知らずに口ずさむ曲
仕事で車で2時間ほどの隣町まで行った帰り道、すんなりと契約して頂き、気分は上々。
ドライバー君も、多分にほっとしているのか、
少なくとも彼が今回の仕事は重要な立役者だったのですから、運転しながら、ふと口から、歌が漏れたのでしょう。
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後部座席で、タブレットをいじっていた私は、その曲にドキッとしてしまい。
「ね、、今の曲、曲名なんていうの?」
「えっ? あっ、、僕、」
「歌ってたでしょう、、素敵な曲ね、」
「あの、、あのですね、」
シャイなんです、彼は。
彼が子供時代に、お父さんの車の助手席に乗っている時に、よくお父さんが口ずさんでいた曲とか。
「曲名知らないの?」
「すみません、、あの、一部しか知らないし、
あのですね、、僕、」
頭脳明晰、しかし、しかし、変わってる。
「お父さん、お仕事やめたのよね、、電話して訊いてみたら?」
「あの、そんなこと、父にですか?」
彼のお父さんは、私の父と大学時代からの友人で、イメージとしては、私の父にしても、彼のお父さんにしても、歌を運転しながら口ずさむ様子は、思い浮かばない。
「ね、お父さんに、私から訊いてみてもい〜い?」
「あ、、そうして下さい、、助かります、父は、えなさんのファンですから、電話喜びます。」
で、彼のスマホから、彼のお父さんへ電話。
お父さんは、事情を話すと、非常に喜んでいました。小さな子供時代に、父親が運転しながら、何気に口ずさんでいた歌を息子が覚えていて、それを、息子も口ずさむことに。
子供時代の記憶は、
理屈ではないのでしょう。
目で見た、耳で聴いた、体で体験した。
大人になっても、その記憶は残るのですね。
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「ルビーの指環」という曲だそうです。
お父さんは、お願いすると、電話口で歌って下さいました。
声が親子そっくりで、特に低音部が、そっくりで。
昔の曲には、なかなか、じわっと心に沁み入る作品がありますね。
一部、引用です、
最初の部分が、なかなか凄い!
導入の仕方が、、。
くもり硝子の向こうは風の街
問わず語りの心が切ないね
枯葉ひとつの重さもない命
貴女を失ってから
街でベージュのコートを見かけると 指にルビーのリングを探すのさ 貴女を失ってから