『知識』は『経験』を超える

日常的に耳にする言葉として

「あなたは、●●をしたことがないから、わかるはずがない」

というのがあります。例えば、

・あなたは、『子どもを持ったことがない』から、わかるはずがない
・あなたは、『転職をしたことがない』から、わかるはずがない

などですね。

これは結構、力のある断定的な言葉です。

なぜなら、言われた側は実際に知らないわけで、それを言われたら、言い返すことができないからです。

なんですが、これを覆す、面白い文章を見つけました。

内診台から覗いた - 高齢出産の真実』の中の、次の一節です。

P27.「今までの私は妊娠についての理解が不足していた」と思うほど目から鱗が落ちる出来事や、「自分で妊娠してみてこんなに考え方が変わった」と思うほど意外なことはありません。あまりに多種多様な妊娠経過を見てきたため、想定の範囲が広すぎて、自分の妊娠でそこから外れたエピソードというのがないのです。

著者は『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』で有名な、産婦人科医の宋 美玄さん。

引用の通り、数々の臨床現場を経験してきたことによる自分の『知識』が、実際の出産という『経験』を上回ることがなかったとのこと。

これは明確に「あなたは、●●をしたことがないから、わかるはずがない」ということが、正しくないといえる一例だと思います。

この著者の場合は産婦人科医という専門家ではありますが、経験をしたことがなくても、それを上回る見識なりを身につけることができるということです。逆に言えば、経験はある一定の範囲ないのことでしかない、ということも言えるはずです。要は、

・自分は子どもがいるから、子持ちの気持ちがわかる
・自分は転職したことがあるから、気持ちがわかる

というのは、傲慢な意見だということ。

あなたの経験は大切なものですが、それはあくまで一例に過ぎないのです。

頭でっかちになってもいけないですが、

知識の大切さ、知識を身につけることの大切さ
自分の経験が、全てをカバーしているわけではない、という謙虚さの必要性

これらを、強く感じさせてくれる一節でした。

次回予告

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