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独学・4か月の行政書士合格体験記

こんにちは、えるばと言います。
2020年の2月に行政書士試験に合格しました。その4か月間について合格体験として記事にしました。

■動機

仕事で業務を押し付けられたり、上司から人格攻撃をされたりして、最終的に適応障害と診断を受け、仕事を辞めることにしました。

仕事を辞めたが、その後のアテがあるわけではなくどうしようかと思ったときに、大学時代に行政書士試験を受けたことを思い出しました。

資格を持っていても食えないと言われる昨今だけど、取って損はないしいつか役に立つかもしれないぐらいの気持ちで始める決心をしました。

■状況

適応障害が少し落ち着いてきたあたりからお世話になっていて出版社でアルバイトを始めて、アルバイトをしながら勉強をすることにしました。

そして、予備校などにも通わないことにしました。単純に経済的な問題と自分のペースで勉強を進めたかったからです。

勉強開始は2019年7月。試験まで4か月しかなかったですが、やってみることにしました。

■準備

時間もないのでより効率的に勉強をしなければいけないと思ったので、先に大まかな計画を立てることにしました。

計画を立てるときに考えたこと
①合格点に届くためには各科目何割ぐらい正答できればいいのか
②そのうえで優先的に勉強すべき科目は何か
③どんな勉強方法がいいか
④自分で決めたことだけど勉強を続けるために何をするか

情報収集の結果。行政法、民法、憲法、長文読解は満点を取るぐらいの気持ちで勉強し、試験1か月前には合格できるレベルにすること。そのために7月と8月の中旬までは行政法と民法に集中して、それ以降は行政法と民法を深めながら憲法→情報公開法等→会社法等、一般知識の順に勉強を始めてみることにしました。

そして、勉強方法は過去問を中心に問題を解く→解説→足りない知識の把握をするようにしました。

さらに勉強を続けるために、以下のルールを作りました。
 ・夜は勉強しないでリラックスの時間に充てること
 ・モチベーションが上がらないときは、1問だけ解くこと
 ・焦ってしまうときは、合格しなくても最悪大丈夫と思うこと
 ・勉強しなさすぎるときは、来年はもう受験しないと思うこと
 ・他の勉強をしないこと
 ・自分じゃ合格できるはずはないと思わないこと

以上のような目標、計画、ルールを決めてスタートし、試験当日まで1日のルーティンと1週間のルーティンを極力変えないようにしました。もともと計画的なタイプではないのですが、過去試験に失敗したときの反省があり、大雑把でも計画していました。

使ったテキストや模試についてはこちらに記載しています。

■受験当日までの体験

7月 
計画に沿って行政法と民法の勉強をスタートしました。過去問をときながらなんとなくで解ける問題もあったけど、両科目ともほとんど忘れているし、こんな浅い理解じゃ合格できないと思いました。なので、時間内と認識しつつも、急がずに、「瑕疵」や「錯誤」などの民法的意味についてちゃんと理解しながら、なあなあにならないようにしました。

ちなみに勉強するのは、朝とバイトの休憩時間や電車の中に限定していました。

・スマホ問題
勉強の妨げになるなと思ったのはスマホ。特に用事がなくてもつい見てしまったりしていました。そこでまず机の上に置かないこと。引き出しの中やカバンの中に入れるなど自分の目に映らないようにしました。これで勉強するときにふと手に取ってしまうことはなくなりました。


8月

7月の成果として行政法と民法の基礎的なところや出題傾向が掴めてきました。まだまだだとは思ったけど、8月下旬から憲法の勉強をスタート。憲法は民法や行政法よりは知識が残っていて、生存権などは何となくわかるなぐらいだった。

・なんとなく問題
試験勉強をして「なんとなくわかるわ」は危ないなと思いました。特に憲法の判例について浅い理解だと実際問題を解くときに苦労するし、わからない問題に対して思い出せる情報から答えを導くこともできないです。なので、憲法を開始してから、判例についてどの条文が問題になっているのか、何が、なぜ問題なのかも見るようにしました。

また、間違った問題についてもなぜ間違ったかを分析するようにしました。


9月
憲法の正答率が7割ぐらいになったところで情報公開法等と会社法等と基礎法学の問題に触れました。情報公開法等は、触れないと難しく感じるが、それぞれ比較や関連性があるため勉強しやすかったです。各法律の比較ができるという意味で、科目的には行政法と似ている印象で先に行政法をやっていたからこそ上手く勉強が進められたと思います。

会社法等は、過去問を解いていて一番難しいと感じましたが、基本は条文だなと思い、いつも通り過去問とテキストの往復をして、本番で細かい判例が出てきたら捨ててしまおうと思いました。
商法については、会社法と比較しながら勉強すると覚えやすかったので、問題数は少ないけど一通り勉強しました。

基礎法学については問題数も少なくやろうか迷ったけど、得点源になると考えて勉強を開始しました。心情的には憲法の一部だと捉えていました。

・憲法条文わからない問題
過去問をやっていて度々でてくる、憲法の条文をちゃんと覚えているか問われる問題。特に国会や内閣の制度については細かいなと思った。だけど逆に覚えるだけなら得点源だと思い、電車の中など隙間の時間に憲法条文の後半は眺めるようにしていました。

