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清水エスパルス 試合振り返り J1第5節(A)ヴィッセル神戸 -殻を破れ- 12.Jul.20

こんにちは、El Gran Equipoです。
今回はアウェイ、ヴィッセル神戸戦の振り返りをしてみたいと思います。

初勝利を目指し、良い時間帯もありましたが、相手の質の高さやチーム戦術の差が大きく感じられる試合で、決定的なシーンを作る場面も少なく悔しい5連敗。。
その中でも、試合中に改善が見られたシーンや、相手から学ぶべきシーンなど、見どころはたくさんありました。
それでは行ってみましょう!

1. スタメン
2. 前半の気になった場面
3. 後半の気になった場面
4. まとめ

1. スタメン

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エスパルスは前節から立田、鈴木が変更。そして遂にエウシーニョが先発に戻ってきました。
対する神戸はほぼベストな布陣と言えるのではないでしょうか。イニエスタ、山口の強力なインテリオール、そしてワントップにはドウグラスが先発しました。
上図を見るとわかるように、お互いの立ち位置はかみ合うような布陣であり、対峙する相手に負けないことやポジション取りでギャップを作ることが有効になります。

2. 前半の気になった場面

①相手のプレッシングにはまった序盤と改善をみせたビルドアップ

この試合もGKを含めて最終ラインからパスをつなぎ、相手のプレッシングを回避することを試みましたが、相手インテリオールの効果的なプレッシングと後方のプッシュアップにより、序盤は上手くボールをつなぐことが出来ませんでした。

ビルドアップ失敗

この場面では、前節の振り返りで紹介した竹内のプレスのように、神戸のインテリオールが強めにエスパルスのセンターバックへプレッシングをかけてきました。
ソッコはやむを得ずカルリーニョスへパスを出しますが、パスコースが限定されていることからコースを読まれ、ビルドアップに失敗しました。
これは逆サイドでも同様で、ヴァウドにはイニエスタがプレスに来ることで、エスパルスのボランチへのパスコースも消されてしまい、ビルドアップが上手く行きませんでした。

ビルドアップ成功

しかしながら、前半の間に竹内がポジションを修正し、相手のインテリオールが出た背後のスペースでパスを受けることで、相手のプレッシングを回避する場面がありました。
臨機応変な対応が出来たことは良かったと思います。

一方で、エスパルスのプレッシングは、相手のセンターバック2枚に対して、ティーラシンのみという数的不利な状況が続き、あまり効果的ではありませんでした。
(神戸 大崎はロングキックが蹴れるので圧力をかける必要があった)
後半は少し見られましたが、神戸のインテリオールのようなプレッシングがもっと必要ではないかと感じました。

②狙うは相手のサイドバックとセンターバックの間

神戸の両サイドバッグは西と酒井と経験豊富かつ対人に優れた選手で、エスパルスの両ウイングが単独で攻略することが難しい相手でした。
そのサイドから攻撃を展開するにあたって、その他の選手が相手サイドバックとセンターバックの間のスペースを取り、グループで攻めることが有効だと思います(相手ディフェンスの判断を迷わせることが出来る)。

前半 中村の良い走り

上図の場面では、中盤でのつなぎに参加した中村がサイドに展開した後、ダイナミックにハーフスペースを取るランニングを見せました(最終的にクロスまでもっていくことが出来た)。
このダイナミックな動きというのが、重要だと感じたのは、エスパルスにはこういう大きな動きが少ないからです。
ボールは相手ゴール前まで運べるが、その後の動きやパスが細かくなってしまい、結果的に決定的なチャンスを作り切れない場面が多いと思います。
相手からすれば、ゴール前まで来ても大きな揺さぶりがないため、エスパルスの攻撃に怖さを感じないのではないかと思いました。
その点からもこういったボランチの縦へのランニングは非常に有効です。

2. 後半の気になった場面

①ビッグチャンスにもなり得た失点直前の場面

エスパルスサポーターにとって、この試合の2失点目は何より悔しかったと思います(個人的にも相当悔しかった。。)。
ヴァウドの帰陣の速さは足りていたか、ソッコはもっと早く足を伸ばせなかったのか…言いたいことはぐっと抑えて、失点直前の場面を見てみたいと思います。

