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コロナ禍の広告戦略

おはようございます。
キングコング西野こと、「これといったコンプレックスも無いクラスの人気者がそのまま有名人になった珍しいケース」です。

さて。
今日は『コロナ禍の広告戦略』というテーマでお話ししたいと思います。
いよいよ加熱してまいりました、映画『えんとつ町のプペル』の話です。

エンディング曲の歌収録が終わりました

広告の話に入る前に、作品の内容について御報告です。

昨日、映画『えんとつ町のプペル』のエンディング曲の歌収録がありました。
エンディング曲を歌うのは、まだまだ無名のアーティスト『ロザリーナ』。

以前、お話しさせていただきましたが、主題歌を担当するアーティストのネームバリュー次第で、ニュースの取り上げられ方は違ってきます。

それこそオープニング主題歌をHYDEさんが担当してくださることが決まった瞬間に、各メディアが一斉に『えんとつ町のプペル』を取り上げてくださいましたが、まだまだ無名のロザリーナがエンディング主題歌を歌うことを発表しても、そこまで大きな話題になることはないでしょう。

僕にとっては、そんなものは屁でもありません。
優先すべきは「世間」や「メディア」のニーズじゃなくて、「作品のクオリティー」です。

まずは自分の偏愛の奴隷となって作品を生み出し、届ける方法は後で考える。
僕は表現者なので、この優先順位は今後も変わることはありません。

昨日、ロザリーナの歌入れに立ち会って(※ときどき偉そうに指示を出して)、自分の判断が間違いではなかったことを確信しました。
映画のラストを飾るに相応しい圧倒的な音楽が完成しました。

世間のニーズなんかに応えていたら、一生、作れない音楽です。
ロザリーナの才能は、今回で世間の皆様に見つかることでしょう。

是非、劇場で(大音量で)御確認ください。
拍手しやすいように、「盛り上げて盛り上げて盛り上げて~……バンッ!」で終わっています(^o^)
#拍手よろ

12月25日。
エンターテイメントの正解をお見せします。

コロナ禍の広告戦略

ご多分に漏れず、映画『えんとつ町のプペル』チームも新型コロナウイルスに襲われた身でして、当然、諦めた打ち手は山ほどあります。

ただ個人的には「このままだと“応援シロ”が少ないなぁ」と思っていたところだったので、願ったり叶ったりです。

規模を縮小して展開するのではなく、(スタッフの反対をそこそこ無視して)これまで用意してきたものを一旦すべて白紙にして、「コロナ禍ならでは」の広告展開をゼロから開発することにしました。

その中でも「Zoom」(およびオンライン配信の類)が皆様の生活に根付いたのは僕ら的には大きくて……そういえばキングコング西野はもともと各地の講演会で引っ張りダコの男です。

こいつを逆手にとって、オンライン講演会の参加チケットとして(意味変をして)『映画の前売券』を販売して、前売チケットをグイグイと伸ばしました。

(※『西野亮廣オンライン講演会』は、コチラ↓)

虎視眈々とチャンスを伺っていた者にとっては、「コロナによって、すっぽりと空いたスペースに自分の何を放り込むか?」が問われ続けた2020年。

気をつけなければいけないのは、「せっかくスペースが空いたのに、そのことに気づかない」というミスです。

「今、どこにスペースが空いているんだ?(=今は、どこに“コロナならでは”のチャンスが転がっているんだ?)」とアンテナを張り続けなきゃいけません。

その一方で、「こちらがアンテナを張ったところで見つけられないスペース」も必ずあるわけで、そう考えると、「コロナでスペースが空いちゃったから、西野さんに使ってもらおう」と向こうに思いついてもらって、向こうから連絡をいただく必要があります。

となると、やらなきゃいけないのは「空いたスペースに次から次へと飛び込んでいく自分」を発信し続けること。
その姿を見せ続ければ、「それならウチも…」と思いついてもらえます。

(※勢いにまかせて書いちゃってますが、無事に伝わってますか? 頑張って!)

昨日、映画公開に合わせて大阪・道頓堀をハックする話を少し書かせていただきましたが……あれも、そもそもは「コロナで落ち込んでしまった道頓堀を使って、何かできませんか?」と、道頓堀サイドからお声がけいただいたのがキッカケです。

そして、そこに飛び込んでいく姿をキチンと見せて、「実はウチもスペースが空いてまして……」を狙う。

ちなみに、『道頓堀』は、他の商店街に比べて、コロナで離れていったお客さんの戻りが遅かったりします。
理解を進める為に、『道頓堀』のニーズを細分化すると、「一等地」と「インバウンド」が出てきます。

つまり、ニーズの中に「一等地×インバウンド」が含まれているスペースは『道頓堀』に限らず空いているわけで、「一緒に盛り上げてくれるコンテンツ」を探しています。

こちらから「僕らは、穴があれば突っ込んでいくヤリチンですよ!」というアナウンスをするのであれば、そこに向けてアナウンスをした方が打率は上がるわけですね。

……とまぁ、ここで話を終わらせてしまうと、机上の空論で、僕はそんなものには興味がありません。
ここから具体的な話をします。

「東急プラザ渋谷」をハックする

上に書いたようなことをチョコマカやりまして、この度、映画『えんとつ町のプペル』の公開に合わせて、「東急プラザ渋谷」さんをハックする運びとなりました。

東急プラザ渋谷の一回にある渋谷唯一の観光案内所「shibuya-san」の目の前はバス停になっていて、ここには成田と羽田からのバスが到着します。
つまり、外国人観光客の玄関口なわけですが、今年は東京五輪も無くなり、外国人観光客など、どこにも見当たりません。

「このスペースを使って、プペルで何か……」とお声がけいただき、食い気味で「やる!」と返事したところ、「ここだけではなくて、もし良かったら、東急プラザの他の場所でも……」と話が続きます。

映画『えんとつ町のプペル』は今、面取りキャンペーンの真っ只中。
そんなの全部やるに決まってるじゃないですか?

というわけで、「『光る絵本展』は六本木でやるさ、『えんとつ町のプペルができるまで展』はHMVミュージアムでやるし、さて、渋谷の一等地を使って何をしようかしら? 」と考えていた矢先、蜷川実花先生のMVが爆発しました。

それを受けて、「お? ちょっと待てよ。あのMVができるまでには、美術や衣装の設定資料が大量に生まれているハズだし、その前のAkaneさんが撮ってくだかったMV(チビッ子ダンス)も、大量の資料があるハズだし、なにより、あの個性的な『衣装』が残っているぞ……」と考える西野氏。

『えんとつ町のプペル ミュージックビデオ展』と題して、設定資料や衣装といったメイキングを展示した個展を開催することを決め、先ほど、実花さんに「MVの資料とか、どれぐらい残ってるー?」とLINEしたところ、「……いや、あれは、ほぼ口頭で伝えたから」と天才なのか完全にバカなのかよく分からない返事が返ってきました。
#なんで口頭であんなものを作れんねん
#どうなっとんねん
#天才すぎるだろ
#いや
#もはやバカだろ

とはいえ、「ミュージックビデオ展」は、どう考えたって今回しかできない(一生に一度の)試みなので面白そうです。

渋谷の一等地で、あのMVをひたすら回して、映画の宣伝に繋げ、んでもって、東急プラザ渋谷さんを勝たせる。

また仕事が一つ増えました。
朝から晩まで死にかけていますが、こんな生き方を選んだのです。
MV展、来てね(^o^)/

現場からは以上でーす。

【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

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2020年12月25日公開!
映画『えんとつ町のプペル』
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このnoteは2020年11月5日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』への投稿をもとに作成しています。

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