タイプ4とタイプ5の違い

ここnoteでは、私がタイプ4やタイプ5の話を多めに書いていることからか、自身をタイプ4やタイプ5と見ているかたが、それなりの数、来られているようです。
そんな中で、ではタイプ4とタイプ5の違いは何か?といった話になったときに参考になる文章はないかと思い、
そういった理由で、昨年末に取り上げたリソの本を読んでみたのですが、そこにはタイプ4とタイプ5の違いは書かれていませんでした。


ここでタイプ4とタイプ5の説明をはさみます。

エニアグラムのタイプ4は、『芸術家(ドン・リチャード・リソ)』『夢想家(ヘレン・パーマー/レニー・バロン&エリザベス・ウエイゲル)』とも言われる性格タイプです。
エニアグラムのタイプ5は、『考える人(ドン・リチャード・リソ)』『傍観者(ヘレン・パーマー)』『観察者(レニー・バロン&エリザベス・ウエイゲル)』とも言われる性格タイプです。


別にタイプ4とタイプ5に関わらず、タイプとタイプの境界線上にいる人は本当に分かりにくいです。

私から見ると、自己申告タイプ4であるのにタイプ5に見える人、またその逆で、自己申告タイプ5なのにタイプ4に見える人、両方を見かけます。

リソの本を参考に両者を言い表すならば、
タイプ4は、「自分の魂の動き、自分自身の暴かれた事実、創造の過程に深く没頭していく中で自分の内部に発見した闇と光をとり上げる」傾向がある。つまり、どこまで行っても自分であり個人であるのに対し、
タイプ5は、自分はいったん置いておいて、分析家であり、打ち解けず、変わり者で、他人から孤立し、社会の基準に合わせようなどという気はまったくなく、周りを気にしない。
となりそうです。

さらに追加して書くなら、
タイプ4がどこまで行っても個人であるのに対し、
タイプ5は客観を重視するがゆえに当事者にはなりえません。

これは、以前。『Yahoo!知恵袋に書かれていた タイプ4ウイング5 と タイプ5ウイング4 の違い 』において引用したsoka_bozu_balzacさん の文章

タイプ5が重視するのはどこまでも客観、中立の立場を維持する事ですし、何よりもタイプ5の場合は、自分が何らかの事件の当事者となることを極端に嫌う傾向があります。自分が主体的な判断を下したり、何等かの出来事の中心となる事、コレはタイプ5にとっては事件の当事者となる事ですから、客観という立場を重視する以上、こうした立場は苦痛以外の何物でもない。

が参考になります。

また、引用文中の「自分が主体的な判断を下したり、(略)こうした立場は苦痛以外の何物でもない」は、
リソのタイプ1とタイプ5の違いで出ていた「タイプ5はどちらかというと判断力に欠ける」「判断力はタイプ5にとって第一に重要なものではない」とも一致します。

タイプ5は、客観ゆえに『傍観者(ヘレン・パーマー)』と呼ばれたり、『観察者(レニー・バロン&エリザベス・ウエイゲル)』と呼ばれたりするのだと言えます。

私なりに両者を分けるのであれば、タイプ4は感情(イメージ)センターで、タイプ5は思考センターなので、
タイプ4は、自分の持つイメージや感情にはこだわりがあって、他人に気やすく触れられたり干渉してほしくはない。
タイプ5は、自分の持つ分析や見解や思考にこだわりがあって、他人に気やすく触れられたり干渉してほしくはない。
というところに違いがあると見ます。

リソ&ハドソンの本において、「タイプ5は他人の目を肩をすくめてやり過ごす」のようなことが たしか書かれていましたが、それは、タイプ5がイメージに対するこだわりをあまり持っていないことから来ている話だということです。

