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キンコン西野が『時事ネタ』を取り扱わない理由

このnoteは2019年10月7日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:吉田裕子さん

おはようございます。
キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をやったり、絵本作家をしたり国内最大のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」の運営をしたりしております。

今朝は、「キンコン西野が「時事ネタ」を取り扱わない理由」というテーマでお話ししたいと思います。

時事ネタを取り扱わない

取り扱わないんですよ。時事ネタというものを。

最近のニュースを、どうやって切り取るだとか、これに対してどう意見言っていくんだっていうのを、ほとんどといっていいほど取り扱わないんですよ。

何か必要に迫られて意見することもあるんですけれども、自分から時事ネタを切り取りにいくことはなくてですね。
例えば YouTube で毎週『キングコング』っていうのをやっているんですけれども、
毎回時事ネタみたいなものを切り出しているのは梶原君なんですよ。
それに対し、僕が迫られて意見を言うことはあるんですけど、
自分から、最近問題になっている話題に対してどう思うみたいなことっていうのは、切り出さない。

とかく時事ネタというものを僕は扱わないことについて、いろいろ理由はあります。

まあそもそも大前提として、芸能人の不倫とかに時間も感情も割きたくないっていう、これが一番の理由かもしれないですね。

興味がないんで。
誰々が付き合って誰々が別れて不倫して浮気してって。

そんなことに時間と感情割くために生まれてきてないし。
そんなことに時間と感情割くためにこの世界入ってないんで。

自分はエンターテイメントで世界とるって決めているから、そういうことに時間を割きたい。
で、この「時間」というのが今日のテーマになってくると思います。

まずですね、本題入る前にちゃんと断りを入れておきたいなぁと思うのが、これ以降で、僕は、「働き続けなきゃいけない」っていうワードを使います。

これちょっとネガティブな響きですね、働き続けなきゃいけないっていう。
これ分解すると、働き続けなきゃいけないっていうのは、
他人が舵を握る船で労働し続けなきゃいけない、ということを指しています。

僕はそもそも働くの大好きなので、明日も明後日も明明後日もずっと働きたいので、ただ他人が舵を握る船で労働をし続けるのは嫌だ。
そこに時間を割いてしまうと、挑戦する時間が作れないので、誰も見たことのない良いものに挑戦する時間が作れないので。

だから、働きつづけなきゃいけないってワードが出てくるんですけど、その心はそういうことであるということですね、「他人が舵を握る船で労働し続けなきゃいけない」っていう意味として聴いていただけると嬉しいです。

さて、今日の話をする上で、絶対に外せないのは、『資本』というものです。『資本主義』の『資本』ですね。

資本って一体何なんだと言うと、
さまざまな価値を生み出す元手ですね。
ちょっとややこしいですね。

例えば、あなたの体も資本です。明日の給料を作ってくれるのもあなたの身体だし、時間も資本ですね。これはどっちかというと人的資本と言いますね。あなたの体力だとか今だったら信用っていうものも人的資本ですね。信用度がすごく高ければ、例えば、クラウドファンディングでお金みたいな価値を生み出すことができる。

あと、株みたいなものは金融資本ですね。
不動産は固定資本っていうのかなぁ。それがあることでお金みたいなものも勝手に作り出してくれる固定資本。車とか洗濯機も固定資本に入るのかな。車とか洗濯機は時間を生み出してくれる。前までだったらゴシゴシゴシゴシ手洗いしなきゃいけなかったのに、洗濯機に入れてたら勝手に洗濯してくれてこれまでは必要だった2時間分くらいの時間をくれると。
それと、フォロワー数も資本になりますね。今だと。

で、こっから見えてくるのは何かというと、どうやら資本を増やすことが重要であると。
資本がないと労働時間が減らないっていうのはなんとなく分かってくると思います。

時事ネタは資本になるの?

