「幸せにするシェア」と「不幸にするシェア」byキンコン西野
このnoteは2020年5月23日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:中川 顕太朗 さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日はですね、
「『幸せにするシェア』と『不幸にするシェア』」
というテーマでお話したいと思います。
キンコン西野の2020年上半期最大の発見
面白い話を教えてもらったことがあって。
今、情報がすごく溢れているじゃないですか。じゃあ、この情報が溢れた原因は何だ?という問いに対して、やはり「インターネット」が普及したという答えが一つあると思うのですが、もうちょっと踏み込んだ答えがあって。
昔は情報を発信しようと思ったら、紙に印刷したり、その印刷物を配達したり、かなりコストがかかってたわけじゃないですか。
それで、そこでかかったコストは当然、生きていくためには回収しなければならないので、例えば、そこに1000円掛かっていたならば1000円は回収しなければならないわけです。
なので、発信する情報は回収に見合うだけの情報、それなりの情報でなければならなかったわけですね。
つまり、「発信コスト」が情報の質を担保してくれていたという話です。
ところが今は、情報発信にかかるお金は基本0円ですよね。
ツイッターでつぶやいても、 youtubeで配信しても0円である。
コストの回収をしなくていいので、かかったコストを回収してくれない情報、つまり、どうでもいい情報でも発信できるようになり、どうでもいい情報が出回るようになったわけですね。
情報の洪水が起きている原因は「コスト回収を考えなくてもよい」という点にあったというわけです。
ここ面白いですよね。
昔は、回収しなければならなかったので質が高かったということです。
それで、ここからが今日の本題なのですが、僕らはこれまで「たくさんの情報に触れられること」をいいこととしてきたじゃないですか。
例えば、芸能人の不倫のニュースがあったとしますよね。
あなたはそのニュースを見て苛立ったり、時にはコメントしたりする。
でも、そこに割いてしまった感情とか時間って、1ヶ月後、なにかプラスになっていますか?あなたの活動を後押ししてくれる何かになっていますか?
なっていないんですよ。
つまり、あなたは感情と時間をドブに捨ててしまったということですね。
「タイムイズマネー」とはよく言ったもので、あなたが自分の時間をせっせとドブに捨てている間、その裏で、使うべき適切な場所に感情と時間を適切に使っている人がいて、その人はどんどん前に進んでいます。
そして、相対的にあなたは貧しくなります。
こんなことも誰も言わないのでゾクッとするかもしれませんが、芸能人の不倫に感情や時間を割く人って、週刊誌の記者や芸能コメンテーターのようにそれを生業としているような特別な人を除けば貧乏になるんです。
お財布からお金が出ていっているわけじゃないので実感が湧かないかもしれませんが、「東出くんの不倫許せない」とか言っている人は、その瞬間に少しずつ貧乏になっているんです。
つまり、あなたの夢やあなたの家族を守る力が落ちてしまっているということですね。
月並みの結論ですが、芸能人の色恋沙汰に口を挟む時間なんて、あなたの人生において1秒も要らないんです。
でもそのことって頭では分かっていても、ついつい感情が動かされたり口をはさんだりしますよね。
それで、これを無くす方法は一つしかないのです。
必要のない情報を発信している出元を潰すことです。
もうこれしかないですよ。
だって、情報が回ってしまったらあなたは感情や時間をそこに使ってしまうので。ならば、もう出元を塞ぐしかないですよ。
じゃあ、そこであなたが週刊誌を買わないとかワイドショー観ないようにすれば、あなたの元に必要ではない情報が回ってこないかというと、そうではないんです。
回ってくるんですよ。あなたがフォローしている人が情報をシェア、リツイートするからです。
ちなみに、あらゆる情報の中で最もバズるジャンルって何か知っていますか?
答えは、人を怒らせる情報です。怒りが一番バズるんですよ。
なので、今、あなたのツイッターのタイムラインを見ていただきたいのですが、ほぼ怒りで埋まっていますよね。
その怒りのうち、情報元からダイレクトにあなたのもとに届いている、情報元が奪っているあなたの時間はどれぐらいありますか?
ほとんどないんですよ。
ほぼすべてが、リツイートで回ってきた人を怒らせる情報です。ほぼリツイートで回っているんですよ。
もともと「シェア」とか「リツイート」は違う価値観に触れられるという点で、実にインターネットっぽいメリットがあったんです。
けれども今は、そのメリットよりも「必要ではない情報が回ってきてしまう」というデメリットのほうが勝ってしまっている。
つまり、シェアやリツイートがあなたを不幸にしてしまっています。
あなたが怒ったところで何の意味もないもので、あなたは怒ったり、怒らされたりしているんですよ。
リツイートによって、あなたは全く無駄な怒りを生んでしまっているということですね。
これは前々から思っていたのですが、今回改めて強く感じることとなったのが、僕のオンラインサロン内で実験的にやっている「サロン限定ツイッター」です。
これを「サロンアカ」と呼んでいますが、このサロンアカは全員実名登録で鍵アカなんですよ。
これの何がいいかというと、実名登録なのでまず荒らす人がいないんですね。荒らせば荒らした人が一番損するので。ムダに噛み付いて暴れる奴がいない。
あと、全員鍵アカなのでリツイートできないんです。
リツイート機能のないツイッターです。
ツイッターなのにリツイート機能がないんですよ。
SNSなのにシェアができないんですよ。
このリツイート機能がないツイッターの居心地の良さ、もう半端ないです。
マイナスの感情を生むようなニュースが回ってこないので。必要じゃない情報が回ってこないので。
あと、僕も読めていなかった発見なのですが、サロンアカってフォロワーが増えやすいです。
すごくないですか?自分が誰かをフォローしたときに、その人が自分に必要のない情報リツイートして、自分のタイムラインを埋めるようなことをしないことが分かっているので、フォローのハードルが低いんですよ。
これによって面白いことが起きていて、本アカではフォロワーが100人なのに、サロンアカではフォロワーが1000人という逆転現象が色んなところで起きています。
「私、サロンアカの方がフォロワー数多い」っていう。
サロンアカというものを始めて1週間くらいで、僕を含むサロンアカを利用している2万人ほどのメンバーの総意だと思うのですが、リツイートのない世界ってすっごくいい。
これ意外ですよ。
シェアした方がいいこととシェアしない方がいいことってやっぱりあって、リツイートのない世界ってやってみるとすっごくいいんです。
リツイートが出回っている喧嘩裏の状況を知りたければ、本アカに飛べばいいのでね。
先日も「サロンアカは僕の2020年上半期の最大のヒットだ」というお話をさせていただきましたが、そこから輪を掛けて、今、どんどんメリットが見えてきています。
結論、絶対にやったほうがいい。
僕、自分の取り分のことだけ考えて嘘をつくとかしないので。
最悪、僕のサロンの記事なんて読まなくていいので、一度「サロンアカ」というリツイートのないツイッター村とはどういったものなのかを、ちょっと体験してみてください。
かなり面白い方向に人生が動き始めると思います。
というわけで今日は、
「『幸せにするシェア』と『不幸にするシェア』」
というテーマでお話させていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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