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「キャッシュポイント」を正しく設計しようbyキンコン西野

このnoteは2020年5月9日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:高澤 洋介 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「『キャッシュポイント』を正しく設計しよう」
というテーマでお話したいと思います。

複業家はどこでお金を生んでいるのか?

お金の話です。

基本、僕は仕事のオファーは、あまり受けてないのですが、それでも前までは、友達から「ちょっとうちのイベントに出てよ」とか「うちの番組に出てよ」と声をかけられた時には出かけて行っていたんです。

もちろん、渋々行っているわけではないです。

その仕事が楽しそうだなーと思って行かせてもらっていたのですが、でも今は、コロナの影響でそのような仕事ってないじゃないですか。イベントとかもなかなか難しいし。

なので今は、朝から翌朝までアトリエにこもって、せっせと作品を作っているんですね。

それで、僕のチームはとにかく西野が作品制作に集中できるように「ガワ」を固めているんですね。

僕はもう作品だけ作っとけっていう、それ以外のことはもうスタッフがやるから、みたいな感じで、そういう感じでチームが作られているんですね。

なので、変な話ですが、実は今のスケジュールはうちのチームにとっては理想的で、実際仕事はめちゃくちゃ捗っているんですね。

僕は、朝から翌朝まで作品制作に集中できるので、今はもうむちゃくちゃ仕事が捗っているんです。

そんな中、最近ハマっているのは、仕事の休憩時間にやるYouTubeの生配信です。

これは、事前のお知らせも何もなくいきなりスタートして、ただただ、視聴者さんとうだうだ喋っているだけなんですね。

これの何が楽しいかと言えば、前にも少しお話ししたのですが、YouTubeのコメント欄って世間の声に近いんですね。

普通に「西野はテレビから干されたくせに」とか言われるし、「あまりテレビで見ないけど、ちゃんと食えてるんですか?」って心配されたりするんです。

それについては、一応それなりに食えていると思うのですが、それでも世間からは、そのように見られているということじゃないですか。

それで、ここってむちゃくちゃ大事だなぁと思っていて、ここがずれてしまうと的外れなサービスを提供してしまうことになるから、きちんと世間の声に耳を傾けたくてYouTubeの生配信をさせてもらっています。

そんな中ですね、昨日、少し興味深いコメントを頂いたんです。

何かと言うと「お前なんて、オンラインサロンでしか稼いでいないくせに」という、ちょっと怖い感じのコメントを頂いたんです。

まあ、僕に対してあまり良い感情を抱いていないことは分かるのですが、そんなことはどうだって良くて、それよりなにより「オンラインサロンでしか稼いでいないくせに」って、これどういうことなんだろう?と思ったんです。

その時、僕はとっさに、僕、オンラインサロンでしか稼いでないんだっけな?って考えて、いやいや、僕はいわゆる「ベストセラー作家」だから、印税みたいなものもたくさん頂いているし、2次利用、3次利用、4次利用のグッズや舞台、映画といった知的財産権というものも持っている。

なので、具体的な金額は知らないですが、それだけでも結構稼いでると思い、そのことをお伝えしたのですが、なんか答えていて芯を食っている気がしなかったんですよね。

この答えで、お相手の方が納得するという感じがしなくて、この方はもっと違うことを言ってるなーと思い、それで、何なんだろう?と考えた結果、

わかりやすく表現を変えて言うと、要するに「西野はいろいろ『仕事をしている風』だけれども、結局お前の収入のほとんどはオンラインサロンじゃないか」というようなツッコミ、不満を持たれていると。

それで、なんでこの方はこのような発想に辿り着いたんだろう?ということを想像したのですが、おそらく「収益を最大化するためにキャッシュポイントをデザインする」という発想がそもそもないんだろうな、というところに着地しました。

「キャッシュポイント」というのは、収益が発生する場所のことですね。

つまり、この方の気持ちを勝手に代弁すると、 YouTube をやっているなら、 YouTubeで稼いでいて欲しいんですよ。ブログをやっているなら、ブログで稼いでいて欲しいんですよ。

