ニュージーランドで見つけた贅沢な暮らし

母に「マヌカハニー」をもらって、ふと思い出す、ニュージーランドでの思い出。

日本でマヌカハニーは250gで3,000円ほどする、高額商品。

2年前、ニュージーランドでマヌカハニーと出会った私は、当時そんな高額であると知らなかった。

私が養蜂家の家に滞在したとき、でっかいバケツに、溢れんばかりのはちみつが入っていた。

搾りたての蜂蜜を始めて見た。こんなにおいしくて濃厚な蜂蜜は初めて食べた。それがマヌカハニーとの出会い。

家族みんなの飲み物はココア。ココアパウダー+はちみつという定番の組み合わせは、激うまだった。
パンにもはちみつをたっぷり付けて、ココアと合わせる、バナナにもはちみつをふりかける、そしてスプーン一杯のはちみつを舐める、そんなはちみつづくしの朝食を食べていた。

その家は山の上にポツンとあって、電気は自家発電のモーターを使用していたから、毎日使える時間に制限があった。

家に電気はほぼなく、暗くなったら寝る。明るくなったら起きる。

たまには、夜にみんなでパソコンで映画を見て、ココア飲んで眠りにつく。

食べ物も自給自足しており、スーパーにもほとんど行かない。
食べ物がありふれている生活ではなかった。

小さな家だった。

決して、贅沢な生活ではなかった。当時はそんな気がしていた。

おいしすぎるはちみつを大絶賛すると、私に1kgくれて、家族に送りたいと伝えると1kgを10ドル(当時は750円ほど)で販売してくれて、私は20kg購入して日本の家族に送った。
家族も美味しさに大絶賛だった。

その後、ニュージーランドで私がお世話になった家のいくつかは、マヌカハニーがでっかいバケツに入って、食べ放題だった。

「物々交換した」「私の果実園に巣箱置いてるから、お返しにもらってる」などの理由で、ニュージーランドでマヌカハニーがありふれていた。

今思うと、すっごい贅沢な生活だった。
生活が裕福じゃなかったかもしれない、それでも、あんなに美味しいマヌカハニーが食べられる生活は、ものすごく贅沢だった。
当たり前じゃなかった。貴重だった。
日本に帰ってくると、マヌカハニーは高級すぎて私の手には届かない。

「贅沢ってなんだろうか?」

お金をたくさん持っていて、マヌカハニーを購入すること、高級なホテルに滞在すること、そんなことよりも、今の私にとったら、搾りたての生のマヌカハニーがあふれている生活の方が、贅沢だ。

ふと懐かしくなって、思い出して泣いた。
ニュージーランドが恋しくなった。

マヌカハニーをたった一口舐めただけで、懐かしき味は、過去の贅沢だった生活を思い出した。
たった一口、「そうそう、この味、この舌ざわり、この匂い」と五感で思い出した。2年経った今も覚えていた。

マヌカハニーはたった一口で、私に贅沢さを気づかさせてくれた。幸せを気づかさせてくれた。

人生のターニングポイントとなったニュージーランド生活は、今でも私に気づきをくれる。そんな人生を歩めていることに感謝している。

さあ、今夜はココアにマヌカハニーを入れて飲もう。
明日はパン買って、はちみつかけよう。
スプーン一杯のはちみつを舐めて、元気になろう。

この文章を泣きながら書くほど、マヌカハニーは私にとって大きな存在だった、と今になって知る、そんな今日。


〈コーチングサービス〉
*自然体の自分で生きていく【パーソナルコーチングプログラム】
個別相談受付中


コーチング希望の方はこちらからメッセージください






この記事が参加している募集

夏の思い出

今こんな気分

よろしければサポートお願いします!いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます。