家に帰れば、一番の頼れる存在である家族が居たし、お手伝いさんも大切な人だったし、電話をすれば祖父母もいた。

彼らは私がどんなコンディションであろうと、何歳になろうと、変わらない姿で居続けてくれると信じていた。

でも現実は違う。

頼っていいのだと感じてきた彼らは歳をとって、今度は小さい子たちに「頼られる」歳にどんどん近づいている。

いや、もう片足突っ込んでるとも言える。

バイトをしている時、たくさんの教え子を前にして、ふと、「ああ、私は先生なのか。」と思うことがある。

私が小さい頃背中を追ってきたあの光景を、この子たちも私に見ているのかと思う。

その度に、


私はそんなたいそうな人じゃないんだ。

「大人」じゃないんだ。

誰よりも子供なんだ。

今すぐにでも全て投げ出したい、ひとりになりたい、泣いてしまいたい。

そんなことを考えることもあるような、あなたたちよりもずっとずっと幼稚な人間なんだ。


って言いたくなる。

だけどもちろんそんなことは言えないから、毎日のようにスカした顔をして、無駄に高い身長を着飾って街を歩いてる。

じゃないと「子供」と知られてしまいそうで怖いから。


中学生の頃から社会人に間違われてきたけど、今やもう、子供に戻りたい。

あの頃もっともっと、大人っぽく見られたいと背伸びせずにいたら、今更子供に戻りたいと思うことはなかったんだろうか。ちゃんと「大人」ができていたんだろうか。


わからない。戻れない。


子供の頃見てきた私にとって大切な、そして完璧な大人たちは、本当に偉大だった。

私は彼らのようになれるんだろうか、なれないよな、なりたいのかも分からないよ。

だからといって、子供でもいられないんだ。

私にとっての大人たちは、記憶にある頃よりもずっと歳をとって、いつかこの世界から、私の手が届くところから居なくなってしまう。そんなことが最近になって強く感じられるようになってしまったから。

だから今日も私は、大人のふりをして、必死に自分を引っ張っていってあげるしかない。それが唯一私を救う方法なんだ。

寄り添える人は、依存できる対象は、自分自身でなくちゃいけない。

唯一、私と同じ時に消えられるもの、だから。

私を残して先に居なくなってしまうことはないから。

ずっとずっと、何歳になっても、これから先、ますます「大人」になるしかない。

そして同時に「子供」になっていくんだろうな。


える

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心理学やメンタルヘルスを研究している女子大生です。-20kgのダイエットを経た、健康・美容オタク。「考えること」が好き。音楽や料理が趣味です。
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