いっぽうで、タイプ4は、考えよりも、自分のイメージやセンスにこだわりがあります。だから個人が前面に出ます。

タイプ4とタイプ5の違いの話でいえば、中嶋真澄さんの本の中では、両者は似ているところもあるとしたうえで、タイプ4だとしゃべっているうちに顔が紅潮したりすると書いてありました。これは感情センターらしいタイプ4の動きだと思います。
こういった自動反応も両者を分ける参考になると思います。

2020/05/06追記
良く分かる記述がネットにありました。
これを書いたのは、タイプ4ウイング5のかた、とのことです。

人は日常において、分裂の方向に転びやすく、そのタイプの特徴を行動化しやすい。
だから、一見タイプ4か5か分からなくても、
タイプ7のようにテンションアゲアゲで享楽的な行動が多かったらタイプ5だし、
タイプ2のように馴れ馴れしかったり親しみやすかたっりする行動が多いとタイプ4だよ

それと、リラックス時には統合の行動をとるから、
リラックスしているときのその人を見て、
タイプ8のよくに割合我儘で押しが強いのがタイプ5で、
タイプ1のように真面目っぽいのがタイプ4だよ

タイプ5についてはタイプ7ほどテンションアゲアゲってわけでもないけども、言いたいことは分かります。
私から言わせると、タイプ7的な方向に行ったタイプ5は消費者としての面が顔を出してくるように思っています。
自分の価値観の下に何かにお金をかけていたりします(お金が無い場合は空費者かな?)。
後はおおむね同意。
タイプ4の中でも落ち着いて少し凛(りん)とした人がいるけど、あれは統合の方向だったんですね。

※ 『【エニアグラム用語】統合と分裂

タイプ2 ←分裂 - タイプ4 - 統合→ タイプ1
タイプ7 ←分裂 - タイプ5 - 統合→ タイプ8

タイプ4のと5の決定的な違いは、生きる上での課題だよ

タイプ4も5も共通しているのは、
「自分はこの世界で生きていけるか?」的な無能感があると思うけど、
決定的に違うのはその中身で、

タイプ4は
「自分を好きになってくれる人がいるだろうか?
自分を認めてくれる人はいるだろうか?
自分にその価値があるだろうか?(感情・好悪・アイデンティティに関わる事柄)」
というのが生きる上での課題だけど、

タイプ5は、
「自分に生きていけるだけの力はあるだろうか?
この不安定な世界で自分は安心を得ることができるだろうか?
世界に対処する知識や力はあるだろうか?(思考・戦略・未来に関わる事柄)」
というのが生きる上での課題だよ。

どちらも価値ではあるのです。ただ、タイプ4は感情・イメージ系の価値(好悪、イメージ、センス)で、タイプ5は思考・能力系の価値が第一に来るということです。

根本的に、対人関係において違うのは、
タイプ4は
「この人は私を好きか嫌いか、
そして私はこの人を好きか嫌いか」
で判断しがちだけど
タイプ5は
「この人は信頼できるか?
強さがあるか?
そして私にも強さと有能さはあるのか?」
で判断しがちだよ。

これ、分かりやすいです。口を挟むところはありません。

このかたが、ハートセンターと「アイデンティティ」を結び付けているのは面白いですね。
私は「イメージ」や「自己イメージ」という言葉で説明しています。


2022/07/02~07/03追記
参考になりそうなページを見つけたので、そこからも情報を引っ張ってきました。
今まで説明されたものに加えて、この文章を読むことにより、タイプ4とタイプ5に関する理解が深まることと思います。

中国の南京大学には裴宇晶博士という方がいるらしい。(略)本も出版している。さらに、zhihuという大がかりなyahoo知恵袋のようなサイトで直々に結構な長文で解説を行っていたりする。
ここではzhihuに載っているタイプ4とタイプ5の比較を訳し、適当にコメントを加えていく。

