「フォロワー数」の増やし方 byキンコン西野

このnoteは2021年2月27日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:プペルの第二弾楽しみにしてます ありたこうき さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

本題に入る前に近況報告をさせてください。

新型コロナウイルスの影響で制作が遅れておりました絵本最新作『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』の制作が最終段階に差し掛かりまして、「表紙」の制作に取り掛かりました。

絵本の表紙は、中の絵を引っ張ってくる場合もあれば、表紙用に描く場合もあって、今回は後者です。

そして、いつもお世話になっているブックデザイナーの名久井直子さんと話し合って、「今回の表紙は過去作のように、派手で目立つ感じの、手数(描き込み量)の多いイラストではなく、『西野のペン画』にしよう」ということで話がまとまりました。

スクリーンショット 2021-03-07 12.15.48

『えんとつ町のプペル』以降、僕は絵本を分業制で作っていて、そのおかげで、僕が一人で描いている絵を知っているのは制作スタッフさんと、僕のアトリエに遊びに来る人だけなんです。

スタッフさんに送っている絵は、表には出していないので。

そんな中、スタッフさんや、僕のアトリエに遊びに来た友達から、「西野がスケッチブックにササッと描いたイラストって、いいよね」と言われて、「それならば」と、僕がスケッチブックに鉛筆とボールペンでササッと描いたイラストを今回はそのまま表紙にさせていただくことになりました。


これには、環境と心境の変化が大きく影響していて……まず、ここ最近は絵本を出版するとなると、本当に(本当に!)ありがたいことに本屋さんが過去作と一緒に並べてくださるようになりました。
#好きです本屋さん

それこそ、今回も、もしかすると『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』の隣に、『えんとつ町のプペル』を並べて置いてもらえるかもしれなくて、そうなってきたら、「派手で、色や描き込みの手数の多い表紙で、注目を集める」という仕事は『えんとつ町のプペル』がやってくれるから、最新作の表紙は、あまり目立たないけど「手作り感」をとってもいいのかなぁと思って、僕のペン画(ほぼラフスケッチ)を表紙にすることになりました。


そして、もう一つ。

 
これは心境の変化なのですが、『映画 えんとつ町のプペル』をやったのが自分の中で本当に大きかったです。

あちらの作品は、何百人というスタッフさんが関わっていて、制作規模もさることながら、その後の展開も派手じゃないですか?

現在、観客動員数は160万人を突破して、海外にもどんどん出て行っています。

それもあって、「そういった派手なお仕事は映画にお任せして…」といった反動が自分の中で起きていて、鉛筆一本で描く絵が恋しくなっちゃったんだと思います。

なので、変な感じの絵本なんです。

中身はカラーなのに、表紙が白黒で、
中身は仕上げきっているのに、表紙はラフスケッチ気味で…
「あたり」を探っている鉛筆の線も消さずにそのまま残しています。
ちょっと、汚いです(笑)

まぁ、「『映画公開後の最初の絵本』ということで、こんな感じになりました」というご報告です。


『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』は現在、サイン本のご予約を受け付けておりますので、『キンコン西野のサイン本屋さん」で検索してみてください。

絵本が完成し次第、順次配送させていただきます。


(※コチラ↓)


そんなこんなで今日の本題です。

ちょっと前になるのですが、幻冬社の箕輪さんがオンラインサロンの記事の中で、「サウナのことを発信したら、フォロワーが減った」という話をされていたんです。

箕輪さんは最近、『サウナランド』という雑誌を軸に、サウナの文化・コミュニティー・ブランドを作っておられるのですが、そのことを発信するとフォロワーが減っちゃうのだほうです。

べつに箕輪さんのフォロワーが全員サウナ好きというわけではありませんから、「興味ねえよ」という人がフォローを外しちゃうんですね。

そして、箕輪さん御本人は強がりでも何でもなくて、「それで全然構わない」と。


今日の本題はここなんですけども、

フォロワーが減ってしまうことに対して、不安を覚えてしまう人っていると思うんです。

これは、現代病だなぁと思っていて、たしかにフォロワーの多さが力になるケースが多いので、それが減ってしまうと、先行きが不安になる気持ちも分かります。

ただ、少し踏み込んだ話をすると、「フォロワーの多さ=売り上げ」じゃないんですね。
もっというと、「共感=売り上げ」じゃない。

「あ〜、わかるわかる」で売り上げに繋がる場合もあれば、「あ〜、わかるわかる」で終わってしまう場合もあって、多くは後者です。

たとえば書籍とかが分かりやすいですよね。

何百万フォロワーを抱えているタレントさんの本が平気で売れてなかったりするじゃないですか?

フォロワー数200万人なのに、本の売り上げが2万部ということってザラにある。

映画でも普通にありますよね。「あの人気アイドルの映画が大ゴケ」とかいうニュースをよく見るじゃないですか。

僕らは、ここを理解しておいた方がいいと思うのですが、「フォロワーが増える」というのは、どういう状態かというと、「入会者の人数に対して、退会者の人数が下回っている」ということです。

じゃあ、フォロワーを増やしたかったら、早い話、フォローを外す人を「ゼロ」にしてしてしまえばいい。
そうすると、あとはプラスしかない。

で、

フォローを外す人をゼロにする方法って、メチャクチャ簡単なんです。

発信しなければいい。

発信しなければ「やめるキッカケ」もありませんから、ズルズルと続けてしまう。
でも、それは数字に残っているだけの話で、実際のところは、参加していない。

スポーツジムとか、最近、全然行っていないのに、まだ毎月お金を払っていたりしません?
あれ、スポーツジムから、毎日、お知らせが届いたら、「ああ、このジムのサービスを全然使い切れてないなぁ。勿体無いし、やめよう」となりますよね。

発信って、「やめるキッカケ」に繋がるわけです。

……が、一方で、発信しないと何者が分からなくなるじゃないですか?

お前がどういう理念で活動していて、お前を応援すると、どういう未来が待っているのかが分からない。

そんな奴の商品なんて、これからワザワザ買いませんよね?

「フォロワー数なんて無意味だ」とは言いませんが、フォロワー数の増やし方には明確なやり方があって、それをやればフォロワー数は増えるのですが(箕輪さんでいえばサウナのことを呟かなければ増えるのですが)、そうして増やしたフォロワー数には、あまり価値はない。

プロフィールで「フォロワー数○○万人!」と紹介されるぐらいです。

だけど、その頃には、フォロワー数を減らさない為に振る舞い続けてきた「あたり触りのない人間」になっている可能性があって、そうなると、商品の売り上げには繋がらない。


だから、箕輪さんがサウナのことを呟いて、フォロワーが減っても全然いいと思うんです。
そんなことはご本人が一番分かっていることだとは思いますが。

箕輪さん的には、「フォロワー数を増やすこと」よりも、「サウナブランドを構築すること」の方が遥かに重要なので、そっちを取りに行った方がいい。

ですが、「フォロワー数が伸び悩んでいる」とか「フォロワー数が減った」とかで悩んだり、不安になったりする人って、あとをたたない。

フォロワー数なんて、あくまで参考数字であって、そんなものを「判断基準」にしてしまうと苦労しちゃうかも……という話です。


▼西野亮廣の最新のエンタメビジネスに関する記事(1記事=2000~3000文字)が毎朝読めるのはオンラインサロン(ほぼメルマガ)はコチラ↓

▼Instagram版はコチラ↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?