・記述式全然解けない問題
合格を左右するかもしれない行政法と民法の記述式問題。この正答率が低く焦りました。なので当初予定になかった記述式に特化した問題集を購入しました。これが凄くわかりやすくて記述式への抵抗感が薄れました。


10月

完成に近づいてきたなと思い模試を受験。なるべく本番の雰囲気になれたいと思っていたのと、受験時のペース配分の参考になればと思いました。ただこのとき、台風が直撃だったため会場には行けず自宅受験となりました。

・行政法、民法細かい部分がまだまだ問題
出来るなと思いつつも問題を解いてみると、間違えることも多かったのでこの時期は、合格のために自分の知識の穴はないかどうか徹底的に探していました。当初計画ではこの時期はもう少し余裕を持ちたかったのですが、無理でした。

・一般知識すごく不安問題
9月後半あたりから一般知識の対策を始めたのですが、範囲も広すぎるし、何を勉強すればいいか全くわからなかったです。とりあえず、IT用語を暇な時間に調べたり、高校の時の政治経済の教科書を引っ張り出して読んだり、新聞を読んだりしました。


11月

10月引き続き自分の知識の穴、不合格の可能性をひたすら潰していました。ある程度計画通りだったとはいえ、かなり不安でした。ただそこが徹夜などはせず、ペースは最後まで崩さないことを心掛けました。


前日

基本的にはいつもと同じように過ごし、プラスで当日の持ち物のチェックだけをしました。

当日

いつも通り、7時半ぐらいに起きて、軽く過去問を解いたあと、早めの昼食をとって、会場周辺に開始1時間前につくように家を出ました。

【持ち物】
・受験票

当然ですが一応
・水筒
ペットボトルを買うより、いつも水筒を持ち歩く派なので持参。中身は暖かい緑茶。いつも家で飲んでいるし、温まるので落ち着く。
・行政法のテキスト
本当はテキストは何も持っていかない予定だったんですけど、不安をぬぐえず、持参。どちらかというとお守り的な意味合いが強く移動の電車内で読んだりしていた。
・ペン類(HBの鉛筆×3本、シャーペン付きの4色ボールペン、消しゴム、鉛筆削り)
・配っていた各予備校の予想問題
試験会場へ向かう途中で各予備校が水やカロリーメイト、試験の予想問題を配布してくれていたので、ありがたくいただきました。予想問題は、最後の復習にちょうどよかったです。
・ティッシュ、はんかち
試験中鼻水が出たり、手を洗うときのために持っていました。


試験本番
入ってからは、席に着き、文房具類を机の上に出して、予想問題に目を通していました。予定では、会場に入ったら見ないことにしていたけど、不安だったので、かなりちゃんと見ていて。

開始が近づくと、号令がかかり、参考書等は見れなくなる。(ここからが意外に長いです。)このときは緊張しながらも、出来るだけ試験のことは考えないようにしていました。瞑想みたいな感じです。
試験のことを考えそうになったら、夕飯のことを考えていました。

試験開始
解く順番は行政法→民法→憲法→情報公開法等→会社法→長文読解→一般知識→基礎法学の順番で説きました。(記述式も担当と一緒のタイミングで先にやってしまいました)理由は、まず頭がさえているうちに行政法と民法をやっておきたかったからです。迷った問題はとりあえず飛ばすことにしました。

模試を受けていて自分の説くスピードなら全部解き終わったあとかなり時間が空くのでそこで見直ししようと思っていました見直しポイントは、迷ったところをどうするか。マークミスはないかです。結果、見直しで2か所ほど解答を変更した。

残り1時間ぐらいで、見直しも一通り終わりました。

・トイレ問題
試験中すごくトイレに行きたくなりました。残り1時間ぐらいからです。
行政書士の試験では、一度出ると試験終了後でないと、戻ってこれないけど、途中退席が可能です。なので途中退席して、早くトイレに行こうと思いました。でも、不安だし、何となく後悔を残したくない気持ちになったので、ずっと会場にいることにしました。

正直試験の思い出のほとんどはこの我慢の時間でした。

なので、試験の際ちゃんとお手洗いを済ませておくことを強くお勧めします(僕もお手洗いは行ったんですけどね。)我慢の時間が長いです。試験終了までなんとか耐え抜いて、退出許可が出た後、真っ先にトイレへ向かいました。


終了後

特に見直しや解答速報は見ませんでした。次年度に受ける気もなかったし、単純に怖かったからです。

試験が11月なので、合格発表まで3か月ぐらいは、ドキドキしていました。
合格通知が家に届いたときとても嬉しかった。webで先に発表されたが、それも見ませんでした。なので自宅に届く通知で自分の合格を知りました。

めちゃくちゃ嬉しかったです。

■最後に

行政書士試験は毎年4万にぐらい受けて4000人の合格者で合格率10%と言われています。でも今回の自分は合格率はあまり気にせず自分のやることに集中しました。
僕は学生時代の資格試験や受験で、良い結果を出したことがないので、今回の行政書士の合格は嬉しかったし、自信につながりました。

僕自身が、誰かの体験記を見てモチベーションが上がっていたので、同じようにこの体験記が何かの参考になれば幸いです。
今度は比較の意味で学生時代の不合格体験も書く予定です。

行政書士試験に独学で合格したときの教材・HP・模試まとめ

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