ここで翻訳に用いた三角は並列の印。ダッシュが並列の終わりの位置を示す。


異なるのは、
△t4はまるで「鳳凰が炎を浴びる」ように自身の感情に一体化・耽溺しやすく、フィーリングの流れに飛び込んで全てを感じ、よく感情を自身として取り扱い、感情を通じて自分が誰であるかを理解する
△一方t5は「対岸の火事」であり、強い感情がある可能性はあるが、物事の真相を理解するために理性的に"ガラス窓を隔てて"感情を観察する――点である。

t4とt5はともに創作を好むが、t4の創作は個人の主観的経験を反映するものがより多い。彼らの創作は往々にして「自伝」の性質を帯びている。自身の個人的な物語または周囲の人物の経歴を“底本”とし、創作を通じて自身が誰であるか、および自身の思ったこと、考えたこと、感じたことを表現するのである。一方、t5の創作は現実に関連することの反映である。

この「彼らの創作は往々にして『自伝』の性質を帯びている」は、noteのマンガでも、そのようなものを読んだことがあります。
タイプ4は感情センターなので、感情をベースに創作するとき、どうしても身近なものが入ってくるのだと思います。


t4は精神、哲学、人文・社会科学などの面における真理を探究するのをより好む傾向にあり、客観的な物理世界の科学者になる者は比較的少ない。一方、t5は客観的に存在する物理世界の探求をより好む傾向にあり、人文・社会科学の類の研究も排除しないが、t4よりも科学者になる傾向が明らかに強い。

タイプ4ならば、自分のセンスを入れた仕事をしたいので、それが入り込む余地の少ない「客観的な物理世界の科学者」に対する興味が薄いのではないか?と考えています。


t4は自身の感情を重視し、内心の感情を表現することを好み、個人的感情を互いに共有することを好む。一方、t5は内心の感情を表現することを恐れ、客観的・理性的に討論したり、分析したりすることを好む。

t4は多くの時間と精力を費やして自身の感情を満たすあらゆる環境、雰囲気、品位、形式を作り出す。一方、t5は美的センスを満たす修飾に時間を浪費することを全く好まない。彼らは実際を掴み、簡潔を好み、あらゆる「非機能的」修飾を捨てる。

タイプ4が属するハートセンターは、気持ち良さ・心地良さ・好き嫌いのセンターでもあります。このセンターの傾向がタイプ4に影響を与えているのだと思います。


t4は独立的でt5と同じように一人を好むように見えるものの、内心では深いつながりを渇望し、「救われる」ことを渇望し、他人に非現実的な期待と要求をしすぎることがよくある。一方、t5は内的にも外的にも非常に独立しており、他人に殆ど期待や要求をしない。

タイプ4のこの記述が他のハートセンターとの違いでしょう。
同様にタイプ5のこの記述が他のヘッドセンターとの違いでしょう。


t4はt5のことを“ロボット”すぎ、人情味に欠けすぎ、冷淡で非情すぎだと思う可能性がある。一方t5はt4のことを感情的すぎ、フィーリングに頼りすぎ、思い込みが激しい、かつ他人への要求が多すぎだと思う。

たぶん、このかた、身近でタイプ4やタイプ5を実際に見ていますね。
私より詳しく両者を語っています。なので、その記述の正否が私には分からないものがありました。
引用した箇所は、私が「たぶん正しいことを言っている」と判断した箇所です。

またこれらを読んでいると、
中国人であっても、中国文化の中にあっても、タイプ4はタイプ4であり、タイプ5はタイプ5であることが確認できる記述ともなっていると思います。

最後にこの2つのタイプについて、こうまとめています。

実際には、t4はt5の冷静さと理性を学ぶ必要があり、t5も気分や感情に直面するとともに表現するt4から学ぶ必要がある。t4とt5はいずれも現象を越えて宇宙や人間の「深海地帯」を探求する熟考者である。この2種類の人は、人類の科学、文化、芸術などの面における革新と発展に極めて大きく深遠な影響を共同で与えることになるだろう。



参考
Yahoo!知恵袋に書かれていた タイプ4ウイング5 と タイプ5ウイング4 の違い
5W4と4W5の違いが書かれているページがありました

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