後半失点直前のシーン

結果的にカルリーニョスのパスミスからカウンターを受けてしまうこの場面ですが、ソッコも絡んでの左サイドでのビルドアップで相手を押し込むことに成功しました。
カルリーニョスのドリブルも有効で、良いプレーでした。
この時の右サイドの2人(金子とエウシーニョ)の動きがもう少し効果的なら、逆にエスパルスの決定機になったかもしれないと思います。
この時、金子とエウシーニョで相手に対して数的優位を作れているにもかかわらず、金子はサイドに張ったまま、止まってしまっています(結果的にエウシーニョと重なってしまう)。
ここで、オレンジの線で示すように内側へ抜け出す動きで、神戸 酒井を引き付ければ、エウシーニョがフリーでボールを受けることが出来ます
カルリーニョスにとってもパスの難易度は下がるためミスがなくなった可能性もあります。
この辺りは、金子とエウシーニョの連携向上に期待したいです。
(もちろん、選手と違い、自分たちは上から試合を見ているからわかるスペースなのですが…)

②パスでもダイナミックさを示した中村

前半の気になる場面でも書いたとおり、得点のためには相手の守備を揺さぶる大きな展開が有効になります。神戸が前半にサンペール、大崎からのロングボールを活用してきましたが、エスパルスにも同じように効果的なロングボールを使った場面がありました。

後半 サイドチェンジ

この場面では、左サイドの中村から逆サイドのワイドに張っていた岡崎へロングボールでのサイドチェンジが行われました。
中村のキックも素晴らしく、相手中盤の守備ラインを一気に越え、相手サイドバック(酒井)を引っ張り出すことに成功しました。
これにより、出来たスペースを金子が活用し、最終的には後藤の決定機にまでつなげることが出来ました(後藤のシュートはあと少しのところでした)。
エスパルスの攻撃は同サイドをコンビネーションで崩す狙いが多くみられるのですが、このような形での大きな展開を織り交ぜることで攻撃に迫力が増すのだと思います。
ちなみに、この場面、陰ながらティーラシンが相手センターバックを引き付けていることも見逃せません。

③期待感が高まるヘナト

前節のエウシーニョの復帰に引き続き、この試合ではヘナトが帰ってきました。試合勘や周りの選手との連携などはこれから徐々に高まっていくかと思いますが、この試合でも守備範囲の広さの片りんを見せていたと思います。

ヘナト

試合終了間際の場面でしたが、中盤のスペースを埋めつつ、イニエスタへのパスコースをあえて空けることで、パスカットを狙っていたプレーです。
そして、パスをカットすると同時に鈴木へと繋げました
相手は縦パスを入れる場面で重心は前になるので、パスカットと同時に前線へ運べると、カウンターの大きなきっかけになります。
このほかにも、相手への高いプレッシング強度(西澤の得点につながった場面)や攻撃時のハーフスペースへのダイナミックな走り込みなど、今後の活躍が期待できる場面が多かったように思います。

まとめ

この試合で、両チームのやりたいことは基本的に同じで、守備では、「ハイラインでコンパクトな守備を形成し、前線からプレッシングをかける」、攻撃では、「後方からビルドアップし、サイドを中心に相手を攻略する」といったことだったかと思います。
その中で、神戸はインテリオール(特に山口)のダイナミックな動きを攻守に活用し、より多くの場面でエスパルスを上回っていました。

エスパルスも中村を中心に良いプレーを見せていましたが、もう少しダイナミックさを加えられると攻撃に迫力が出るのかなと思います。
また、前節の記事で書いた竹内の相手センターバックへのプレッシングがあまり多く見られず、この動きはチームの守備戦術なのか、それとも竹内個人の判断で行われているのか、気になりました。
こういった動きは、ヘナトの得意なプレーだと思うので、今後の動きに要注目です。

今節、鹿島が初勝利を挙げ、リーグ戦全敗のチームはエスパルスのみとなってしまいました。また、得点数も4で足踏みと、リーグワースト2位の状況です。攻撃的なチームを目指す中でこの結果は少し寂しいところです。

中3日で九州でのアウェイ戦と、かなりタフな状況の中で、あまり相性の良くない鳥栖戦にはなりますが、なんとしても勝って、殻を破ってほしいと思います!

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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