見出し画像

『クラウドファンディング』のことをキチンと知ろう byキンコン西野

このnoteは2019年10月6日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:「クソ動物画家こだいらちかこ」さん

おはようございます。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をやったり、絵本作家をやったり、
国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営を
したりしています。

今朝はですね、
『「クラウドファンディング」のことをキチンと知ろう』というテーマで
お話したいと思います。

「自分のお金」とは何か?

さて今朝は、クラウドファンディングのことについて
お話したいんですけど。

もう結構、僕はブログでも、講演会とかでも
方々でこのことを言っているんですけど、

まだ日本人の多くはクラウドファンディングの実態を把握できていなくてですね。

よく色んな方のクラウドファンディングの挑戦を見ていると、
本当によく見る批判で、
「自分の金でやれ」っていう批判が本当にあるんです ね。

例えば、有名なところでいうと、
去年だったか、一昨年だったか、
近畿大学の学生が
「スラム街に行って、スラム街の実態を知りたい」みたいな、
「そのお金を集めたい」みたいなクラウドファンディングを立ち上げていて。

それに対して、
「自分の金でやれ」っていう声が日本中から上がってですね。

結局その企画っていうのは、
あまりにも批判が集中したもんですから、
途中でなくなってしまったんですね。

ページを閉じちゃったんですよ。

で、この「自分の金でやれ」っていう批判に対してですね、
もし今このVoicyをお聞きの方の中で、

例えばそうだな・・
「ハワイに行きたい」とか「海外旅行したい」とか、
「留学したい、そのためにお金を集めたいです」っていう
クラウドファンディング に対して、

「自分の金でやれ」と思っている方がいらっしゃったらですね。

まずはここを整理したいんですけど、

「 自分のお金って何なんだ?」

これをまず定義しないと、話がずれてくると思うので。

整理するとですね。

例えばそうだな・・
カラオケでアルバイトをして、そこで得たお金っていうのは
自分のお金ですよね。

メルマガとかnoteとかで文章を売って得たお金。
これも自分のお金ですね。

テレビやライブであれやこれやと喋って、そこで得たお金。
これも自分のお金ですね。

つまり、自分のお金って何かというと、
『働いていただいたお金』と定義して、まず間違いないと思います。

この感じでちょっと話を進めます。

予約販売で得たお金は自分のお金

じゃあですね、事前にお金を集めて、
その集めたお金を使って、商品やサービスを提供することで
在庫ロスを無くす『予約販売』というのがありますよね。

お洋服でも、なんかどこかのカニとかでも、
予約販売というものがありますよね。

あれもやっぱりお金を受け取る、
要はサービス提供してからお金を受け取るから、
先に受け取ってからサービスを提供するっていう順番の前後はあれど、

やっぱりあれもサービスの代わりにお金を貰っているものなので、
自分のお金ですよね、予約販売というのも。

ちなみに、ライブやコンサートというのも予約販売ですね。

あんまりそういう認識がないのかもしれないですけど、
ライブやコンサートっていうのは、
先にチケットを販売して、先にお金を集めて、
その集めたお金でもって、後日パフォーマンスを披露すると。

ライブやコンサートっていうのは予約販売である、ということですね。

クラウドファンディングの多くは「購入型」

整理しますね。

自分のお金というのは、働いて得たお金であると。
で、予約販売というのも、もちろんこれは自分のお金である。

ここまでは異論ないと思うんですけども、
このことを踏まえた上でクラウドファンディングの話をしたいんですけど。

クラウドファンディングの多くはですね、『 購入型』なんですよ。

クラウドファンディングって
『寄付型』と『購入型』というのがあって、
『寄付型』っていうのは本当に寄付ですね。

1000円寄付したらそのまま1000円使ってください
っていうのは『寄付型』のクラウドファンディングで。

『購入型』のクラウドファンディングっていうのは、
1000円支援して下さったら、これをお返しします
という明確なリターン、返礼品があるんですね。

で、ほとんどのクラウドファンディングは『購入型』なんですよ。

つまり、リターンがあるんですね。

例えば、 先ほど申し上げました
近畿大学の「スラム街に行きたい!その生活を肌で 感じたい!」
みたいなクラウドファンディングにも、
もちろんリターンはあってですね。

そのリターン・・色々あったんですけど、
例えば、現地の様子を文章でお届けしますっていうリターンがありました。

そして、帰国してから現地で経験したことをイベントでお話します
みたいなリターンがありましたと。

じゃあこれは、現地の様子を文章でお伝えしますって、
これを売っているんですね、予約販売で。

現地の様子を文章でお伝えしますっていうのは、
やっていることっていうのは、メルマガとかnoteとかと一緒ですよね。

文章を売るっていう。

で、 現地で経験したことをイベントでお話します。
これやっているのは、ライブですよね。

どっちも予約販売であって、
やってることはnoteであったり、メルマガだったり、ライブであったり。

これに対して、「自分の金でやれ」っていうのは、
そうだな・・

チケット代を集めてコンサートを開催している宇多田ヒカルちゃんに、
「自分の金でコンサート開催しろ」って言ってるようなもので、

もうむちゃくちゃ外れまくってるということですね。

まあ言ってしまったら、
『購入型』のクラウドファンディングっていうのは、
予約販売なんですよ。

明確なリターンが返ってくるんです。
で、それを 売っているんですね。

もうちょっと踏み込んだことを言うと、
「働いて得たお金」っていうのを自分のお金っていうことで定義しましたよね。

自分で仕事をして働いて得たお金は、自分のお金であると。

クラウドファンディングで集まったお金あるじゃないですか?
100万円でも、1000万円でも、1億円でも。

あの集まったお金にはですね、税金が発生するんですよ。

つまり、収入扱いになっているということですね。

国はクラウドファンディングを仕事として捉えているということです。
あのリターンは全部仕事なんですね。

で、当然集まったお金からサイトの手数料が引かれ、
そこから収入で得た分の税金をやっぱり払わなきゃいけないんですね、お国に。

仕事として捉えているっていうことです。

クラウドファンディングっていうのは予約販売。
『購入型』のクラウドファンディングですよ、あくまで。

『購入型』のクラウドファンディングは予約販売であって、
自分で働いて稼いだお金であると。

それに対して、「自分の金でやれ」っていう批判をしてしまっている
日本人がほとんどであるということですね。

ここは本当に、むちゃくちゃ間違っているので、
このことは、もしかしたら自分のこのVoicyみたいなものを
好んで聴いて下さっている方は、
理解ができているとは思うんですけど。

多分、このラジオをお聴きのあなた以外の人、
周りの人っていうのは、ここを把握できていないので、

そういうことを教えてあげると、すごく優しい世界になると思います。

今朝はですね、
『「クラウドファンディング 」のことをきちんと把握しよう」というテーマで、お話させていただきました。

それでは、素敵な一日をお過ごしください。
西野亮廣でした。

※キングコング西野亮廣が毎朝、最新エンタメビジネスに関するコラムを配信しています↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?