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キンコン西野の絵本がいつも「大赤字」なのに、作られ続ける不思議

このnoteは2021年5月25日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:西野さん、蝶々はお好きですか? チョウタロウこと林 太郎 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。


本題に入る前にお知らせをさせてください。

オランダの『ロッテルダム国際映画祭』のクロージング作品に招待されて、世界最大のアニメーション映画祭『アヌシー国際アニメーション映画祭』にノミネートされて、ここにきて、また騒がしくなってきた『映画 えんとつ町のプペル』ですが、「見逃したぁ〜」とか「映画館でもう一回観たかったぁ」といった声が僕のところに届いています。

そういった方に向けてのお知らせなのですが、なんと東京だと、今月27日まで渋谷のHUMAXシネマさんで『映画 えんとつ町のプペル』が上映されています。

とは言っても、もう間もなく終わっちゃうので、映画館で観れるウチに、是非、映画館でご覧ください。

詳細は渋谷HUMAXシネマさんのホームページでご確認ください。

(※こちら↓)

ちなみに、6月5日は【イオンモール名取】で、『映画 えんとつ町のプペル×ドライブインシアター』を開催しますので、ご都合が合う方は是非、ご参加ください。

(※こちら↓)

こちらの料金は「1台=3300円」となっております。2人乗りであろうが、4人乗りであろうが、「1台」です。

なぜか、ポップコーン2つと、ペットボトル2つが付いてきます。
僕も一昨日、初体験しましたが、「ドライブインシアター」超オススメです。


そして、お知らせがもう一つあります。


月に2回、隔週で、僕の友達を自宅に招いて、酒を呑みながら、「今やっていること」や「これから仕掛けること」などを話す月額590円のYouTubeのメンバーシップ『スナック西野』をやっております。

結局、お酒の席の話が、どこよりも本音で、どこよりも早い(情報鮮度が良い?)ので、それを産地直送でお届けしようというのが『スナック西野』の趣旨です。

前回のゲストは僕の先輩のダイノジ大谷さんです。

昨日、見返したんですけど、後半、僕、ベロベロに酔っ払ってて、かなり本音すぎる本音を語っています。
この回、最初から最後までずっと面白いので、是非、ご覧ください。

そして、先々のゲストのラインナップですが、次回は「IT評論家・尾原和啓さん」、その次は「堀江貴文さん」、そして、その次は「美容室NORA代表・広江一也さん」となっておりおります。
 
興味がある方は、僕の公式YouTubeチャンネル『西野亮廣エンタメ研究所』の動画の画面の下にある「メンバーになる」をクリックしてください。

(※こちら↓)

さて。
そんなこんなで本題です。

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3年前ですかね。

絵本『えんとつ町のプペル』の出版記念イベントで、コロンビアに行ったんです。
トークショーがいくつか入っていて、その流れで、現地の美術大学で1時間チョットの特別授業もおこないました。

テーマが「ビジネスモデルから見直すモノづくり」みたいな感じだったと思います。

そこで『クラウドファンディング』のことや、『オンラインサロン』のように、「完成品ではなく制作過程を販売することの可能性」についてなんかを話したのですが、授業終了後、生徒からの質問攻めが止まらないんですね。

結局、1時間チョット授業をして、それと同じ時間だけ質問攻めに遭いました。

質問の内容は「実際に西野さんがクラウドファンディングをやってみて、『このリターン(返礼品)の設計は失敗した』というのは何なのか?」とか、「制作過程の販売に向いている仕事と、向いていない仕事は何か?」とか、そういった質問です。

これ、「美大生だから、その類の前のめりな質問がきたんだ」と思うじゃないですか?

