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やっぱり、地方移住したい。2泊3日島根県ワーケーションの記録

2022年1月末、会社のワーケーション施策のため島根県に行ってきた。

会社の人と2泊3日で大田市の温泉津、石見銀山へ。

今回のワーケーションは、大田市さんと株式会社石見銀山生活文化研究所さんのご協力のもと行われました。

なお、この記事に掲載している写真はすべて無加工です。

●人生初の島根へ

まず、羽田発の飛行機から見た富士山が綺麗だった。

雲海からひょっこり顔を出してて、あそこだけ異世界なんじゃないかってくらい。

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実物は写真の何万倍も美しくて、この世のものじゃないみたいだった。


1時間ちょっとで島根県に到着。

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出雲市駅まで移動し、お昼に出雲そばを食べる。

するすると入るけど適度な歯応えがあっておいしい。

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お昼を済ませたら大田市へ。

市役所の方の運転で、ワーケーション施設兼宿泊先となる「燈 Tomoru」に移動した。


●「燈 Tomoru」

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古民家を改造したこの宿は、木の温もりを漂わせつつもスタイリッシュな造りとなっていて、歴史と現在の技術とが混合したような空間だった。

静かなので、仕事も捗る。

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●温泉津散策

夜は温泉街にあるWATOWAで夕飯。

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東京じゃこの金額では食べれないよね、というメキシカンな料理がたくさん出てきて、かなり満たされた。


夕飯の後に温泉に行きたかったけど、この日はすでに閉まっていたため、朝に入浴チャレンジ。

清々しい温泉街を歩いて「元湯」を目指す。

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朝からかなり熱めの(44度だっけな?)温泉に浸かる。

手先足先がビリビリするくらいの超熱湯だったけど、おかげで芯まで温まった。


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宿近くの朝の海辺の景色。

海なし県育ちの私には、山も海もある景色はすごくテンションが上がる。

これを毎日見られるなんていいな〜。


●「暮らす宿 他郷阿部家」

そうこうしている間に昼になり、2軒目の宿「暮らす宿 他郷阿部家」へ。

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築230年の立派な武家屋敷を再生したこの宿は、その場にいるだけでこの家に住んでいた人たちと交流しているような、そして石見銀山の自然とも共存しているような気持ちになれる場所だ。

私が泊まった部屋はこちら。↓

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上のガラス戸は、他の家のいらないガラス戸の廃材を寄せ集めて作ったんだそう。

エコなのにとってもきれい。

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写真を見返して思うのは、この宿は光だけではなく影も美しいということ。

影には影にしか生み出せない雰囲気があるんだな。


あと、この宿で食べたご飯はどれも美味しかった。

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特に印象的だったのはかまどで炊いたおにぎり。

この宿の再生を手掛けた松場登美さんご自身が火に息吹をかけ炊いてくれたご飯は、一粒一粒が意志を持っているかのようにしっかりしていて、口に入れた瞬間の舌触りが全然違った。

おかげでお腹がいっぱいだったのに4つも食べてしまった。

東京に持ち帰りたいくらいだった。

また、ここで出されたお茶も美味しすぎた。

お茶の優しさとハーブのすっきりさが絶妙にマッチした味。

この宿を運営している株式会社石見銀山生活文化研究所が展開している群言堂というお店で買えたので、お土産に購入した。

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●松場登美さんについて

ちなみに先ほど登場した松場登美さんは、株式会社石見銀山生活文化研究所の所長。

デザイナーとして服飾雑貨をリリースしつつ、衣食住のスタイルも提案している。

さらに書籍を複数冊執筆されているほか、ユネスコのシンポジウムの閉会の挨拶で演説も行っているというすごい経歴の持ち主だ。


「暮らす宿 他郷阿部家」を去る日、宿のスタッフさんから石見銀山生活文化研究所のオフィスを案内してもらった。

オフィスは令和の建築物とは大きくかけ離れた、立派な茅葺き屋根の家。

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ここで松場さんが、昨今のSDGsについて思うことや茅葺き屋根の建物を造った理由などを話してくれた。

印象に残った部分を抜粋する。

●(松場さんがこの日着ていた服について)服は新潟の職人さんが作ってくれたもので、直してもらうこともできるから20年も持っている。最近は海外のひどい労働環境で製作された服を輸入して「安い、安い」ってみんな喜んでるけど、本当にそれでいいのか。SDGsと言っておきながら、ぜんぜんSDGsになっていない。

●家も、SDGsを推奨しておきながら20年、30年もすればダメになるものばかり。広告に載っているのはほとんどがそんな家。茅葺き屋根は葺き替えに2000万円かかるけど家自体は300年もつわけで、すぐにダメになる家を買うよりもだんぜんいいものを持っていることになる。

