僕を支えてくれたゲーム
ぼくは小学校1年生から4年生のころまで親に無理やり習い事に通わされていた。
その習い事は監督が鬼のように厳しくて、例えば誰かがミスをすると「バカかお前は!」とか「帰れ!」と怒鳴るような人だった。
当時メンタルが弱かった僕は怒られただけで泣いていたがさらに追い討ちをかけたのはいじめだった。
いじめは学校でもあったし習い事でもいじめられていた。
学校を休もうとしても理由がいじめでは親に心配をかけたくない僕には「いじめられているから学校休みたい」なんて台詞は言えない。当然僕がとった行動は「習い事を辞めたい」と親に言うことだった。これなら簡単だし、親も反対しないと思ったが親は予想外の言葉を僕に発してきた。
「辞めてもいいけど辞めたら皆から『何で辞めたの?』って言われるけどそれでもいいの?」
この言葉で僕は理解した。
僕にはもう味方がいないと言うことを。
これから小学校を卒業するまでいじめには耐える必要があることを。
ここからは正に地獄だった。
学校でいじめられてた後、また習い事でいじめられるという毎日、親も味方ではないことを知ってしまった僕が唯一心を休めることが出来る時間はゲームをしている時だけであった。中でも最も救われたゲームは「ファイアーエムブレム覚醒」だった。
「ファイアーエムブレム覚醒」のラスボス戦のイベントで主人公の仲間の「クロム」というキャラクターは戦意を失い、倒れている主人公にこう語りかける。
「諦めるな!」
この言葉で僕は救われた。
いじめられて戦意を失っている僕に。
戦うことを諦めて自殺を考えていた僕に。
たった五文字の言葉だがこの言葉は僕に深く染み渡った。
ありがとうクロム、君は僕の英雄だよ。
ゲームは良くないと言われるけど、そんなことない、ゲームに僕は命を救われた。だから良くない物なんて決めつけないでほしい。
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