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満島エリオ×ちゃこ 文学フリマ記念 36.5度の夜のラジオチャット【後編】

11月24日文学フリマ東京で頒布する合同誌「36.5度の夜」にて、共同主催を務めたちゃこさんと完成までの裏側についておしゃべりしてきました!
※このテキストは【後編】です。
【前編】はちゃこさんのnoteで読むことができます↓

本編はテキスト対談(読むラジオ形式)です。

※前編目次   
自己紹介
タイトルの解釈について
制作メンバーについて(表紙イラスト)

制作メンバーについて(執筆陣)

(ちゃこ)エリオさんが私に文フリをお誘いくださった時、いちとせしをりさんの名前も一番に挙げられましたよね?

(エリオ)そうですね!雨野さん5割とか言ったけど、執筆メンバーもまじで豪華。しをりさんは最初から勝手に書いてもらうつもりでいました。

(ちゃこ)しをりさんの名前があると一気に価値が保証される感じはありますね。とても丁寧に書く方ですし、合同誌の方針というか色付けの部分を担ってくれる存在という印象です。

(エリオ)安定感がありますよね。クオリティ的にもそうだし、絶対原稿を上げてくれるだろうという確かな信頼感。それは毎日note書かれてたことで伝わってきたところですよね。

(ちゃこ)間違いないです。積み重ねによるものですね。私たちふたりが「選ぶ」なんていう言葉を使うのはおこがましいですが。尊敬するエリオさんに誘われたこと、いちとせしをりさんと名前が並ぶこと、この二点だけで私が文フリの誘いに乗る決定打になりました。

(エリオ)ええええ~~~~尊敬されてるんですか!やったね!スクショ撮ろう!

(ちゃこ)してます。めっちゃ。なんか好きなアーティストが推すアーティストって好きになっちゃうんですよ。例えば椎名林檎(自分の好きなアーティスト)が「このバンドいいですよ」って言うとそのバンドすぐ検索しちゃうと思うし。
たぶん「この人の感性と同じだと思われたい」って思うんだろうな。私にとってエリオさんはそうです。エリオさんが選ぶものに絶対の信頼を寄せてます。

(エリオ)めちゃ嬉しいしなんでそんなに信頼されてるのか全然わかんないけどめちゃうれしい~~~!

(ちゃこ)www ガチでセンスいい人ってイメージです。エリオさんの文章は能力の高さがずば抜けてます。これは反対に言うと「素人っぽいのが好きな人」「下手ウマを好む人」には分からないんだろうなあ。エリオさんの文章力の高さは書いたものからバチバチに出てる。100%真似できないです。

(エリオ)なんかすごい褒められてるw私の文章かたいというか、かっちりしてるんですよね。だからちょっと入りにくいし、こわい人とも思われるしnoteとの親和性は悪いなと思いますけどね。

(ちゃこ)わたしがお茶さんやつきのさんをエリオさんに推したときも、心のどこかで「この人たちを連れてきたことでエリオさんに認められたい」という邪念があったと思います。

(エリオ)邪念w

(ちゃこ)お茶さんとつきのさんのことをエリオさんが絶賛されていて、わたしは自分のセンスを認められたみたいで誇らしかったです笑

(エリオ)いや、メンバー集めに関してはちゃこさん頼りでしたからね!ちゃこさんnoteしっかり読んでてすごいなって思いましたもん!しかも、フォロワー数とか関係なく読んでるんだなと思って。

(ちゃこ)フォロワー数全然関係なく読んでますね!書くのも好きだけど結構読むのも好き。正直、読むのはおもしろ系の方が好きですけど。
ただ、お茶さんとつきのさんがいざ参加してくれた時点でちょっと焦りましたね。やばい、私このメンツの中でちゃんと書けるんか?って。

(エリオ)書くのも好きだし読むのも好きっていうの、バランスよくていいなと思いますね。私は書きたいことをぶつける場としてnote使ってるから、意識しないとあんまり探しにいくまではしないので。
いや、みなさんの純度の高さビビりましたね!!?これで本できなかったらまじでやばいと思って途中からの緊張感がやばかったというか今もまだ入稿してないから作業終わってないし落とす可能性があって怖い。

(ちゃこ)びびりました。しょっぱなお茶さんだったじゃないですか?

