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ひとりしばいに号泣しPC画面に向かって拍手する夜

こんばんは。せれねと申します。

普段はTwitterにゆるく生息しております。この文章も途中までTwitter画面で書いておりましたが、あまりにもデカすぎる感情を140文字に抑えることができず、このためだけにnote始めました。

ひとりしばい 北村諒 西田大輔 すごい

本日の結論はこれです。これだけでは言い足りないですが、要はすごかった!と熱く語りたいだけです。ネタバレはしません。ご安心ください。劇中で表示されるタイトルさえ言いませんから!

観ましたか?あの舞台。
同志よ!コメントください。語り合いましょう。

観てませんか?あの舞台を!
まだ間に合います。あなたにはアーカイブ配信が残されている。
URL置いておきます。

http://officeendless.com/sp/hitorishibai/

①カメラワークがすごい

個人的に、これまで観た最高の舞台は唐版・風の又三郎大千秋楽です。去年上演された、窪田正孝さんと元タカラジェンヌの柚希礼音さんが主演のあの舞台。車椅子なし版とあり版どちらも観劇することができたからこそ、大千秋楽の美しさが際立つ。あんなに繊細で脆くて愚かで醜悪で美しい舞台に出会えたことは私の人生の宝です。

そして、この「ひとりしばい」こそが、私が観た最高のオンライン舞台として今後君臨し続けるのだろうなと確信しています。なぜなら、そこにはカメラワークという違いがあるから!会場での観劇では成し得ない、演者・情景を際立たせるカメラワーク。観客の視点は自らのコントロールを外れ、小さな友人のものとなり、2番目の友人となり、主人公となり、時代そのものとなる。いやもうすごい。観客のままでいられない。埋没感。オンライン舞台ならではの手法。舞台でありながら、映像作品としては映画のよう。映画のようで、映画よりも近い。なんだこれは。すごいぞ。

中盤の別れのシーンなんて、もはや絵画ですよ。冷たい光に照らされたシルエットから無力に零れるひとしずく。もう、なんだったんだ、あれは。すごいぞ。

この記事を書いている今、まだアーカイブ配信が始まっていません。これは5回は観たい舞台。

②役者がすごい

この話は長くなります。

残念ながら、私は2.5次元と呼ばれる舞台を生で観たことがありません。原作ありという意味であればP・T企画さんの観客参加型ミステリーで有栖川有栖先生の火村シリーズをもとにしたものに観客として参加したことはあるものの、きっと2.5次元ってそういうことではないんだろうな、と思っています。

そんなわけで、2.5次元舞台を中心に活躍され、ご高名な北村諒さんのことも、舞台ではなく映画で知りました。ご存知、映画 刀剣乱舞 ー継承ーです。原作はオンラインゲームのこの映画の中で、個人的に実写化不可能と思っていた薬研藤四郎を演じられていたのが北村諒さんでした。薬研藤四郎。サービス開始当初、ローティーンの線の細い美少年の外見と、凄みのある声での男前な台詞とのギャップに崩れ落ちたユーザーは多いはず。私もそうでした。どんな美少年をもってしても、どれほど演技が上手い人をもってしても、この2次元でしか生息し得ないギャップの塊を矛盾なく演じるのは難しいはず。コスプレは嫌いじゃないけど、お遊戯会は地雷です!某地上波ドラマでどうしても無理なものがあると知った私は、自衛のために映画を避けていました。

結論:私が浅はかでした。

動いている薬研藤四郎を観たんですよ。薬研藤四郎だったんですよ。誰だ、どんなに演技が上手い人でも難しいとか抜かしていたド素人は。私だ。誰だ、こんな無茶を実現させたのは。何者だ。

ちょっともう語りつくせないので、ここで切ります。要するに私は北村諒さんのコアなファンには罵倒されても仕方がない経歴をもつ新米ファンであり、北村諒さんをきっかけにして今回の舞台を観ました。

