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キンコン西野は「情報流出問題」と、どう戦うか?

このnoteは2020年5月7日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:小柴 和尊 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「キンコン西野は『情報流出問題』と、どう戦うか?」
というテーマでお話したいと思います。

「ペナルティー」なんて、ごめんだね

今日はお仕事の話というより、僕から皆様、特にサロンメンバーの皆様へのお願いになります。

僕は毎朝、オンラインサロン西野亮廣エンタメ研究所の方に、大体2000文字から3000文字の記事を投稿しているのですが、この記事の内容は、サロンの規約上、「口外禁止」になっているんですね。外で言っちゃダメなことになってるんです。

ツイッターなどでサロンの感想を呟いてくださるのはもう全然OKで、これはもうメチャクチャうれしいのですが、内容を呟くっていうのは禁止にさせてもらっています。

でも時々、内容を呟いちゃう方がいらっしゃるんですね。

もちろん、その方に悪気みたいなものは一切ないですよ。
それでも時々、校外禁止の内容を外に出しちゃう方がいらっしゃると。

僕はその原因を考えるわけですが、原因として、まずはですね、感想と内容の区別がついていないっていうことがあると思うんです。

例えば、去年でいうと、サロン内で『トヨタ自動車』さんと進めていたプロジェクトがあったのですが、これに対して「西野が今サロンで進めているプロジェクト興奮する」っていうのは、感想ですよね。

一方、「西野がトヨタと仕掛けるらしい。これ興奮する」っていうことをつぶやいてしまうと、これは内容を喋っていることになってしまいます。

この、感想と内容の分かりやすい線引きはというと、一つに「固有名詞」を出すか出さないかということはありそうですね。

ここでやっかいなのは、僕は作るところからお客さんを巻き込むスタイルなので、基本的に「情報解禁日」みたいなものがないものですから、僕個人のプロジェクトに関して言うと全然表に出してもらっていいですよ。

ですが、クライアントさんが関係してくると、お相手側はそういうスタイルではないというケースがあってそれはちょっとまずいんですね。

特に、トヨタさんとか、ナショナルブランドさんになると尚のこと、情報解禁日みたいなのがあって、みんなが、何百人とか、何千人というスタッフが、そこに足並みをそろえてやっておりますから、それが表に出ちゃうとちょっとまずい。

事実、企業さんとなると超厳重に扱うので、これはトヨタさんや企業ではないのですが、去年、それで一つ大きなプロジェクトが流れてしまったことがありました。

「言わないでね」って言ってたのですが、ちょっと言ってしまう方がいらっしゃって、そのプロジェクト自体が流れてしまいました。

これに関しては、まぁ、もったいねーなーっていうのは本音で。

だからといって、サロンメンバーが内容を表に出してしまうかもしれないからといって、サロン内に投稿する記事を例えば固有名詞を隠したものにしたりすると、それはもうサロンの意味がないじゃないですか。

それで、ここはどうか協力していただきたい、規約というものを守っていただきたいと思うわけです。

かといって僕は、サロンの内容を表に出しちゃった人をあんまり責められないんですね。

理由が2つあって、一つ目はですね、「サロンの内容を表に出しちゃダメだよ」という経験をこれまで誰もしたことがないということですね。

これ、会社同士なら「守秘義務」という、外部にこの情報を漏らしたらボコるぞ的な、そういったノリがあるのですが、つい数年前まで、オンラインサロンなんて存在しなかったものですから、サロン内の情報の取り扱い方をまだみんな知らないんですね。

共有できていないんですね、常識として。

これは、ちょっとここから一緒に学んでいきましょうというところです。

僕があまりサロンメンバーのことを責められない二つ目の理由は、やっぱり、うちのサロンは学生さんや主婦の方もたくさんいらっしゃって、合わせると多分2万人以上いると思うのですが、きっと学生さんや主婦の方ってビジネスにおける情報の重みというものをイマイチ把握できていないと思うんですね。

くれぐれも、把握できていないことが悪いというわけではないですよ。

普段情報を取り扱っていないから、その重みがちょっとわからないと思うので。

金額で言うと想像しやすいかもしれないですね。
情報がどれぐらいの価値を持っているかと言うと、案件によってはウン千万円が一瞬で吹っ飛ぶレベルですね。

案件が一個なくなると、5000万円、6000万円が飛んじゃうみたいな。

「サロンの内容は口外禁止ですよ」と言っているのは、そういったリスクがあるからという、そういう理由ですね。

実はですね、昨日も数件、サロンの内容が表に出ちゃったということがあって。

特に昨日の内容はセンシティブな内容だったので、文章の中に何度も「これは内緒ですよ」というお願いをちりばめて文章の最後にも追伸で「サロンの内容はくれぐれも内緒ですよ」といれたのですが、表に出しちゃった人がいたんですね。

ここでサロンメンバーの皆様にお願いしたいのは、犯人探しのような下品な真似は絶対にしてほしくない。それをしないでくださいということですね。

でもって、この何度お願いしても内容を口外しちゃう人がいる問題をどう解決するかというところなのですが、方法はいくらでもあると思うんですね。

一番簡単なのはペナルティを与えることなのですが、こういう場合は、たとえ難易度が高かったとしても、一番素敵な解決方法は何かを考えたほうが楽しいじゃないですか。

それで僕が目指す解決方法は、ペナルティを課して解決するでもなく、システムを組んで解決するでもない。

文化を育んで解決するですね。

「山にゴミを捨てたら罰金10万円」とかでもなく、「ごみを捨てないで」という張り紙をそこかしこに貼るわけでもない。

「山登りをする時は、自分のゴミは持ち帰るでしょ」ということを全員が思って文化にするという。そこですね。

サロンの記事も、西野がいちいち「表に出さないでね」と言わなくても、「そりゃこれはサロン内だけの秘密にしておいたほうが面白いよねー」ということをサロメンバー全員が思うようになる。そんな文化を作るっていうところですね。

このラジオは、サロンメンバーさん以外もお聞きだと思うのですが、最後にサロンメンバーさんに向けて僕から二つ、お伝えしたいことがあります。

一つ目は、僕はこの方法で解決するつもりでいるぞっていうことです。

ペナルティーや規約なんてなくてもいけるよね、いけるよ!ということですね。林先生みたいになっちゃいました。

二つ目は、それでも失敗して内容を漏らしちゃったメンバーを、決して責めないでください。

攻めないどころか、もう「どんまいどんまい」って声かけてむしろ飲みに連れてってあげてほしい。

僕はそういう世界の方が好きですね。

ここのところ、ご協力よろしくお願いします、ということでございます。

本来であれば、サロンに投稿すれば良いような内容だったのですが、このラジオをお聴きの方には、これからサロンに入られる方もいらっしゃると思うので、こういった回にさせていただきました。

明日からは、またいつも通りの内容に戻ります。
引き続き、ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

というわけで、
「キンコン西野は『情報流出問題』と、どう戦うか?」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。



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