(エリオ)お茶さんは早かった!まじかって思いました。私テーマさえ決めてなかった。

(ちゃこ)「一口ちょうだいは、もういらない」を読んで、やべえ、こんな良いやつ来ちゃったって。手抜けない絶対って。

(エリオ)恋愛のずるさが詰まってますよね

(ちゃこ)「希望って、いいものだと思ってた」も、最後の二文にやられたと思って。敵わないなって。

(エリオ)わかる~~~~最後いいですよね。たたみかけてくる。つきのさんもめちゃめちゃいいんですよ

(ちゃこ)つきのさん、良い。めっちゃ良い。忙しいとおっしゃっていたのに納品したらあのクオリティですよ。さすがですよね。個人的には、エリオさんがつきのさんのこと「通じるものがある」とおっしゃっていたの印象的でした。

(エリオ)私の大学時代も近い感じだったんですよ。つきのさんの大学時代と私の大学時代ってもしかして似てたのかな?と勝手に思ってます。

(ちゃこ)そうおっしゃってましたね、エリオさん!

(エリオ)なんていうのかなー、お互い気持ちわかってんのにわかんないふりしてぎりぎりまでいって、口に出しちゃったらドボン、みたいななんかそういうせこいことをしていた記憶が……

(ちゃこ)珍しい、エリオさんが実体験に近いことを話してくれている!私はお茶さんと多分似ていますね、特に恋愛においては。シンプルに共感しました、創作だとわかっていても。

(エリオ)たしかに、ちゃこお茶ラインと満島つきのラインは違う道のりを辿ってきた感じがありますね笑

(ちゃこ)本当に、図ったかのように良いバランスです笑

お互いの作品について

(エリオ)ちゃこさんはねえ、私のおすすめは「流れる」です。ここに切り込んでいくのすごいなと。冒頭読んで思いました。

(ちゃこ)受け入れてもらえてよかった!きっと文フリがなければ、公には書かなかったと思います。noteで扱うのも抵抗のある、デリケートな題材なので…

(エリオ)ほかの2作は恋愛なんですけど、これだけ違うんですよね。原稿いただいた時にも言いましたけど、この作品の世界の解像度がめちゃめちゃ高いんですよ。なまなましい、きれいごとにできないことが書かれてる。
ちゃこさんは小説書く時何を起点にして書くんですか?

(ちゃこ)小説は最初に台詞をひとつ決めます。テーマ、ストーリー、キャラクターは二の次で、ひとつだけ台詞を先に決めて書いています。

(エリオ)浮かんでくるんじゃなくて「決める」なんですね?

(ちゃこ)そうですね、決めますね。語尾なんかもきっちり決めます。結局その台詞が、台詞でなくモノローグになることもありますが…

(エリオ)それって、「そのセリフを言わせたい!」みたいな感じなんですかね?それとも、結果的にしてもそのセリフがテーマを体現してる…的な感じなのですかね?

(ちゃこ)そのセリフを言わせたい!の方が近いです。それ、結局わたしが叫びたいことなんです笑 だから100%純度の創作できる方尊敬しますね。自分を全然乗せない人。想像力がすごいなあ~って。

(エリオ)でも、自分の気持ちが乗ってる話のほうが絶対真に迫るものがあると思いますよ。迫力とか説得力が違うと思います。

(ちゃこ)そうかあ、やっぱり想いも一緒に乗るのかな。エリオさんは「きみと共犯」と「ほたる」、どちらかにご自身を乗せましたか?