それをやってくれたらすごく納得がいくのに、西野はそれをやっていない。

YouTubeをやっているのにも関わらず、YouTubeで稼いでるわけでもなさそうだ。ブログをやっているみたいだけれども、ブログで稼いでいるわけでもなさそうだ。なんじゃかんじゃ言って結局、お前はオンラインサロンだけじゃないか。っていうね。

まあ、ここだと思うんですね。この方が僕に対して抱いている違和感は。

これは多分、複数の職業、つまり副業を持っている方ならば普通にご理解いただける案件だと思うのですが、一応お答えするとですね、

僕は、YouTubeで稼ぐつもりなんて1ミリもないんですね。

そんなつもりがあったらそれこそ、生配信に広告をつけてアーカイブで残しておくので。

チャンネル登録者数とか再生回数も、マジでどうだっていいんです。

あと、毎日毎日、僕はブログも書いているのですが、ブログで稼ぐつもりも1ミリもないんです。

まあそもそも、すごく驚かれるのですが、僕のブログは広告を全部取っ払っているので。

1年365日、毎日更新していますが、1円も入っていないんです。
僕は無償でブログをやっているんです。

じゃあ、何のためにYouTubeや、1円にもならないブログをやっているのか?というと、オンラインサロンに興味を持ってもらうためですね。

YouTubeで稼ごうと思ったら、再生回数が回る企画をしなきゃいけないわけじゃないですか。でも、その再生回数が回る企画がオンラインサロンの入会の導入になるかというと、そうとは限らないですよね。

これもよく言いますが、「ドッキリ企画」で100万回再生しても、ビジネス系のオンラインサロンに入る人はせいぜい10人いればいい方です。内容がリンクしてないんですよ。

でもって、収益だけのことを言うと、長い目で見たときにyoutube の広告収益よりも、オンラインサロンの月額収益の方が大きいとなると、オンラインサロンのためのYouTubeになって、当然キャッシュポイントはYouTubeとオンラインサロンで0対100 になっちゃう。

オンラインサロンに集中させるんですね。

YouTubeよりもオンラインサロンの方が収益性が高いから、そっちのほうがコスパがいいんです。

これはブログもまったく同じですね。

ブログで収益を取りに行くよりも、あまり多くの人に見てもらわなくても、オンラインサロンに興味をもってもらう。

ブログを書いてオンラインサロンの収益を増やした方が、取り分が大きくなるということですね。

僕は国内外で個展もやっていますが、もちろん個展で売上なんか出してないんですよ。個展をやっているのに、売上を出していないんです。というよりも、出すつもりはないんですよ。

要は、たくさんある仕事のうち「売上を作る仕事」があって、売り上げを作る仕事に興味を持ってもらうための、1円にもならない仕事があって、そういった感じで、どこにキャッシュポイントをおけば収益が最大化するか?
設計をした上で、20個から30個ぐらいの仕事やプロジェクトを同時進行でやっているという形ですね。

なんとなくご理解頂けましたでしょうか。

数年前までは、複数の職業を持つという働き方は、あまりメジャーじゃなかったので「キャッシュポイント」のデザインが議論される機会ってあんまりなかったと思うのですが、

僕もそうだし、副業家の方というのは、そのお仕事の収益性と相談しながら、どこで収益化すれば一番大きなインパクトを作れるか?ということを考えて働かれていると。

なので、意外かもしれませんが「ビジネス系ユーチューバー」と呼ばれる方で、まともなビジネス感覚がある人はYouTubeの収益なんて、1ミリも当てにしてないです。

その奥に、必ず商品を用意しているはずです。商品を売ったほうが大きいので、これ注意してみてください。

というわけで、
「『キャッシュポイント』を正しく設計しよう」
というテーマでお話させていただきました。

これは、副業家の方には絶対に必要なスキルになってくると思います。
長々とお付き合いくださいましてどうもありがとうございました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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