ちょっとまとめます。
資本っていうのは様々な価値を生み出す元手であると。
で、どうやら資本を増やすことが重要で、資本がないと労働時間が減らない。
これ何となくわかりますね。不動産があれば不動産収入とかで収入得られるから労働時間減るんだって、なんとなくこういうルールですね。

でですねえ、時事ネタの話です。

時事ネタを斬るとですね・・
どういう良いことがあるかというと、まず時事ネタを斬ると、みんなが気になっている事柄なので、視聴率やアクセス数が増えます。広告費やアフィリエイトが落ちる。つまりお金が落ちる。ってことで、時事ネタを斬るとお金が落ちやすい。

整理すると、時事ネタっていうのは情報を売ってるってことですね。

で、時事ネタで手に入る物はおそらく3つあります。

一つ目はお金。
二つ目は認知度。視聴率稼ぐと見てもらえるので認知度が上がる。検索されたりだとか。
三つ目がフォロワー数。 twitter とか。次この人がどうやって切るのかな、というところに興味を持ってもらえるとフォロワー数が増える。

なんとなくこの3つが手に入りそうですね。お金 、 認知度、フォロワー数。
すべてこれはなんとなく資本ぽいですよね。

で、 ここからちょっと整理したいんですけど、
じゃ、時事ネタっていうのは何なのかって、もうちょっと掘り下げていくとですね。
賞味期限のある情報なんですよ。つまり、時事ネタっていうのは、当然5年後には賞味期限は切れているので、いま話題になっている道端アンジェリカについて意見して youtube に上げたところで、5年後にはそれは検索されないですよね。
つまり、5年後にはその情報は資本にはなってないということです。ここがポイントですね。

認知度っていうところで言うと、これがむちゃくちゃ慎重にやらなきゃいけない。どう情報を売って、時事ネタを切って、認知度を上げたとしても、この認知のされ方が、
「意見を言う人」っていう認知のされ方になってしまうとですね、当然意見を言う人の数が増えることになります。意見言ったらアクセス数が稼げるとか。
ということで、みんな一斉に時事ネタ切り出すから、意見を言う人って今後どんどんどんどん増えますよね。

どんどんどんどん意見言う人数が増えれば、自分が意見を言う人って認知をされればされるほど、自分の希少価値が減る。
つまりもうそういう認知をされてしまうと、資本にはなんないってことですよ。

当然、フォロワー数もそれに合わせて減るんで。減るっていうのは難しいな、フォロワー数は減らないんですよ。twitter てほぼ解除しないじゃないですか、だけれども幽霊フォロワーが増えてるんです。つまりフォロワー数が100万人いるにも関わらず、全然お客さんが誰もアクセスしてないみたいな状態になっている。

結構いますよね、タレントさんでフォロワー数何百万人とかいるのに、あれ全然コメントついてないなぁとかリツイートされてないなとか、そういう状態ですね。これやっぱ認知されているんだけど認知のされ方があまり得するされ方をしていない。

つまるところですね時事ネタっていうのは賞味期限のある情報なので、
資本として機能する時間が極めて短い。5年後、資本になんないんですよね。

まとめ

5年後に資本にならないっていうところがポイントで、つまるところ「資本率」が低いっていうことです。そんな言葉があるのかよくわかんないけど、そういうことです。

その瞬間その瞬間、資本になっているんだけれども。つまり、言ってしまったらですね。
3日で壊れる洗濯機をずっと買い続けるっていう状態です。
5年持つ洗濯機じゃないっていうことですね。時事ネタっていうのは。

なので、資本にならないから結局労働時間が減らないんですね。
働き続けなきゃいけないから。他人が舵を握る船で労働し続けなきゃいけないっていうことですね。

僕はこれをあんまりしたくない。
まとめるとですね。

僕は、自分の時間は、5年後も10年後も資本として機能しているものを作ることに割くようにしている。絵本とか。

認知についても、常に挑戦する人として認知されることとか。そういう事に自分
の24時間を投じるようにしている。
考えているのは、資本になっているのかいないのかっていうところ。

で、時事ネタを取り扱わない理由は、結論、資本にならないから。
だから、あまりやりませんっていうことですね。

長々とお話してきましたが、それよりも何よりも、
そもそも興味ねーってことです。
タレントの不倫にまったく興味がないっていうところに尽きますね。

そういうことで、「キンコン西野が「時事ネタ」を取り扱わない理由」というテーマでお話しさせていただきました。
実は、いま朝起き抜けの思いつきでバーって喋って全然まとまってないので、いつもならブログとかオンラインサロンとか書籍とかどっかで書いたことをvoicyでしゃべっているんですけど、もうちょっとこれを整理してオンラインサロンの方でいつか書きたいと思います。結構重要なテーマだと思うので。
オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」の方で、精度を上げてお届けしたいと思います。

今朝は「キンコン西野が「時事ネタ」を取り扱わない理由」というテーマでお話しさせていただきました。
それでは素敵な一日をお過ごしください。
西野亮廣でした。

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