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映画公開前に「台本」を販売するキンコン西野の狙い

このnoteは2020年5月30日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:みんなのベリーハッピーが大好物!秋田のぼんちゃんことクマガイヒロサトさん


どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「映画公開前に『台本』を販売するキンコン西野の狙い」
というテーマでお話しします。

チラホラと情報が出ているんですが、今年の年末、映画『えんとつ町のプペル』が公開されます。

こちらは「絵本作品の映画化」と紹介される機会が多いのですが、それだけを聞くと、「絵本の絵をアニメーションで動かすんでしょ?」と思っちゃいます。が、映画『えんとつ町のプペル』は、それとはチョット違うんです。

というのも、『えんとつ町のプペル』という作品は、絵本が完成するよりも、ずっとずっと前に映画版のストーリーが書きあがっているんです。

これが今から8年前です。

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一番最初に映画のストーリーがあったのですが、お客さんからすると、まったく知らない映画を観る理由が無いじゃないですか?

「このままだと、映画を作ったはいいものの、誰にも観られずに終わっちゃう」と思ってですね、まずは「知ってもらおう」と。

というわけで、まず、絵本『えんとつ町のプペル』を(3年間かけて)作りました。

すっごい悪い言い方をすると、映画のチラシとして作ったのが、絵本『えんとつ町のプペル』です。
チラシといっても、あくまでそれは「役割」の話で、絵本の中身は命をかけて作りましたよ。
「テキトーに刷った」ということではありません。

映画『えんとつ町のプペル』は1時間半のストーリーなのですが、1時間半のストーリーを1冊の絵本に詰め込むのは難しいです。
絵本のページ数には限りがあるので。
そこで、映画『えんとつ町のプペル』のストーリーの間の一部分(※全7章のうちの2章と3章だけ)を抜き取って、一冊にまとめたのが絵本『えんとつ町のプペル』です。

なので、絵本版には「なぜ、あんな煙突だらけの町ができたのか?」という説明がされていないんです。煙突だらけの町が「すでにある」状態から物語がスタートしています。

「煙突だらけの町」なんて何かの意図がないと、できないじゃないですか?そうなんです。あの町は、誰かの仕業によって生まれたんです。
ただ、それを描いてしまうと絵本の尺に収まりきらないので、そこは絵本では描いていません。

ついでに言うと、絵本『えんとつ町のプペル』には本当の主人公が出ていません。
主人公を出しちゃうと、1時間半分描かなきゃいけなくなるので。

なので、絵本『えんとつ町のプペル』には、主人公に一番近い位置にいる「煙突掃除屋の少年」と「ゴミ人間」を『絵本版の主人公』という形で登場させています。

『えんとつ町のプペル』の本当の主人公は、まだ世に出ていないんです。
映画で初めて登場するんです。
主人公を出すまでに8年かかっちゃったパターンです(笑)

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みんなで作ってきた『えんとつ町のプペル』

今日の本題はここからです。

『えんとつ町のプペル』という作品は、絵本になり、国内外で個展をして、ミュージカルにもなって、ついに映画化…という流れできたわけですが、これまで一貫して、お客さんと一緒に作ってきました。

お客さんと一緒に予算を集めて、
お客さんと一緒に作って、
個展もお客さんと一緒に仕掛けて、
そして、今、ブロードウェイミュージカルも、お客さんと一緒に作っています。
プペルって、そういう作品なんです。
プロが完成させて、お客さんに提供するタイプの作品じゃないんですね。

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それは、最後までそうでありたいと思っています。
もちろん、今回の映画も。

というわけで、この度、映画『えんとつ町のプペル』の台本を、映画公開前に販売する運びとなりました。

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ここから映画公開までの半年で、素材をチョイチョイ出していくことになると思うんですね。
その時、台本と照らし合わせながら、「ああ、これは、あのシーンのやつだな」とニヤついてもらうエンタメもあっていいし、台本を読みながら、「このシーンを、どうアニメーションで見せるんだろう?」というエンタメもあっていい。

こういうのは本来制作スタッフ側の楽しみだったりするのですが、プペルに関しては、それを望むお客さんがいると思っています。
そこで、「事前に映画版のストーリーを知っておきたい」というお客さんの要望にも応えられるようにしてみました。

もちろん、ストーリーを事前に出すことで、それなりにリスクもあります。
ただ、面白いことをやるのにはリスクはつきものですし、「そこで何かおきたら、それもエンタメにしてしまおう」という覚悟を持っています。

僕個人的には、映画公開前に、誰かが、この台本を使ってオリジナルアニメーションを作ったら面白いなぁとコッソリと思ったりしています(ナイショだよ)。

あとは、すっごいハイクオリティーの映画予告。

本当にクオリティーが高ければ、YouTubeの一ネタとしてバズるでしょうし、予告に関しては映画制作チームも面白がってシェアすると思います。
たぶん、ありもしない実写版『えんとつ町のプペル』の30秒CMを、超絶ハイクオリティーで作ると、バズると思います。
西野がヨダレを垂らしながらシェアしますww

ポイントは、映画制作チームや、西野がシェアしたくなるようなモノですね。
YouTubeだから、そこに広告をつけていたら、少しお小遣い稼ぎになるわけじゃないですか。そういう感じが、いいなぁと思っています。

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売上の内訳を共有しておきたい

クラウドファンディングのリターンとして、『映画シナリオ台本(サイン入り)&ペアチケット』(6000円)を出させていただくのですが(※現在は終了)、こちらの売り上げの内訳(お金の流れ)を共有しておきたいです。

映画のチケットが1800円×2枚で3600円。
台本の印刷代、配送料、サイトの手数料。
売り上げから、これら「リターンの原価」を引くと、約590円が残ります。
そして、この590円は「寄付」という形で、映画『えんとつ町のプペル』を観たい子供たちに贈る前売券の購入代金に全額充てさせていただきます。

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こうした実験を繰り返しながら、一人でも多くの子供にファンタジーを届けたいと思います。

思いつく限りの努力は全て実行します。
それが吉と出るか、凶の出るか。
どうか、見届けてください。

めちゃめちゃ頑張ります。


というわけで、
「映画公開前に『台本』を販売するキンコン西野の狙い」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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