アニメ映画「バブル」が解せぬからしつこく食いついた


映画「バブル」を見て、あまりに解せぬ??とTwitterで執拗に感想や考察を読み漁った上でNetflixで2回目を見て。
唐突に理解した。

あぁ、ウタの歌は「未知との遭遇」の交信音からかー!

初見で青春ストーリーとして楽しめなかった人へのハードルがたっけぇなあヲイ。
楽しみ方が人によって違う作品です。


初見では人間ドラマが食い足りない、何が言いたいか分からんと思った。
でもあんな美味しそうな映画なのに解せぬのだが? 何かおいしいものが隠れているのでは? と、調べ出しました。我ながらしつこいです。

だってさあ、前情報ほぼ仕入れず、虚淵脚本でSFっぽい作品だな。「楽園追放」があるので侮れないぜ、と見に行ったんだもん。若人向けになんか古典SFテーマをアレンジして見せる映画では? ならば古参も行かねばと思ったんだもん。

(ここからネタバレです。作品を見た人だけどうぞ)
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気になったとこだけ書くと、

人魚姫の物語


これはツール。翻訳のデータベース。
後半、ヒロインが物語を語るのは、知性はあるが全く異なる生命体が、人間の言葉に翻訳してるってことだと思う。
今の自分の状況を、近い例えを探して、言葉として出力している。人に分かりやすいように言っている(分からんわー!)。

姉様は自分の属する集団。ヒロインが学んだ人間文化になぞらえてるだけで、姉さんではないのよね。
うっは。初見でそこまで理解の行った人たち、スゲェですわ。ずっと頭にハテナマーク浮かべてた。

ヒロインに知性があるのは、モノマネをしてみたり、名告げられたときにそのやりとりを、個体識別音声(名前)だと理解したところから。

息吹


息は、「神は人間作る時に最後の仕上げに息を吹き込んだ」
これだと思った。
作品内で都合3回息を吹き込むやり取りがあるのだけど、3回めでやっと情愛のキスの意味があるかなーと思いました。

異星生命体が。
最後にやっと、人と同じような意識と感情を持ち、「好き」のキスをする。

あれ?
萌えてきた!!

口と口をつけるだけの現象から、キスになった! 
異星の物体が人間の文化に寄せてくれた! 
申し訳ないやら、ありがたいやら。人外大好き。

ウタと他の泡さんの相違や、他のたくさんの泡か結局どんな意図を持っていたのか、まだ分かんないんだけど、誰かがきっと考察してくれるでしょう。

ヒビキと触れ合って二倍体細胞(受精卵)を経験したのはウタだけだとしたら、他の泡はその情報が欲しいから帰ってこいと言ったのかなー? 
他に本も読んでいて文明と文化もウタは理解していってた。それも価値あるもんね。
までは考えてみた。
そう言えば「卵」出てきましたね。黄味をやぶって円を描いてた。渦巻きかな。グチャグチャにするんじゃなく図を描いていたわ(知性)。

人間側の状況やドラマ

初見で浅いと思ったけど、違った。SF的な楽しみ方をする者には、いらないんだった。だってただの「たまたまその時に存在した状況」なだけだもん。
映画はウタの視点から見たもの。そう考えたら私には合点がいった。
ウタに人のことは分からないよねー。
表面に出てきたモノを鵜呑みにするよって。

人間に寄せるために人魚姫の物語を持ちだしたって上で書いたけど、ヒビキへ「王子さま」と告げるのも、「私あなたにすっごく興味があります!」だけかもしれない。
まだ完全には人の心を持ってないので、近い言葉で「言ってみた!」感じ。
ヒビキはあれでウタちゃんを意識して赤面したので、すこし可哀想です。

何度も言うけど最初はどんな楽しみ方をするのか分からなくて、本当に「何なのこれ!」って怒りましたが、これは人間のお話じゃなかった。
人類と異星生命体の遭遇話でした。




バブルが解せぬと思った人にこんな楽しみ方もあるよと紹介しました。

私もウタの歌が「未知との遭遇」の交信音と同意と気付いたら、映画の見え方ががらっと変わった。
裏返っていたカードが全部めくれるようだった。この爽快感を味わってくれたらいいなと思います。

ところで

その一
ヒビキはウタから息吹をもらってますが、待って待って、何を体内に取りこまされた? ヒビキ、ちゃんと人間のままなの? 多少バブル成分まざってないですか。だいじょうぶですか。おばちゃん心配。

その二
二度目のふれあいでは溶解するのなんでだろう。人魚姫モチーフだから「泡になる」がありきとしても何か理屈がありそう。これもきっと誰かが考察(略)


この映画って何なの? の私なりの答え


たとえば「楽園追放」はドアを開けて家から外へ出ていく話じゃん?
「バブル」は、ドアがあれば外から家へもやってくるよね。ドアは外と繋がってるからね。訪問を楽しみにしとけよ(覚悟しとけよ)。
だと思いました。
怖いですねえ。


おしまい


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