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ビジネスを加速させるオンラインサロンの凄さ byキンコン西野

このnoteは2010年10月13日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:石母田 睦さん

おはようございますキングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をやったり、絵本作家をやったり、
国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしています。

今朝はですね、
「ビジネスを加速させるオンラインサロンの凄さ」というテーマで
お話ししたいと思います。

オンラインサロンっていうものが
世間にパッとでてから・・4年、5年くらい経つのかな。

今一つですね、
オンラインサロンの実態がわかってない方、結構いらっしゃると思うんですよ。

しかもですね、
サロンごとに役割が違ったりするので。

で、普段僕がオンラインサロンっていうものを
どう活用しているかっていう話を
させていただきたいんですけど。

自分はですね、
株式会社NISHINOっていう会社でですね、
エンターテイメントに関係するようなことを
色々やってるんですね。

美術館をつくったり、
街を作ったり、
今月末はエッフェル塔で個展をしたりとか、
絵本作ったりだとか映画作ったりとか、
エンタメに関係するようなことを
あれやこれやとやっているんですけれども。

まあ会社組織で動いているんですけど、
会社のですね、
デメリットというか大変なところとして、
社員を抱えてしてしまうとまぁコストがかかっちゃうっていうことですね。

例えばですね、
自社で「イベントの撮影をしたい」と。
で撮影チームを自社で抱えるとするじゃないですか。

そうするとですね、
ドキュメント映像の撮影チームを抱えるとするとですね、

株式会社NISHINOが撮影しない時もあるじゃないですか。
例えば・・絵本制作している時は、撮影チームはお休みになっちゃいますよね。

そんときにですね、
稼働はしてないんだけれども、
社員として抱えている以上は
お給料みたいなのもお支払いしなきゃいけないと。

本来ですね、
そういったお金っていうのはコンテンツ制作に使われるべきだと思っていてですね。

社員を抱えるっていうのは、結構リスキーなんですね。
リスキーというか、稼働率が常に100%ではないっていうことですね。

全社員が稼働率100%ではなくて、
会社の都合で今は動けないっていう方も
結構いらっしゃるので
じゃこれどうしたもんかなあっていう問題は常にあってですね。

僕らみたいな、明日何をするかよくわかんないようなチームは特にですね。

でそのときに、じゃあ
「撮影チームを外注しよう」
「外の撮影できる会社に発注しよう」
っていう話になってくるんですけど、
外注は外注でデメリットがあるんですよ。

それは何かって言うとですね、

外注するとですね、
意見や世界観のすり合わせからやらなくちゃいけない。
ここに結構コストがかかるんですよ。

要は、
僕が何が好きで何が嫌いかっていうのを、
その輪郭を把握してもらうまでに
結構なコミュニケーションを取らなきゃいけないっていうことです。

ここをサボってしまうと、
例えば、
「映像が上がってきました」
「ではチェックして下さい」
ってときにも、
「ここ違うじゃん」「ここ違うじゃん」「ここ違うじゃん」
が100個200個と出てきてしまうので。

西野がどういうものが好きで
どういうものが嫌いかっていうのを、
意見・世界観のすり合わせからやらなくちゃいけないと。

ここがですね、
外注というのはコストを下げられるようで、
実は実は
意見・世界観のすり合わせからやらなくちゃいけないから
実はコストがまたかかってしまうっていうことですね。

さあどうしたもんだっていうところです。

整理しますね。

社員として撮影チームを抱えてしまうと、
稼働しない時がどうしても発生してしまうと。
その時どうする問題ですね。

一方で外注をするとですね、
これは
意見世界観のすり合わせからやはなくちゃいけないと。
さぁどっちに転んでもですね何かしらのデメリットあると。

まぁそこで僕は
オンラインサロンをつかっているんですけど、
今『西野亮廣エンタメ研究所』っていうオンラインサロンはですね、
3万1000人(注:当時。2020年3月現在、4万人)ぐらいのチームなんですね。

でサロンメンバーにはですね、毎朝僕が考えを伝えているんですよ。

数千文字の文章を
毎朝、もう必ず毎朝、
投稿するようにしているんですね。

「今僕はこんなほどを考えています」だとか、
「広告はたぶんこうなっていくと思うのでこういうふうに舵を取ろうと思います」とか。

まあそういう

次こんなプロジェクトをやろうと思いますとか、
そのためにはこういう準備をしています

えーと今世の中に発信しているアレっていうのは
実は実は裏でこういう狙いがありますとか

そういうようなことをですね
毎朝ですね
考えを3万1000人のサロンメンバーに伝えているんですね

そうするとここでですね、
もう意見・世界観のすり合わせはできているって言うことですね

できているんですよ、
ここで。

なので自分が個展をする時とかはですね

サロンメンバーに外注するようにしてるんですよ
サロンメンバーに

あの、一般に外注するんじゃなくて
この3万1000人に外注するようにしている

例えばそうだな、
今度の個展をやるんだけれど
誰かドキュメント映像を撮ってもらえませんかみたいな

撮りたいという方がいらっしゃったらですね
ご自身のこれまでの過去作のYouTubeリンクを貼ってですね
コメント欄までお願いしますので
サロンメンバーに投げてですね