(エリオ)完全に「きみと共犯」ですね。タイトルを迷って土壇場で変えた…笑 「ほたる」はですね、知り合いの知り合いにいたんですよ、過去にバンドやってて、フェスに出たことあるっていう人。今は普通に会社員で、それってどういう人生なんだろうなって。

(ちゃこ)なるほど!わたしがとてもいいなと思ったのは、「ほたる」は一人称が俺ですよね?それってやっぱり筆力ないと書けないんですよね。
恋愛ポエムって正直女の子だったら一度や二度失恋でもすれば書けちゃったりする。「ほたる」で男性の主人公を書くには、想像力の幅が頭の中にないと難しいと思うんですよ。「きみと共犯」に関しては文章というより映像で浮かぶから、そこが確実に描写の上手さが出ていますね。つきのさんとエリオさんは映像でドンと来ます。

(エリオ)でも結局私は男ではないので、設定をいくら男にしても、これが本当に男性が共感できるのかは永遠にわからんなと思いながら書いてます。ちゃこさんにはすでに謝りましたけど、じつは「ほたる」は締め切りぶっちぎって後からねじ込んだんですよ。最初は「きみと共犯」1本だったんです。

(ちゃこ)はい。と言っても「ほたる」は書いてもらえて有難いという気持ちしかありません笑

(エリオ)書きたかったっていうのもあるんですけど、みんなの原稿が出そろって全部眺めたときに、どうしても内容が恋愛、女性視点にかたよるなと思ってバランス取りたくて、男性視点で恋愛じゃない話入れたんですよ。

(ちゃこ)そうだったんですね!結果的にとてもバランス良くなりましたね。げんちゃんの「いらない証明」も含め、本全体の表現幅がぐっと広がりました。

(エリオ)そうそう、そういう意味で、げんちゃんの1本があったのはすごくよかったんです。リアルな「男性目線の恋愛」の作品があることで幅が広がった。

(ちゃこ)げんちゃんらしさも存分に出ていますし、げんちゃんだけ最後にぱっと誘ってみたのですが、話に乗ってくれて良かったですね。

(エリオ)げんちゃんと居酒屋で飲んでて、ちゃこさんに電話かけてその流れで勧誘するという

(ちゃこ)そうそうw 正直そのときは思いつきのような誘い方をしてしまいましたが、げんちゃんのあげてきた原稿を見て「最高にリアルだなあ」と満足しました。


おわりに

(ちゃこ)早く届けたい、たくさんの人に読んでほしいと思いますし、共著は初めてのことなので、自分の作品と同じくらい他の方の作品も自信を持って推せるステキな一冊になったと思います!

(エリオ)本当ですね!中身も外側も妥協のない本です。本当満足です。ちゃこさんのインタビュー力が発揮されていてすごいなあって思ってます今。

(ちゃこ)ええ?!そうですか?私は完全に今酔ってますし、エリオさん相手なので気楽にやりましたよ笑

(エリオ)私も酔っています。今2缶目なんですけど、1缶目の途中からまともに考えられなくなってきました。

(ちゃこ)明日読み返したらカットだらけですかねwとりあえず、文字起こししたものをお送りしますので、明日以降お互い確認しましょうwもう2時間いつのまに経ってた。

(エリオ)そうですね。今酔ってるからやばくないと思ってるだけかもしれない。でもこれおもろいですね。

(ちゃこ)おもろい。エリオさんで良かったです。めちゃ楽しみました。そして即寝れそうです笑 ありがとうございます!

(エリオ)よろしくお願いします!お疲れ様でした!ありがとうございました~!

(ちゃこ)ありがとうございました~!おつかれさまでした^^

◇◇◇

脱線が楽しい前編とは雰囲気を変えて、まじめに内容について掘り下げてみました。これを読んで、本や作品、執筆者の方々への関心がより高まるといいなと思っています!

それでは、文学フリマ当日にお会いしましょう!

「36.5度の夜」概要

 【今はもう光らない】
「ごちそうさま、おいしかった夜」つきの
「罪なきふたり」ちゃこ
「ほたる」満島エリオ

 【でも、さわりたかったよ】
「希望って、良いものだと思ってた」お茶
「きみと共犯」満島エリオ
「コール・マイ・ネーム」ちゃこ

 【ないものねだりがしていたい】
「一滴が欲しい、隣の花がわたし。」いちとせしをり
「いらない証明」げんちゃん
「流れる」ちゃこ
「一口ちょうだいは、もう言わない」お茶

表紙デザイン・イラスト 雨野よわ

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