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進まないプロジェクトの進め方 by キンコン西野

このnoteは2020年7月27日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:世界を笑顔で包みたい かんさくらじゅんさん


どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「進まないプロジェクトの進め方」
というテーマでお話しします。

今日はVoicyのコメント欄に届いたお悩みに答えてみたいと思います。

「障害者グループを開設中ですが、反対の住人さん達に説明会を開いても全然話を聞いてもらえません。社会的弱者が暮らすホームを受け入れてもらえるには……全然想像力の足りない自分が嫌になります」(こたママ)


素敵なお悩みですね。

僕も、地元に美術館を作ろうとしている人間なので、お気持ちは分かります。

もしかしたら間違っているのかもしれませんが、こういう繊細な問題は、僕自身の経験から出た言葉をお渡しするべきだと思うので、話半分で聞いてください。

まず、こたママさんが方々に頭を下げて作られようとしている世界は、とても優しくて、とても素晴らしいものだと思います。

僕は今、たくさんの方に応援されて、たくさんのスタッフに神輿を担がれて、おそらく決して小さくはない力を手にしています。

嘘はつきたくないので、正直に言います。

僕は、この力を、自分が子供の頃から叶えたかった夢の為にも使っています。

ただ、もともとはたくさんの方から背中を押してもらうことで手に入れた力です。

そんなものを自分の為だけに使って許されるハズがなく、僕は、「社会的弱者」と呼ばれる人の為にも使うべきだと考えています。

被災地や、スタム街の子供達、教育環境がままならない国の子供達、コロナの被害にあった方々……弱い立場に立たされている人は国内外にたくさんいて、自分ができる範囲で支援させていただいているのですが、「正直、手が回っていない」というのが現状です。

SOSの声を聞く度、いつも胸が痛いです。

実は今、サロンメンバーさんから相談を受けて「障害者支援」も進めさせていただいているのですが、明らかに手が回っていません。
だからこそ、こうして、こたママさんのような活動をされている方に僕は救われています。

まずは、「一人の中年ニートを救っている」ということを、感謝の気持ちを込めてお伝えしておきたいです。

本当に、ありがとうございます。

ちなみに個人的に進めている「障害者支援」の方は今年の12月までに必ず結果を出します。

僕は結果を出すのがそこそこ得意なので、やります。

そんなこんなで、お悩みにお応えします。

こたママさんの活動が前に進めばいいと本気で思っているので、自分の経験と、そして、思ったことを率直にお伝えしたいと思います。

まず、ご相談の文章に「反対の住人さん」という言葉が出てきましたが、くれぐれも御自身の中で「対立構造にしない」ということが重要だと思います。

地元の住民さんは「反対」しているわけではなくて、「恐れている」のだと思います。

今現在、こたママさんの活動内容の全てを知っているのは、こたママさんだけで、地元の住民の皆様は、内容は勿論のこと、その活動に付随するリスクまで想像できていません。

きっと、地元住民の皆様は「何か些細な出来事をキッカケに、今の静かな暮らしが壊れてしまわないか?」と思われていると思います。「絶対に大丈夫」と言い切れるだけのカードが無い状態です。

怖いですよ、そりゃ(笑)

この状態で、どれだけ正しいことを言っても無駄だと思います。

住民の皆様は「間違っている」と言っているわけではなくて、「怖い」という悲鳴をあげているので。

その気持ちを表現する時に「反対」という言葉が出ることもあるとは思いますが、その正体は「恐れ」です。


この先、どれだけ正論を説いたところで、話は平行線だと思います。

こたママさんが、やらなきゃいけないのは、正義を貫くことではなくて、信頼してもらうことだと思います。

地元住民の皆様に「お前なら大丈夫」と信頼してもらうことが大事です。


僕、今も、兵庫県川西市に頻繁に帰っているんです。

昨日も、川西にいました。

やっていることは、地元で開催されているイベントのお手伝いをしたり、夜は地元のお店で飲んだり。

まさか、美術館建設の話なんて、まだまだしません。

「西野君なら、ヘタなことはしないよね」と信頼してもらうことが大事なので。

それでも、まだまだ穿った見方をされます。

仕方ない。

悪いのは、怯えさせている自分です。

なので、何度睨まれようが、めげずに歩み寄って、まずは自分が何者であるかを知ってもらう。

自分が作りたい世界の話をするのは、そのずっとずっと後です。


そこに至るまでには、目眩がするほどの時間がかかりますが、でも、たったそれをするだけで、弱い人が救えるのであれば、安いと思いません?


話を、まとめると、「本題に入るのが、まだまだ早いのかも」というのが僕の答えです。


まずは信頼を勝ち取る。話はそれからです。

これは何事においても。大きなプロジェクトを進める時は特に。


応援しています。頑張ってください。


というわけで、
「進まないプロジェクトの進め方」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
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