でその中から素敵な作品を作られてる方がいらっしゃったら
もうその「あっこの人だ」と思ってその人に声をかけて
じゃあ今度、個展のドキュメントを一つよろしくお願いします、みたいな。

当然、撮影してもらう時にはギャランティを支払って

じゃあサロメンバーに音楽を作ってもらったりだとか、
サロンメンバーに美術を設計してもらったりだとか、
そこはギャランティを支払って、

当然その運営スタッフはボランティアな方もいらっしゃいます。

だから結構そこも複雑でですね、
有料のスタッフさんとボランティアのスタッフさんはあるんですけれども。

サロンの売り上げで、
サロンメンバーにギャランティを支払って、
イベントとかエンターテイメントを作っていると。
プロジェクトごとにですね。

こうやって集合と解散を繰り返すチームである
っていうことですね。

そうすると無駄がないですね。
稼働してない時間がないっていうことです。

要は「撮影スタッフを抱えたものの、撮影もこの半年ぐらい行ってないよね」ってことはないと

撮影が必要な時に、サロンメンバーの撮影できる人に話を振ってるって言うことですね

じゃあ問題はですね、
クオリティはどうなのって話ですよ。
こうなってくると。

プロの人に発注すると、
なんかクオリティが担保されてるイメージあるじゃないですか。

サロンメンバーに仕事を振って、
サロンメンバーに撮影してもらって、
サロンメンバーに美術作ってもらって、
クオリティはどうなのっていうところなんですけど。

もちろんですね、
まず大前提として、
サロンメンバーには、
本当に国内トップのクリエイターもたくさん在籍していると。

それだけではなくてですね、
エンタメってもう、よく言うんですけど、
レストラン型からバーベキュー型へ変わってきていると。

つまり「作ったものを召し上がれ」っていうエンタメからですね
「お客さんが自分が食べたいものを自分で作る」っていう
バーベキュー型の方に

エンタメの需要っていうのが、動いてきている。

もうみんな自分が主役になりたいんですよね。

そうすると皆作り手側にまわりたいと。

っていうのでまあ個展をするんだったら、
お客さんに作ってもらった方がいいじゃんっていう。

でもその一方でお客さんに作ってもらったら
クオリティどうなのって話なんですけれども、

これがやっぱ面白いところですね、
もう今プロとアマの実力の差が極めてどんどんなくなってきていてですね。

実は、今年の5月にやりました
『チックタック光る絵本と光る満願寺展』、

この『チックタック光る絵本と光る満願寺展』、
全スタッフ、全員サロンメンバーなんですけど
これメンバーのみんなと作ったんですけど、
実はこれがですね、
『日本空間デザイン賞』を受賞したと。

あの資生堂さんとかが取るような、
空間デザインの日本のすごい有名な賞ですね。

サロンメンバーだけで作った空間が、
そういった賞を受賞したんですね。

すごくないですか?

レストラン型からバーベキュー型に変わってきていて、
で、
レストランの強みって何かっていうと
美味しいだったんですよ。
「質が良い」、「クオリティが高い」だったんですけど、
バーベキュー型のクオリティがもう、
レストラン型のクオリティを上回ってきていると。

だってプロがデザインする空間に、
サロンメンバーが作った空間が勝っちゃったんですよ。

結構面白い流れだなぁと思ってます。

今後も、
エッフェル塔やったりだとか
その先々もまたいろんなところで
空間作っていったりとかするんですけれども、
当然仕事はサロンメンバーに外注するんですけど、

もうそれが、プロが作るものを超えてきはじめているっていうのが、非常に面白いなあと思っています。

(注:このvoicy収録後、2019年10月に光る絵本展inエッフェル塔を実施)

でね、

サロンっていうのはそういうふうに僕は使っています。

会社組織っていうよりか、やっぱコミュニティですね。

今なんか会社組織にしてしまうと結構身動きが取りにくいな
要はちょっと会社って、太ってしまったら
だいぶ動きづらくなってしまうので、
無駄なコストもすごくかかってしまうので。

サロンって結構コストの無駄がなくて
必要な時に必要なところにお金が行くように
なんかなってるなーっていうのが現状ですね。

面白いですね。
まぁこっからオンラインサロンっていうものがどうなるのか
ちょっとよくはまだ見えないですけれども、

結構可能性がある文化だなぁと思っております。

というわけで今朝はですね、
「ビジネスを加速させるオンラインサロンの凄さ」というテーマでお話しさせていただきました。

それでは素敵な一日をお過ごし下さい。
西野亮廣でした。

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