その上で、北村諒さんはすごい。

ひとりしばいなんです。舞台上にはひとり。舞台袖で着替えることもなく、ずっと舞台に立っている。わずかな小道具のみで、彼は役者からストーリーテラーになり、気弱で幼い少年になり、機知に富んだ成人になり、文系青年になり、少女になり、世界に抗う老獪な権力者となる。嘘でしょ。

パパンが全巻もってるガラスの仮面の北島マヤか。

特に中盤の少年と成人との会話をひとりで演じるシーンの異常さ。いっそ小道具すらそのままに、目と表情と声色と仕草だけで完全に演じ分けている。いや、だってあの時たぶん2人いた。ポンコツな私の脳は、あの時舞台上に2人を映し出していました。なにこのひとこわい。すごい。

登場人物が激昂する場面。彼らの叫びは、怒りとそれ以上の無力感に満ちている。「怒り狂う人間」に対する本能的な怯えよりも、言葉では言い尽くせない悲しみに包まれて、私は泣きました。世界を憎みながら、その世界の一員である自分もまた大嫌いな世界を作り上げてきた一人だと自覚してしまう苦しみ。振り上げた拳の先にあるのは、違和感を笑顔で隠し言葉を尽くそうともせず何も見ようとしていなかった過去の自分自身。脳が理解するよりも先に、強い感情が心に怒涛のダイレクトアタックきめてきて、号泣です

そしてその激情を一切残さずに別人になる北村諒(敬称略)!こっちはまだ大号泣だ!笑うな惚れる!

③脚本・演出がすごい

泣きました。アフタートークとか、もはやデカすぎる感情で頭がパンクしててわからなかったです。画面の向こうには聞こえないってわかっているのに、部屋でひとり拍手をしていました。近所迷惑?大丈夫。この部屋、防音だけはちゃんとしてる。

カメラワークも演出に含まれるという脳内ツッコミは置いておいて。

この日(2020年7月4日)にこの内容をやるのか、と。アングラ演劇をネット配信するのかと。一人の俳優の叫びであり、煽動された幼い少年の叫びであり、奪われた民衆の叫びであり、処世術を学んだ奪う者の叫びであり、決意を。なんて脚本だ。なんてことをしてくれたんだ。力のある脚本を、力のある役者が演じたらどうなるかわかっていますか?

こうなるんですよ!

演者が一人であるがゆえに、実験的な掛け合いやら復唱による強調はなく、難解な言葉で徒に遊ぶこともない。語り部はいっそ演技らしい口調で話しかけてくるけれど、舞台上に生きる面々の言葉は余計な装飾を削ぎ落されて研ぎ澄まされている。

なんということをしてくれたんでしょう。明日仕事なんですよ。顔はれてちゃマズいんですよ。なんでこの画質ポンコツなZOOM画面でここまで泣かせるんですか、西田さん。そりゃ最初から、違和感はありましたよ。でもまあ、「鈴木さん」って呼ばれている猫もいるしそんなもんかなって思ってました。それがまさか、ああああああ。

失礼。取り乱しました。いや、ずっと取り乱してはおりますが。

④まとめ

もうすっかり夜もふけました。

夜中にラブレター書くのはよくないって言いますよね。朝読み返すと悶絶するって聞いたことがあります。経験したことはありませんが。この文章も冷静になってから読み返すと悶絶するんでしょう。きっと。

だってもう、ツイート20回分を超えてますもん。

ひとりしばい 北村諒 西田大輔 すごい

だけの内容で、3000文字ですよ。
まだデカすぎる感情が全て言語化されたわけではありませんが、明日は早起きして腫れあがると推測される顔面と闘わなければならないので、もう寝ます。

西田大輔さん 北村諒さん そしてスタッフの皆様
すごい舞台を魅せてくださってありがとうございます。
おやすみなさい。良い夜を。

そして、未来が希望に満ちていますように。

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