突出した才能がないのなら、○○を学べ
このnoteは2020年4月2日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:にしもりあずさ さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「突出した才能がないのなら、○○を学べ」
というテーマでお話します。
ピンチの時こそニヤニヤしてしまう西野
こういうことを言うとすぐに、「不謹慎だ」と言い出す人が出てきてしまうのですが、子供のころ、大雨洪水警報などで学校に行けなくなって、日常の景色が一変して、川の水が溢れそうになったとき、少しわくわくしませんでしたか。
正直、僕は、川が氾濫している街中を救命ボートが走っているテレビのニュースを見て、子供ながらに少しドキドキしちゃったんです。
ちょっと羨ましいと思ってしまったくらいです。本来ならアスファルトだけの道の上にゴムボートがあって、街が半分水に浸かっているという様子です。あれを見ては、「何か楽しそうやなあ」と、子供の時に感じました。
さすがに大人になると、それが何を意味するのか、どれだけの人がそこで涙を流しているのかが、具体的に想像できてしまうので、手放しでドキドキすることはもちろんありません。
でも心の奥の奥のどこかで、「よしキター!」、「よーし!やったるぞー!」とニヤついてる自分がいるのは確かなんです。
僕はよく「悲壮感が出ないよね」と言われます。『ゴッドタン』という番組に出た時も「どれだけピンチに陥っても、西野って悲壮感出ないよね〜」と言われてしまいます。
おそらくこれが原因です。ピンチの時に、根底でちょっとニヤニヤしてしまっている。これは、強がりでもパフォーマンスでもなくて、「起こっちゃったことをグチグチ言っても仕方がないので、この状況をどう突破してやろうか」、「どう突破したらみんながワーッと驚いてくれるかな」と考えてしまうのです。
知恵の輪と向き合う感じで、現在も世界がこれまであまり経験したことのない災害と向き合っています。
もちろん、方々に配慮しながらです。
少年漫画のような話だし、キャラクター作りすぎだろと思われるかもしれませんが、ピンチであればあるほど目が輝き出す変態というのは、実際に僕の周りにも何人かいて、おそらく僕もその一人なんです。子供の頃から、こればかりはなおらないんですよ。
「おら強え奴を見るとワクワクすっぞ」みたいなことが、本当にあると言うことです。僕の相方や、僕のスタッフやサロメンバーさんに聞いてみてください。僕は天然でそういう性格です。
ただ、僕一人がそれでも仕方がない。一つの脳みそと、二本の腕では世界獲れません。
僕のアイデアを形にしてくれるのは、やっぱりスタッフさんで、チームの力というのは偉大だなあと感じています。僕はスタッフさんには、めちゃくちゃ恵まれていて、「僕の才能の9割がスタッフ」と言っても、過言ではありません。
残り1割は顔です。特に横顔ですね。
『愛嬌』と『配慮』が国内トップクラスの田村P
そして今、映画『えんとつ町のプペル』の前売券を全国の子どもたちにプレゼントするクラウドファンディングを行っているところです。
映画『えんとつ町のプペル』を、サッカースクールやダンススクールやピアノ教室、はたまた個人、児童養護施設の子どもたちと、その子供たちに映画を見せてあげたい支援者さんとのマッチングを、『SILKHAT』というクラウドファンディングのプラッフォームで行っています。
現在、983名の方に支援していただいて、15819,000円のご支援が集まりました(※2020年4月2日時点)。もうすぐ1万人の子どもたちを映画館にご招待できます。
そんな中、先日うちのスタッフの「田村P」 が、大阪府池田市のNPO法人 『TEACH』の子どもたち86人と、神奈川県川崎市および横浜市の一般社団法人『フットプロム協会』の子どもたち224人と、東京都板橋区の 『Peby College 板橋キャンパス』の子供たち300人分の映画前売券を、まとめて購入してくださいました。
ざっくり言うと、600人分ぐらいです。600人くらいの子どもたちに、『えんとつ町のプペル』映画前売り券をまとめて購入して、プレゼントしてくださったんです。
合計すると、これは結構なお金です。こんなことできますか?
