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メキシコ生活で感じていたメキシコの闇

昨日、少し驚きのニュースを目にしました。メキシコ麻薬組織の首領「エル・パドリーノ」の正体が、実はメキシコの前大臣だったんだそうです。表向きに組織の取締りを指揮しておきながら、裏ではカルテルのトップに君臨し、組織の活動を妨げないように調整したりしてたのだとか。

こんなことまだやってたのメキシコ・・・?

というのが正直な感想。

ジェニファーロペスとアントニオバンデラスが共演した「ボーダータウン・報道されない殺人者(2006年)」という映画のあたりから、メキシコの麻薬戦争がテーマになったテレビやドラマが増えてったような気がします。

見せしめで、本人ではなくその家族や愛する無実の人たち(犯罪者をかくまってる時点で無実ではないのかもしれないけど)を簡単に殺してしまうようなシーンが多くて、怖いからあまり見るのは好きじゃないんですが、気になる作品はやっぱり見ています。

そんな酷いことをこのエルパドリーノこと前大臣がリアルの世界で黙認していたのかと思うと、もし自分がメキシコ国民だったら失望どころか、国の何を信じればいいのかわからなくなります。逃亡すらしたくなるかもしれません。

私がメキシコで生活してみて気づいたことの一つに、メキシコ人は意外と心を閉ざした人が多いなというのがありました。表向きはアミーゴでいてくれるし、色々と親切にしてくれるけど、心のどこかでいつも距離を感じていました。友達と出かける約束をしても、兄弟や親戚を一緒に連れてくるといったことも何度かありました。

家族や親戚を紹介してもらえるのって、日本人からするとなんか一見、近づいてくれてるような感じもしますが、メキシコでは特別なことでもなんでもありません。むしろメキシコの闇を感じていた私にはそれが警戒の表れで、一線置かれている感じがしていました。そういうのを経験してみて「あ、彼らは他人を家族以上に信用することはないんだな。だから家族の絆がこんなにも深く見えるんだな」って。

エルパドリーノのような政治家たちがいれば、国民たちは自然とこうなってしまうのは当然だと思います。他人を信用できない。そういったところに私はメキシコの闇みたいのを少し感じていました。

おそらく旅行でメキシコを訪れただけでは気付かないようなことでしょう。

こんな話もあります。

2010年にメキシコは独立200年を迎えました。その時私はメキシコにいたのですが、メキシコシティのソカロでは盛大に200周年を祝うセレモニーと、毎年恒例の「グリート(Viva Mexico!って叫ぶやつです)」が行われて、私もその場に参加していました。

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写真:独立200周年を迎え、トリコロールで溢れるメキシコシティのセントロ地区

セレモニーではシルクドソレイユのような演目があったり、花火が上がったりしてそれはもうすごく感動的だったし私も大興奮だったのですが、ソカロの中心にメキシコ独立に関わった人物(誰かわからない・・・)の超巨大な人形のようなものが横たわってたんです。それが突然ムックリと立ち上がるという謎パフォーマンスがあったんですが、その後特に何かが起こるわけでもなく、ただ巨大な人形が立ち上がっただけだったというオチだったんです。

ただの1外国人の私でも「あのムダな謎パフォーマンスは何だったんだろう?」と感じたぐらいだったので、それをテレビで見ていたメキシコ国民の怒りは当然、相当なものでした。

200周年?何がそんなにめでたいの?そんなことに税金使うな、もっと使うべきところが山ほどあるだろう。あの人形見たらビジャ(サパタだったかも、どちらもメキシコでは英雄)が泣くよ。

とそれはもうすごい剣幕でした。わざわざ会社の休みをとって、このためにアグアスカリエンテスからDF(Distrito Federal・当時のメキシコシティ)まで行った自分が少し恥ずかしく感じてしまいました。

私はあのセレモニーのイベント、楽しかったし感動的でもありました(人形以外は)。旅行者だったらそれで終わってたんだと思います。でもその後、メキシコ国民の怒りを目の当たりにして、やっぱり闇みたいなものを感じてしまったんですね。後から、プロのカメラマンが撮影したセレモニーの感動的な写真をネットや新聞で見ても、絶望みたいなものしか感じなくなっていました。

メキシコで生活していて「信頼感がない」っていうのはよく感じていたことであり、私が働いていたメキシコの職場でもこれが原因でうまくいっていなかったことが多々ありました。その辺のことをまた別の機会に(書けたら・・・)書いてみたいと思います。

謎の人形パフォーマンスはこちらでお楽しみいただけます↓

見出しの写真:メキシコのシウダードフアレス(チワワ州)から米国エルパソへ向かう車で渋滞する国境ゲート。いつも渋滞してるそうです。

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メキシコ生活経験約5年、スペイン語学習歴およびラテンと関わること20年以上!スペイン語圏の人たちと多く関わり、何かしらの方法で毎日スペイン語に触れるなどのラテン活動を行っています。その中での気づきや思ったこと、ラテンのグルメや音楽、旅行など様々なテーマで書いていきます。
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