挑戦できるサラリーマン、挑戦できないフリーランスbyキンコン西野
このnoteは2020年1月6日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:講内 源太 さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日はですね、
挑戦できるサラリーマン、挑戦できないフリーランス
というテーマでお話したいと思います。
週末は未開拓地を攻めろ
僕がvoicyにあげた音源って、マネージャーの須藤くんがYouTubeにコピペしてくれてるんですね。
YouTubeはサムネイルが超大事だと思うんですけど、それも須藤くんに丸投げして。写真とか、タイトルとか、ああいうのぜんぶ。
「こういう写真にしたほうがよろこばれるんだな〜」ってところを須藤くんが考えて改善したほうがチームの生産性があがるから、そういう形をとらせてもらってるんです。
その感じでYouTubeをやっていると、ときどきお客さんから「YouTubeは企画を練って、きちんと顔をだして、喋りにテロップをいれたほうがバズりますよ」っていうアドバイスをいただいたりするんですね。「いまのやり方のままだとYouTubeではバズれませんよ!」って。
こういうのって本当にノウハウ病だなぁと思って。
ご意見をくださったのはアンチの方ではなくて、ほんとうによかれと思って言ってくださっているのでお礼の意味をこめて、こういう考え方をもってみてはいかがでしょうか?って話を今日はしたいと思います。
まず大前提として、キングコング西野はユーチューバーではない。
込み入った話をすると、YouTubeをメインの収入源にしていない。
キングコング西野の収入源は本の印税とかいろいろありますが、いちばん大きいのはオンラインサロンだと思います。
月額1000円で、現在会員数が3万4000人(2020年5月現在は5万3000人)なので、ざっくり計算で月収が3400万円。年収だと4億円ちょっとですかね。
もちろんこのお金は税金と、それ以外はエンタメに全額ぶちこんでいます。
たとえば、美術館つくったりとか。土地買うの何億ってかかりますよね。
絵本1冊つくるのだって分業制でやっているので、1冊作るのに2000万円とか2500万円くらいかかったりしているので。
そういったお金がオンラインサロンの利益からでているんですね。
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、僕が毎朝、ビジネス書に掲載する以上の記事を投稿してるんですね。ほんとうに毎朝です。だいたい2000文字とか。
1年365日、毎朝ビジネスに関する2000文字の記事を投稿しようと思ったら、当然それだけの量のインプットをし続けなければならないですよね。
インプットしなければアウトプットするネタがうまれないから。
そうなってくると、まず大前提としてルーティーンで動いてしまったら不可能なんですね。レギュラー番組をもつなんてもってのほかで。
レギュラー番組7本もってます!って生活をしてしまったら、月曜日はこの仕事、火曜日はこの仕事っていうルーティーンにはいってしまって、会うスタッフも一緒になってくるし、企画の内容もだいたい似通ってくる。
その生活してたら、入ってくる情報が固定されてしまう。
そうすると、オンラインサロンの毎朝2000文字の記事を書くのはちょっとむずかしくなってくる。
僕がやらなきゃいけないのは、オンラインサロンの記事を毎朝書かなきゃいけないから、とにかく毎日実験を繰り返して、その実験結果を報告するっていうことですね。
「あそこ掘ってみたけどなにもでてきませんでした」っていうレポートにも価値があるわけです。
逆に言うと、ある程度の収穫がある土地に行って「こんなことなりましたよ」っていうレポートをやったところで、そこには価値がないわけですよね。
企画を練って、顔をだして、喋りにテロップをいれたYouTubeチャンネルをやったところで、それはオンラインサロンの記事にはならない。
この音声コンテンツにスポットをあてて整理すると、5つ理由があります。
①僕がvoicyに音源をあげる。
②その音源をスタッフがYouTubeにあげる。
③そのYouTubeチャンネルはどうなのか?っていう検証結果をオンラインサロンにあげる。
④ビジュアルでなくて音声なので、文字起こししたときに魅力が落ちないから読み物にすることができる。現在、新R25さんがvoicyにあげた音声を記事にしてくださってる。
⑤文字に起こして最後にオンラインサロンの入会ページのリンクを貼ることでサロンメンバーが増える。
この音声コンテンツっていうのは、ご覧のとおり、二毛作ならぬ五毛作ですよね。
YouTubeで動画で「はいどーもー!」ってやってしまうと③の「音声のYouTubeチャンネルはどうなのか?」っていう検証結果をあげるのと、④の記事化するのと、⑤のオンラインサロンの会員が増えるのがとれない。
お気づきかもしれませんが、この五毛作で僕はほとんど稼働していないんですね。
僕が稼働しているのは、①のvoicyに音声をあげるのと、③の音声のYouTubeチャンネルはどうなのか?っていう検証結果をオンラインサロンにあげるっていう①と③しか稼働していなくて。②④⑤はべつのスタッフさんがやってくださっている。
でね、お仕事を設計するときっていうのは、こういう風にいかに連鎖をつくるか?ってことが大事で。単体で回収することしか考えていない人はけっこう大変だと思う。
これとは別の話でね、先行者利益ってものがある。
YouTubeでいうとヒカキンさんとかですかね。
最初にはじめた人が受ける恩恵のことですね。ここを取りに行くのが重要で。そうなってくると、実験って超大事なんっすよ。
実験できる余裕があるうちに実験しておいたほうがいいよっていうのが僕の結論なんですけど、25歳で絵本を書きはじめたときも「絵本っていうものはそうじゃない!」「まるっこいカラフルなキャラクターがでてくるんだ!」ってすごい否定されたんですよ。
でもそんな絵本は僕が書かなくたって世の中にたくさんあるわけじゃないですか。
僕はずいぶんと書き込む、制作に3、4年かかってしまうようなものを作っている。
これが受け入れられるかどうかわからないんだけど、テレビに出て絵本以外の収入があったから書き込む絵本に手を出す余裕があった。
その余裕があるんだったら、未開拓地には乗り出したほうがいい。そこで新しいものを掘り起こせたら、先行者利益でビッグヒットになる。
もったいないなと思うのは、月金で働いていて生活していけるほどの余裕があるのに、土日に安パイに手を出すのって本当に不毛だなと思っていて。
世界中でいちばん思い切った挑戦ができるのは、月〜金で働いて生活費が保証されているサラリーマン。
そういう環境にある人は土日は攻めたほうがいいですよ。
まさか土日に企画を練って、顔だして、喋りに出ろってYouTubeチャンネルみたいな答えがでているところに時間をかけちゃダメ。
それはフリーランスの人がすることだから。
生活費が保証されていないフリーランスの人がやる戦い方で。
生活費がある人は挑戦したほうがいいです。
ほぼみんながやらないところに張って、外れて外れて外れて2年目くらいにビッグヒットを掘り当てるみたいな。
なんのために月〜金働いてるかってことを考えたほうがい。
結論、サラリーマンは挑戦するためにサラリーマンをやっているって考えをもたれたほうがいいと思いますっていうのが今日のお話でした。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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