田村さんは、ご自分がやられているオンラインサロン『タムココサロン』の1ヶ月分の売り上げをすべて子供たち、および映画『えんとつ町のプペル』の支援に回してくださったんです。
オンラインサロンをやったことがない人がほとんどなので、人によってはオンラインサロンを「不労所得」のように捉えておられる方もいらっしゃると思いますが、オンラインサロンを運営するのは、精神をむちゃくちゃ持っていかれるんです。
案の定、世の中のオンラインサロンの99%はうまく回っていません。
みんなすぐ「サブスクモデル」に夢を見るのですが、当たり前ですが、サブスクにした瞬間にライバルは Netflix になるわけです。
なので、サブスクをやるのであれば、それに匹敵するそれなりのものを提供し続けなければいけません。オンラインサロンの運営は本当に大変です。
そんな中、僕が「入ってきたお金を全部還元する」などと言ってしまっているので、「オンラインサロンの収益はみんなのもの」という雰囲気が若干漂っておりますが、基本的にはそんなことはありません。
魚屋さんが魚を売って出した利益は魚屋さんのものだし、ブロガーさんがブログを書いて出して利益はブロガーさんのものだし、サロンオーナーが文章や動画を提供して出した利益は、サロンオーナーさん個人のものなのですね。
その個人の1ヶ月分の収益を全額寄付するって、やっぱりぶっ飛んでます。僕も田村さんのサロンに入っているので、田村さんのサロンメンバーの反応を見ているのですが、その気っ風の良さが、また良い循環を生んでいます。
時々、田村さんが自分のことにお金を使って贅沢をする時があって、それを「今こんなことやってます」とサロンメンバーに報告してくれるのですが、その時、僕も含めて、それを見ているフォロワーのみんなはやけに嬉しそうなのです。
女性を例えるときの例えとしては最悪なのですが、田村さんが贅沢している時は、「飼っているカブトムシが蜜を吸ってくれた時」のような、得も言われぬ興奮があります。「蜜吸ってくれてる!やったやった!」という感じです。
ずいぶん前になるのですが、僕の自宅で、各界の研究者や開発者や起業家など、『エリート』と言われる人たちが集まって、みんなで飲んだことがありました。
その時は、確か人工の流れ星を飛ばす話をしていたと思うのですが、会話が空中戦で、卓球ぐらいのスピードで、論理と横文字がいったりきたりしているなか、田村さんだけは、「ムカつく」とか「あかーん!」とか「ドキドキする」とか言っていて、ついつい、「お前人間かよ」と突っ込んだことがあります。
その時、これからの時代に重宝されるのは、こういうキャラクター性のある体温が表に出ちゃっている人なんだろうなと感じました。キャラクターや体温というのは AI に代替されません。
案の定、あの時予想した通りの未来がやってきて、今は『正解』の価値が落ち、ロボットとは真逆の、愛されるムラのある人の価値がぐいぐいぐいぐい上がってきました。
田村さんのサロンには、今1500人近い会員が集まっていますが、それが物語っているなあと思いました(2020年4月時点の数字。2020年6月時点では、1900人)。
くれぐれも言っておきますが、田村さんって裏方の人間ですよ。おそらく普通にテレビに出ているタレントさんがオンラインサロンをやっても、これほど集まらないでしょう。
そういう話をすると、「そうか。自分を惜しみなく出して、どんどんムラを出していけばいいのね」と受け取ってしまう人がいるのですが、大切なのは、「愛される」というところで、そこには圧倒的な愛嬌と徹底した配慮が伴っていないといけません。
今後、自分の価値を作っていこうと思う人が学ぶべきはここです。
愛嬌や配慮といった部分で、うちの田村P は国内トップクラスなので、興味がある方は、彼女のオンラインサロン『タムココサロン』を覗いてみてください。
誰かをサポートする人間なら、尚のこと学べることが多いと思います。だって、西野のサポートをしているんだもん。やばいです。
突出した才能がないのであれば、学ぶのはこのポイントですね。
一度覗いてみてください。
駆け足になりましたが、以上です。
というわけで、
「突出した才能がないのなら、○○を学べ」
というテーマでお話させていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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