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効率のための文通のススメ

最後に手紙を書いた時のことを覚えていますか?

私は1ヶ月に1回は手紙を書いています。LINEやネットでの繋がりもあるけれど、なぜか自然と手紙という手段でやりとりをしている人たちがいます。
「どんな一風変わった人なんだろう」と思われたかもしれません。でも私も彼女も、同世代のいわゆる《普通》からそんなに離れているわけではありません。LINEも使うし、Instagramも好きです。NetflixやYouTubeで暇つぶしをすることだってあります。

そんな私たちがなぜ文通でやりとりをすることを選んでいるのか。それを今日は少し話してみたいと思います。彼女のサイドのことは、もし今度聞くことができた時に書いてみようと思います。

秒単位で連絡を取り合い、全てが繋がっている時代にわざわざ手紙を選ぶということ。それはなんとなく、ノスタルジックでロマンチックな響きを伴います。実際、封筒や便箋を選んだり、お気に入りのインクを使ったり、封蝋で封をしたり…と丁寧でロマンチックな一面もあります。私にとって手紙を書く楽しみの一つです。

しかし、私が手紙を好む理由はもっと基本的なところにあります。

メールが登場した時、SNSで遠くの人々と繋がることができるようになった時、私たちの生活はより便利で効率のいいものになりました。
いちいち切手を貼る必要も、ポストに投函しにいく必要もありません。膨大な量の紙を置く場所も、いちいち探し回る必要もありません。なにより、《待つ》という行為を省くことができるようになりました。

ネットを介したコミュニケーション方法の到来によって、私たちが受けた恩恵は計り知れません。

しかし今となっては、手紙は《効率の良い》コミュニケーション方法としての存在価値を持つようになったと思います。

文通し始めて気がついたことは、筆をとって、紙に向き合い、相手のことを考えながら書く言葉の重みの違いです。
今までだってLINEやSNS上で、大切な話をしてきているつもりでした。でもそれは、その人のためだけの時間のなかで、もらった手紙を読みながら、頭の中で色々考えて書く内容とは大違いでした。

LINEのいいところは、短文でスピーディーにやりとりをし、まるで会話をしているようなコミュニケーションができるところです。けれどその数秒で出てきた返答って、他愛もないものばかり。

大切なことを、まとまった十数分で書き記して、相手に伝える。

この方が効率がいいし、自分にとっても意味のある時間を過ごせる。そして、その軌跡を手もとに保管できる。そんなことに気がついてから、私と彼女のやりとりは手紙が中心になっています。

手紙なんて化石だと思っている方、効率のための文通、はじめてみませんか?


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