 
……実は、そんなことはなくて、今から7年ぐらい前に、日本の美術大学で同じような話をしたんですけど、反応は「なんで、お金の話をするんですか?」といった感じだったんです。

「僕たちは金稼ぎをしたいわけじゃない」といった感じです。

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僕は「お金稼ぎ」の話なんて1ミリもしていないんです。

活動を続けていくには、お金の問題はクリアしなきゃいけないし、「お金の流れを再設計したら、これまでとは全く違ったクリエイティブが生まれるよね」という話をしたのですが、コロンビアと日本とでは真逆の反応でした。

ニューヨークで個展をした時も、パリで個展をした時も、新しい表現を生む為のビジネスモデルについての議論は前向きになされるのですが、日本で、それをしようものなら、(もう皆さんご存知だと思いますが)日本人のよくある感想は「銭ゲバ!」「詐欺師!」「信者ビジネス!」といったところです。

こんなことを言っちゃう大人が、その倫理観で子供を育てちゃうから、その悪循環がずっと続いているんですね。

インターネットの本質って、住んでいる場所は関係なく、「皆の商品が同じ棚に並べられる」ということなので、勉強をする人と、勉強をしない人の差がメチャクチャ出ちゃうんですね。

地理的優位性みたいなものがこれまでのように働かなくて、シンプルに知識勝負になってくる。

そうなってくると、新しい情報を取り入れようとしない日本人って、メチャクチャ弱くなる。

結果、経済成長から見放されて、10年前は「失われた20年」とか言われて、今は「失われた30年」とか言われています。
「どんだけ失われてんだよ」という話です。

そのことについて、前回の『スナック西野』の後半で吠えているんですけど……あらためてですけど、「お金稼ぎ」の話と、「資金繰り」や「お金の流れ」の話は分けて考えた方がいいと思っています。

僕が興味があるのは「モノづくり」で、そこの可能性を最大化させる為の「資金繰り」や「お金の流れ」について、同じく「モノづくり」で生きていこうとしている人達と議論をしたいです。

「『お金の流れで可能性を生む』ってどういうこと?」と思われている方も中にはいると思うので、一つ例をあげると…僕のことを昔から応援してくださっている人はご存知だと思うのですが、たとえば、まもなく発売となり新作絵本『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』でいうと、初版が絵本としては超異例(異例中の異例の)5万部とかなんですね。

【Amazon】『みにくいマルコ』

絵本は「5000部売れたらヒット」と言われる世界線なので、「初版5万部」は、チョットありえない数字なんです。

で、作家印税って、大体10%とかなんですけど、僕の絵本って、制作に2年ぐらいかかって、しかも分業制なので、製作費が結構かかるんですね。つまり「初版5万部」でも大赤字なんです(笑)。

結構驚かれるのですが、僕の絵本って、毎回、大赤字なんです。

でも、コンスタントに新作が発表され続けるじゃないですか?

これというのは「絵本の売り上げで、絵本を作っていないから」で、僕の場合だと、オンラインサロンの売り上げで絵本を作っているんですね。

ここが、とっても大事なポイントで、絵本の売り上げで絵本を作ると、どうしても「絵本の売り上げで作れるような絵本」になってしまうんです。
表現に制限がかかってしまうんですね。

もちろん「制限がかかった中での表現活動」の面白さもありますが、そうじゃない「面白い」があってもいいじゃないですか?

僕は「面白くないから」という理由で、会議で落とされるのは大賛成なんですけども、「採算がとれないから」という理由で落とされるのは嫌なんですね。

でも、世の中にある「面白い」のほとんどが、「採算がとれないから」という理由で日の目を見る前に終わってしまっている。

ここは、クリアしたいじゃないですか。

だから、別で収益源を作って、そのお金を「面白い」を実現させる為に使う…という流れを作っているのですが、この話をすると「詐欺師だ〜」と言っちゃうのが日本人です。

これ、裏を返すと「皆と同じ作り方をして、皆と同じようなものを作れ」です。

ちょっと、ゾッとしますよね?

このままだと「失われた40年」は全然あると思います。

さすがに、それは悲しすぎるので、一緒に勉強していきたいと思います。

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