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【45歳リストラ時代】今後、「会社」はどうなる?byキンコン西野

このnoteは2020年3月22日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供: 谷角 大悟さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「【45歳リストラ時代】今後、「会社」はどうなる?」
というテーマでお話したいと思います。

会社というシステムの限界は間違いなくきている

先に言っておきますと、今日は結論がこれといってありません。

「今なんとなくこんな感じですよ」という共有をして、組織がどうあるべきかを大まかにお話しできればと思います。

今、僕たちは、オンラインサロンというものを通じて、向こう100年生き残るチームの新しい形を探っています。

世界初の株式会社と言われる東インド会社ができたのが1600年頃だったので、会社というシステムの歴史は約400年ぐらいです。

さすが400年も続くだけあって、今でも僕は株式会社というのはよくできた仕組みだなぁと思っています。

さて、ここ最近、会社であることがネックになる場面が目立ってきました。

その一つは意思決定のスピードです。

大きいことをしようと思えばそれだけ大きな組織である必要がありますが、一般的に組織が大きくなればなるほど遅くなります。

それでも以前は遅さが命取りにならなかったのですが、組織などを介さず個人で発信できるようになった時代では、このスピードが原因で組織が個人に負けてしまう場面が増えてきました。

わかりやすいところで言うと、

数十人のスタッフで作ってるワイドショーよりも、時事ネタを斬っているホリエモンのYouTubeチャンネルの方が面白がられている上に利益を生んでいたりします。

報道という組織がカルロスゴーンさんに直接インタビューする企画を通すためには、偉い人に何個もハンコを押してもらわなきゃいけない。

しかしハンコが集まった頃には鮮度は落ちているので、そのニュースは機能しません。

今はたまたまメディアで例えましたが、基本同じような事が様々な業界で起きています。

次に、会社というシステムが少し厳しいと思うのは、生産力の問題です。

残酷なのは、特に最近の仕事において、50代の方よりも20代の方のほうが生産力があるとみなされるので、一般的な会社の考えでは50代の社員を雇うことがなかなか難しいのです。

これを受けて、最近では、45歳リストラ時代などと言われています。

今日のトヨタ自動車の社長の「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」という発言が大きな話題になりました。

さて、この波をどう乗り越えていくかというのが現代人に課せられたテーマですが、

僕の場合、オンラインサロンをやればやるほど、時代がオンラインサロンというものを求めたのは必然としか思えないのです。

オンラインサロンの実態を知らずに、自分の中で想像したイメージで否定する方がいらっしゃいますが、その感覚でいるとちょっとやばいと思っています。

もちろんオンラインサロンにも、ピンキリがあります。
ひどいとこは結構ひどいと思います。

ただ、うまく回っているサロンは、会社の機能を使えるところは使って、切り捨てるところは切り捨てて、新しい組織として機能しています。

例えば、西野亮廣エンタメ研究所では、プロジェクトごとにサロンメンバーが集合・解散をカジュアルに繰り返し、それがボランティアの場合もあれば、サロンの売上がサロンメンバーのお給料になったりもします。

変な話ですが、月額1000円を払って、毎月50万円の活動支援金を受け取っているサロンメンバーもいます。

この指とまれでプロジェクトチームが4万人の中から集められているので、そのプロジェクトには熱量が高い人しか集まりません。

もちろんプロジェクトをやってる方もいれば、それを見てる方もいる。

どちらでもいいのですが、いずれにせよ、プロジェクトをやってる方は熱量が高い人ばかりです。

窓際に座って仕事の終わる時間をひたすら待つ社員は一人もいないんです。

ここにお給料のロスがないのです。

先日、梶原君と二人で一緒にキングコングのPVを撮りました。

撮影、編集が得意なサロンメンバーに500万円の制作費をお渡しして、「この中でPVをつくってください」という形で撮っていただきました。

完全に外注したのではなくて、普段から意見交換・世界観の共有を繰り返しているサロンメンバーに発注したので、意思疎通や進行方向にずれがなかったんです。

これによって、時間の無駄がありませんでした。

僕らはオンラインサロン西野亮廣エンタメ研究所を運営する会社、株式会社NISHINOの会社としてのあり方も模索しています。

やっぱり僕は、いつ独立しても食える状態にしてあげた上で社員さんと付き合うべきだと思っています。

上司や社長が生活の部分で社員の弱みを握っていることは健康的ではないし、そんな会社には才能が集まらないので、遅かれ早かれ潰れるというのが僕の見立てです。

ポイントは「いつ独立しても食える状態にしてあげた上で社員さんと向き合う」であって、何が何でも独立させることではありません。

独立しても応援するし、独立しなくても応援しますよ、というのが株式会社NISHINOの基本スタンスです。

僕はスピード出世なので、二十歳の頃からブイブイ言わせていましたが、それはあくまで他人が管理してるお金、制作費の中での活躍でした。

なので、当時は最終決定権が自分にはありませんでした。

これだと極端に面白いことができないというわけで、25歳の時にテレビの世界から軸足を抜きました。

忘れもしないです。

中野TWLという小さな小屋で、自分で予算管理をしながら再スタートを切って、その時に使えるイベントの制作費がわずか4万円だったんです。

仕方がないので自腹で美術セットなどを買って、それなりに見栄えのする舞台を作りましたが、最初使える予算が全然なかったです。

当時はクラウドファンディングのようなものもなかったので、予算の作り方も知りませんでした。

経済的な独立はまだまだ先だったのです。

去年、うちのインターン生たちは3千万円近くの予算を使ってエッフェル塔の個展などをしています。

当時の僕からすると考えられない規模の勝負をしているんです。

これは西野の苦労をうまく利用した形だと思います。

でも、僕は「彼らには僕と同じ苦労しろ!」などとは絶対思いません。

「立ち上げの苦労はもう僕がやったんだから、その先の苦労をしてくれないとチームの意味がないじゃん」と思ってます。

パスをつないだから、シュートを決めてくれよという感じです。

僕には当時独立するという選択肢がありませんでしたが、うちの社員は独立してもいいし、あやかって大きなことしてもいい。

でも、いずれにしても、いつ独立しても食える状態にしてあげた上で社員さんとして向き合うということを守っています。

その方がフェアです。

さて、僕自身は戦況を見守っている感じですが、いまうちの新入社員やインターン生はオンラインサロンとあやかることを本当に賢く使いながら、ほどよい自我を保ちつつ、可能性を探っています。

次の時代のチームの形で、その正解はおそらくこのあたりから出てくるだろうと思います。

町・集落には名前がついていて、各町・集落には世界観とかやんわりとした方向性があります。

下北沢なら演劇とか音楽、大間はマグロ漁。

そこの世界観に共鳴した人たちが集まり、そこで仕事が待っています。

それをオンライン上で実現させたのは、オンラインサロン。

従来の会社という形がなんとなく限界を迎えつつある中、オンラインの集落が時代にマッチしていると感じています。

このゆるやかなつながりこそが、次の時代を乗りこなす乗り物になるのではないでしょうか。

今朝は今後の組織のあり方について、
「【45歳リストラ時代】今後、「会社」はどうなる?」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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