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立ち止まって考えて欲しい、その方法を続けていて良い?

「毎日15分聴くだけで英語が聞こえるようになる」といった教材のインターネット広告だったり、「毎日これを見るだけで英語が話せるように」といったYoutubeをために拝見します。

英語に触れることはいいことです。しかし、いまいちど立ち止まって考えてほしいです、その方法でほんとうに英語で会話ができるようになるかどうか。ほかの記事でもお伝えしていますが、冒頭ような「受け身」の姿勢ではどれだけ長い期間やっても効果はほぼ無いと断言できます。(積極的な姿勢で臨んでも間違った方法で続けていては効果は低いです。)国内の語学学習関連の市場規模は非常に大きく、多数の事業会社が参入して様々なモノ・サービスを提供しています。そのため、どれが正しい学習/トレーニングにつながるか見極めことが難しくなっているのが現状だと思います。

概して、日本人は英会話ではなく、「英語」を教えられてきたのも要因のひとつです。日本の学校教育で教えられた英語文法による機械的な学習や「読み」への偏重によって、それに慣れてしまっている多くの日本人がこの方法が正しいと思い込み、その方法で学ぶ教材やサービスを利用しています。英会話に対する理解が乏しいため(外国語を学ぶので、これは当然ではありますが)教育機関、民間の事業会社、はたまた親御さんだったりと、とりあえずネイティブスピーカーと話せば上達するでしょう、TOEICの試験に合わせて学習すればいいと、間違った方法で教えることが多くなってしまっています。

もちろん、ここでお話していることは、「本気で英語でしゃべれるようになりたい」と思っている方についてです。どうしても、なにがなんでも英語で会話できるようになりたいと思っている方です(字幕なしで映画を観たいとか、英語の論文を読みたい、英語で書いて情報発信したい、とかではなく。)英語を学んでいる方全員がこのような動機をもっているわけではありません。英語が難しい大学への入学を目的にしている方もいれば、就職や昇進のためにTOEICのスコアが欲しい方、留学のためにTOEFLやIELTSのスコアが必要な方、など様々だと思います。「英会話力(英語で会話できる力)」が向上すれば、これらの試験対策に幾分かプラスになると思いますが、効率的ではありません。TOEICのスコアを短期間で上げたいなら、TOEICに特化した教材・サービスを受けた方が絶対に近道です。

また、ひとによっては外国人の方と楽しくおしゃべりしたい、といった目的で臨んでいる方もいらっしゃると思います。私自身もそうでしたが、最初は外国人とつたない英語で話すだけでもすごく楽しい経験となります。自分がしゃべった英語が相手に伝わった、相手の英語が少し聞きとれた、そんな小さなことでもすごくワクワクしたものです。英会話スクールでは、1回数千円でネイティブスピーカーである外国人とおしゃべりできるカリキュラムを提供しているところもありますし、オンライン英会話ではもっと安くできたりします。考えてみれば、これだけ安く“ワクワク”する時間を得られるのであれば、かなりお得ではないでしょうか。

ですが、もし皆さんのなかで、「どうしても、なにがなんでも英語でしゃべれるようになりたい」といった英会話に対する強い動機を持つ方がいれば、英語に対する日々の向き合い方(学習・トレーニング方法)を真剣に考える必要があります。どのような学習・トレーニング方法が、会話で実際に使える表現はどんなものか効率的に探すことができるのか、効率的にインプットして記憶できるのか、モチベーションを維持できるのか、を真剣に考えて取り組む必要があります。

考えてみれば、これは「英会話」に限った話ではありません。大学受験の勉強でもプログラミングの学習でも同じです。本気で◯◯の大学に入学したい、本気でプログラミングのスキルを身に付け転職したい、となれば、どうすれば効率的にインプットして、頭に定着させ、柔軟にアウトプットできるようになるか、取り組み方を考えることがほんとに大切です。受験勉強やプログラミング(これらはあくまでも例ですが)と英会話が異なるのは、ひとが相手であり、より柔軟な対応が求められる点です。極論を言えば、受験勉強やプログラミングは、これまで学校教育で学んだ英語と同じように機械的に考えアウトプット(答えを出す)すれば足りますが、相手がいる英会話では、スポーツで身体に動きを覚えさせるように、瞬発力をもって自動的に反応できるようにトレーニングする必要があるため、日々の取り組み方で工夫が必要です。

「英会話」を学習・トレーニングしていくうえで、教材や英会話スクールなどのサービスの利用を検討する方が多いと思います。ここで、教材やサービスを選ぶうえで覚えていてほしいことがあります。それは「金額では選ばない」ということです。これは、高い金額の教材・サービスがより優れていて効率的とは限らない、ということです。高い金額のものは、会社が都内の一等地にオフィスや店舗を構えていたり、ネイティブスピーカーに高い給与を支払っていたり、広告宣伝費に大きな予算を割いていたり、といったことが価格に反映されているケースも多いため、必ずしも高い金額の教材・サービスを利用すれば、すぐに英会話が上達するというものではありません。あくまでも、皆さんが自分自身で「英会話」に真剣に向き合い、その取り組み方を考えて、選ばなければなりません。「英会話(≠英語)」をトレーニングしていくうえでのポイントは、このnoteでも紹介しているので参考にしてみてください。

まとめ

・英語で会話できる力が向上すれば、TOEICなどの試験対策に幾分かプラスになるが、効率的では無いので、試験用の学習をすべき。

・本気で英会話上達を目指すなら、どのような学習・トレーニング方法が、会話で実際に使える表現はどんなものか効率的に探すことができるのか、効率的にインプットして記憶できるのか、モチベーションを維持できるのか、を真剣に考える。

・教材やサービスを金額では選ばない。



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