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色と私 6 [ある]と[ない]の間の彩り

色(光)をニンゲンの外側にある事象だと
ニンゲンから切り離して捉えたニュートンの研究は

光や色を数値化することにより
近代科学が発展する出発点となった。

私たちの暮らしは、
科学の発展、経済成長、近代化によって便利になった一方で、

「失われたもの」と言われる弊害が後を絶たない。
自然破壊、健康問題、こころの問題...

あらゆる皺寄せが人間に押し寄せている。

これは、自然を
人間から切り離して扱ったことが、
引き起こしているのかもしれない。

そう考えた時、もう一度ゲーテの
[人間の内側に自然がある]という発見に
立ち返ってみる必要があるかもしれない。と思った。

色に関するゲーテの発見は、

光と闇の境界にこそ「色」は存在すると考えていた。

それを知ったとき私は
人の死生観にも通づると思った。

光 ⇄ 色 ⇄ 闇

という図式は、

天国 ⇄ 人間界 ⇄ 地獄
神様 ⇄ 人間 ⇄ 悪魔

にも当てはまるんじゃないか?

そうなってくると、

ますます、

どちらか一方を「なかったこと」にすると、成り立たない。

両方あって初めて、「ある」のだ。
だって、私たちは今、生きているのだから。

光と闇の間の
限られた領域に、
私たちの「彩り」の世界が広がっていると思うと愛おしい。

カラペ Art Work by me

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