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瞋恚に花を捧げられたら、この世は平和かもしれません。

香りのある花を楽しもうと思ったら、

そろそろ花粉症の時期も終わりかな。

鼻づまりというのは、何かに対する怒りを抱えてる時に

なりやすいそうです。

怒りが出せないので、代わりに鼻水を出しているとか。

日本人に花粉症が多いというのは、ここに関係あるかもしれませんね。


マインドフルネスについて学んでいた時に教わったのは、

怒りには赤い怒りと青い怒りがあるということ。

赤い怒りは感情的に燃え上がるような怒り。

これは他人や外部のことに対する怒りであることが多いでしょう。

青い怒りは冷静で静かな怒り。

こちらは自分に対する怒りであることが多いかもしれません。

義憤のようなものも、こちらに近いですね。


嫌なものを憎んだり排除したりする心が瞋恚ということを

前回書きましたが、

瞋恚がなぜ悪いかというと、それは慈悲の気持ちをくらまし、

他のものを傷つけることが多いからだと思います。

怒りに任せて暴力を振るってしまったり、きつい物言いをしてしまうことが

ありますが、これは相手も自分も傷つけると思うと分かりやすいでしょう。


ですが、喜怒哀楽という言葉があるように、怒りはその中にもある

基本的な感情の一つです。

ですので、これを無くそうというのはかなり難しい。

感情の「怒り」というものは、自尊心や自己保存の欲求とも

結びついているので、なくすよりも適切に表現することの方を

重視した方がいいものでもあります。


仏教でいうところの瞋恚は、感情を表す「怒り」とは少し内容が違い

これが起こってくる原因はやはりいろんな因果を理解しないことからきています。

自分が嫌だ、憎い、排除したい、攻撃したいと思うものは

そういう縁があるのでそういう気持ちを持ってしまっている。

どこかで作ってしまった因の結果として起こっているのです。

そのために慈悲を起こしにくく、他を傷つける結果になる。


他の衆生を傷つけることは、仏道修行をする人にとって

避けなければならないもののうちの一つです。


これをしなくなるために必要なのは、忍辱。

大乗仏教に於いて仏さまの境涯に至るための

六つの修行項目を示す六波羅蜜の中に

「忍辱波羅蜜」というものがあり、その重要さを示しています。


忍辱は「耐え忍ぶこと」ですが、これは何も辛いこと苦しいこと

理不尽なことなどをただ我慢する訳ではありません。


六波羅蜜に対して、仏さまを供養するために使われる

お水やお香、塗香や灯明などがそれぞれ対応しているのですが、

忍辱波羅蜜に対応するのは「お花」。


花びらは柔らかく、繊細な心遣いで優しく取り扱わなくては傷つきます。

最も美しい満開の花をお供えするには、その花が十分に花ひらく時を

待たねばならず、無理やり開かせようとしても花を損なうだけ。


サン・テグジュペリの「星の王子さま」という美しい小説の中に、

王子さまが愛する薔薇の花の話が出て来ます。

その薔薇に対するような心遣いが、忍辱に近いかもしれません。

愛や慈悲とともに、相手と自分が最もよくなる方向を信じて

感情に乱されず対応する。

そういう態度が必要なのでしょう。


瞋恚の対応している修羅道の世界というのは、

競争や他人との比較から、互いに闘争ばかりを繰り返し

怒りに満ちあふれて心の安らぎが得られない世界です。


完全な安らかさを求めるなら、輪廻を抜けさとりの境地に達するのが

早道です。


そして、憎しみや怒りには同じもので返すのではなく

花をもって返せるとしたら、それが最もエレガントなやり方なのでしょう。


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毎月24日はお地蔵さまのご縁日。

この日に小さな法要を営み、

生きとし生けるあらゆるものへの祝福

この世界にあるあらゆる諸霊へのご供養

全ての大地から生まれるあらゆるものへの感謝

をお祈りいたします。

お地蔵さまへのお願い受け付けてます。

締め切りは4月20日です。

宗派宗教にかかわらずお申し込みいただけます。


お問い合わせ、お申し込みは下記アドレスまで。

enshu0615*gmail.com (*を@に置き換えてください)

折り返し申し込み要項をお送りします。

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