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(136) おたふくかぜ

「のどが いたいよ」
ランドセルを おろすと、信くんは なみだごえで すわりこみました。 ママは 信くんの みみのしたに 手をふれて いいました。

「とうとう もらって きたのね。パジャマに きかえて ねてようね。 これから どんどん はれてくるから」

ママが てばやく ふとんをしくと、こどもべやは びょうしつに なりました。

信くんの クラスでは、いま おたふくかぜが はやって いるのです。

ひとねむりすると、信くんは すっかり びょうにんに なっていました。

「どう? なにか のみたい?」

ママの こえが やさしく ひびきます。信くんが うなずくと、ママは まくらもとに、信くんの こうぶつを ならべてくれました。

「どれにしようね?」
「アイス・・」

びょうきに なるのって いいな。ママが うんとやさしく なるもの。 むねのなかが くすぐったく なります。

そとあそびから かえった かっちゃんが さけびました。
「ぼくも アイス!」
「おにいちゃんは びょうきなのよ」                 そういいながら、かっちゃんにも アイスを わたして・・・

おたふくかぜ

ママは うつらせまいと おとうとを ちゃのまに やりました。

でも、かっちゃんは ママのめを ぬすんでは、のぞきにきます。

「おっきな かおに なってる!」

びょうきに なった おにいちゃんを そんけいしてる めです。
「ぼくも おたふくに なりたい!」

よくあさ、ひとりで ようちえんゆき とわかって、かっちゃんは あばれました。信くんは わらおうとして いたくって わらえません。

いっしゅうかんご、かっちゃんは ねがいどおりに ねどこのなかで ないていました。
「いたいよう!」                          アイスどころではないようです。


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