多くの人が勘違いしているが、N国党は「インターネット政党」ではない

NHKから国民を守る党が議席を確保して、代表の立花孝志が参議院議員となった。

マスコミには「インターネット政党」としてN国党を取り上げる向きが大きいが、N国党はインターネット政党ではない。むしろ、政治家として大事な「地元の祭りに参加する」「町内会でビールを注ぐ」に類似する動きをして、空中に地盤を固めている。

それが「NHK撃退シール」および「NHK撃退コールセンター」だ。


電話、及びステッカーの配布。これによって「NHKを追っ払ってもらった有権者」が力強い地盤になっている。これから立花氏はじめNHKから国民を守る党のスキャンダルが大手マスコミでも出ていくだろうが、そもそも成り立ちが違うので全く関係ない。"地盤"とインターネットのフォロワーを合わせた支持者によって、議席を獲得し続けるだろう。「票さえとれれば議員になれる」という本質を考えさせられる。

なんだか怪しい「立花孝志」と「NHKから国民を守る党」 - NAVER まとめ


□NHKから国民を守る党が今後どうなるのかについて

立花氏は「NHKスクランブル放送化(有料放送化)」のため、反対議員をつるしあげる、といっている。元に足立区の選挙長や葛飾区議、党と袂を分かった中央区議や豊島区議らをユーチューブで「悪者」のようにさらしあげている。国会でもこのような動きを行うと宣言しているが、法改正のための動きにはつながらないだろう。しかし、ユーチューブの視聴者は増え、地盤はさらに固まる。


立花氏の「取材能力」は高くなく、ネットニュースや法の独自解釈で攻撃するだけで、「地盤」が違う相手にダメージは入らない。それは立花氏のスキャンダルを新聞や週刊誌で報道しても無意味なことに似ている。


N国党の世界観は単純だ。「NHKは悪い」「よって受信料は払わなくていい」「受信料制度を支えている政治家は全員悪い」「よって攻撃対象だ」ということだが、国会はそんなに単純な場所ではない(と、思う)。

単純なものは複雑なものに勝てない(と、思う)。

N国党は名実ともに「立花氏の独裁個人商店」であるから、立花氏以外に国会議員がでてくることも考えにくい。4月から数えて10人弱が離党しており、最初から「組織作り」を行う気もなさそうなので、人材育成もしない。よってこれ以上大規模になりようながない(と、思う)。

(逆にれいわ新撰組はさらに国会で議席を増す。山本太郎氏の役者としての強さが見えた選挙だった)

だから、NHKから国民を守る党は、毎回選挙のたびに立花氏が鞍替え出馬をする→比例2位のひとが繰り上げ当選するを繰り返して、マックス3議席というところだろうか。しかし、この看板で出馬すれば地方議会で議席が取れることをたくらむ人材もあとをたたないだろうから、地方議会では議席を取り続け、一部では離反が起きつつも、勢力を増していく。異色の存在感を放っていく。そんなところだろうか。


立花氏が、独裁的・攻撃的思考を放棄して、自民党なり維新の党なりに合流していくとなれば、独自派閥の長としてさらに大きくなることも考えられるが、どうもそれはなさそうだ、というのが今の感触だ。なにせよ、同じユーチューバーとして、今後もご活躍を見守りたい。



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