●私たちはこの家(茅葺き屋根のオフィス)から1円も生み出していない。(見せ物にしてお金を得るために茅葺き屋根の家を建てたわけではない、と私はとらえた)

●ものが残らなければ技術は残らない。この家は孫の孫の世代まで残したいと思っている。

●今の茅葺き屋根を葺いたのは30歳の若者。今、世界中からこの地域で働きたいという声が集まっている。叶えたい信念があるところに世界中から人が集まる。人はそれぞれの会社がどんなことをやっているのかをきちんと見ている。

●人に出会うのは財産。どんな人に出会ってどんな関係を築くかで人生は変わる。こういう意思のある仕事をしているから、普通ならまったく縁のない東京の若者(私たち)に出会うチャンスを得られた。

私は、松場さんのこれらの言葉にものすごく感銘を受けた。

「SDGs」という言葉が今みたいに浸透する前から、ずっとこの街では(というか昔の日本では)SDGsが行われていたこと。

今世界中でSDGs(=持続可能な開発目標)が掲げられているのに、日本は持続不可能な商品ばかりが好んで買われ宣伝されていて、理念と行動に矛盾が生じていること(ちょっとリサイクル素材が入っているだけでSDGsなモノだと思っていたけれど、そもそもそのモノ自体がすぐに使えなくなるようならSDGsじゃないのかも、とも思った)。

そして、コンビニもスーパーもなく、バスが1日に数本しか通らないこの街から、世界を変える何かを本気で発信したいと思っている人たちがたくさんいるということ。

私の知らない世界がここにはあるんだと気づかされて、心の底から感激した。


実は私もずっと地方移住をしたいと思っている。

理由の一つは、「都会に住まなくてもこんな魅力的な仕事ができるんだ」と多くの人に思われるような仕事を地方で展開したいから。

今地方からはどんどん人口が流出している。かくいう私も地方から東京に移り住んだ身だ(都市への憧れもあったし、やりたい仕事が東京でしかできなかったというのが理由)。

しかしその後、元々の趣味であるバンドの追っかけにより地方の魅力に気づき、「こんなにいい街が人口流出でなくなってしまうかもしれないなんてもったいない!」と思い始めた。

それ以来、「東京に住まなくても地方で暮らしながら魅力的な仕事をしたいな」、「そんな場を提供したいな」と考えている。

今回の出張は、そんな私の脳内構想を早くから形にしている松場さんたちに出会えて、本当に有意義だった。


●石見銀山散策

オフィスにお邪魔したあとは、石見銀山を散策。

2022年1月地点ではコロナの影響でオープンしているお店が少なかったけど、それでも古き良き街並みをじっくり見られて良かった。

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今度はワーケーションじゃなくても来たいなぁ。


お土産ものを買ったあと、また松場さんに遭遇し、「無邪く庵」の紹介を受ける。

ここは文明を排除したスペースで、夜は電気をつけずロウソクだけをつけて、客と語り合うのだという。

松場さん曰く「夜にここでお酒を飲みつつ話をすれば、地位も名誉も関係ないということに気づかされますよ」とのこと。

夜に仕事がなければ寄りたかった。


●肝心の「ワーク」はどうだったかと言うと

こうして、2泊3日の島根県ワーケーションが終了した。

人・モノ・風景。出会えてよかったと心から思える瞬間がたくさんあって、本当にいい経験ができたなと思っている。


ところで今回は、「ワーケーション」という名目で島根県大田市を訪れた。

ちなみにワーケーションとは、ワーク+バケーションという意味。

仕事を旅行先で行うことで、リフレッシュしながら仕事をしようという試みである。

今回は会社の人と4人で行き、最初はみんな宿や街の綺麗さに興奮しすぎて仕事が手につかない時もあったけど(笑)、やがてそれぞれの作業に集中していった。


個人的には1人か2人くらいでまたやってみたいなと思う。

仕事時間はシーンとした空間でひたすら作業に打ち込みつつ、休憩中や終業後に海や山や街を見に行く。

そんな時間の使い方が理想だし、それこそがワーケーションの醍醐味なんだろう。

とにかく、この街には絶対に帰ってきたいと思った。

●おまけ:出雲大社散策

ワーケーションは2泊3日で終わったけど、私は個人的にもう1泊して、人生で一度は行ってみたかった出雲大社に行ってきた。

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どんと構えた御本殿・拝殿・神楽殿などの佇まいから、威厳が伝わってきた。

これぞ日本を代表する神社って感じ。


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のどぐろ丼をいただいた後、稲佐の浜の弁天島にも参拝。

(順番的には弁天島→出雲大社が正解と言っているサイトがあった。まじか。)

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お土産もほどほどに購入。

パンばっかりだけど。笑

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また帰ってこられるように、日々を頑張ります。

またね、島根。














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