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頭でなく、身体で書くということ

こんにちは。上杉恵理子です。

文章を書くということは、頭を、脳みそを使って書くものだと思っていました。頭使って、言葉を選んで、わかりやすく論理立てて、読む人が読みたくなるように、タイトルも思わず読みたくなるように考えて……そうやって頭で考えて書くのが、良い文章だと思っていた。

そして、私は結構、そうやって文章を書くのが得意だと思っていた。

ところが、頭を使わずに文章を書く、という方法があると最近知りました。この話をしてくれた人も毎日メルマガを書いていて、私は彼女のメルマガが毎晩楽しみなんだけど、彼女曰く。
身体で感じたことを、頭を通さず、手にそのまま流して書く感じ。「えりこさんもそうやってメルマガ書いてみたら?」と。

私は、そんなことできるんだろか??と一瞬思った。

で。その日の夜。
私、それやったことがあるわ、と思い出しました。


2010年。社会人になって1社目の会社で働いていた頃。山田ズーニーさんの半年間の文章表現講座に通いました。友達がSNSでシェアしてくれたカリキュラムを見て、よくわからないけれどなんだか魅力的に感じて、全部で6回、当時の私には決して安くはない講座だったけれど思い切って飛び込んだ。当時、転職活動をしていた時期でもあって、何か自分を変えられそうな、何か自分の人生の光が見えそうな、そんな気がしたんだよね。

この講座は本当に思い出深くて、全6回、たくさんのドラマがあったのだけど。最後、5回目が終わった後、2〜3週間かけて卒業作品を書くという課題がありました。私はその課題がなかなか書けなかった。

卒業作品だし、転職活動中という状況もあって、学生時代からやってきたことや会社の仕事で学んだことを振り返って、これからの未来を展望するような文章を書きたいと思っていたんです。「私はこれからこんなふうに生きていけばいいんだ」と自分に納得するような、安心できるような、そんな文章が書きたかった。

ところが…書けなくて書けなくて。。
毎日のように仕事が終わった後、カフェに籠もって、メモを広げて、いろいろ言葉を書いてみるのだけど、書き出しの手がかりも見つからない。どんどん時間ばかりが過ぎる。仲間は続々と書き上げて提出していく。焦る。焦る。

そうして何日も頭を抱え、うんうん唸って、言葉を捻り出そうとして。
もう間に合わない、もう諦めよう、と思ったときに、大好きだった「舞台で踊ること」をテーマに書いてみようか、とふと思ったんですね。

そしたら…数時間で一発で書きあげてしまった。

何も頭を使わなかった。うまく書こうなんてことも思わなかった。ただ、自分が納得する言葉を大事にするくらいかな。

書き上げたときに、脱力で椅子から滑り落ちそうになった。これだったんだ、と。私の中に在る、表に現したかったものはこれだったのだと。あのとき、あの文章が溢れ出てきたのは、頭からではなかった。あの感覚を思い出した。

このときの文章には「舞台 X 踊る X 私」というタイトルを付けました。講座の最後の発表会で、この文章に大好きな音楽をBGMにして読んで、最後の1分ほどわざと余らせてその場で即興で踊ったんだ。

そうだ。私は身体で書くことができる。

このnoteの文章は身体で書くことの練習だと思っている。できることはわかっているので、定着させるための場。
そんなつもりで書いている。


2020.9.30 2本目 上杉惠理子


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