米大統領選に見るタイプ3アメリカ文法に沿った言い方

『米大統領選、バイデン氏リード(TBS系(JNN)) - Yahoo!ニュース』11/5(木) 8:54配信

より

 日本時間の午前6時過ぎから、バイデン氏がこちらで行ったスピーチでは、トランプ氏とは対照的に、冒頭、勝利を宣言するために、ここにいるわけではないと話し始めました。そのうえですべての開票が終われば、われわれが勝利すると確信していると自信をのぞかせています。
 また、トランプ大統領の集計作業を止めようとする発言に対して、すべての票が数えられなければならない、誰もわれわれから民主主義を奪うことはできないと強調しました。これに対してトランプ大統領は、前日、多くの州で自身がリードしていたものの、都市部での期日前投票の開票が進むにつれ、バイデン氏の得票率が伸びたことに納得がいかないようで、3日夜、多くの州で私がリードしていたのに魔法のように消え始めたなどと主張しています。郵便投票の不正などをしきりに吹聴するトランプ大統領ですが、みずから民主主義の仕組みを否定するようなふるまいには、疑問を抱かざるをえません。

今回は、トランプ・バイデン両氏の主張がタイプ3アメリカの文法に沿った形となっているという話をしたいと思います。
アメリカはエニアグラムのタイプ3の国民性だと言われています。

エニアグラムのタイプ3は、『地位探求者(ドン・リチャード・リソ)』『達成者(レニー・バロン&エリザベス・ウエイゲル)』とも言われる性格タイプです。
タイプ3は周りとの関係性に生き、成功と称賛を求めます。
そして、成功と称賛を求めるあまり、通常のタイプ3はなるべく早く なるべく楽をして、それを得ようとします。そこでショートカットやアウトソーシング、その他を使うことになります。

そんなタイプ3なのですが、いつも余裕で成功できるわけではないです。
ギリギリだったり、危なくなったり…、ときには、もう本当に負けてしまうことがあるかも知れません。

ですが、タイプ3というものは成功を求めているのです。称賛を求めているのです。自分が求めているものが得られない状態を素直に受け入れることなんてできません。
そうなると、あらゆることをし始めます。本当にできることならあらゆることをし始めます。

このニュースが流れている時点では、バイデン氏が勝利しそうになっています。
成功が確信できるタイプ3は余裕です。正論も言えます。
それに対し、成功が得られないタイプ3なら、あらゆることをし始めます。言い始めます。

自分が成功できない状態を受け入れられないのです。何か自分の他に問題があったと思いたいし、当人にとっては実際にそうなのです。

今のトランプ氏が
「郵便投票の不正などをしきりに吹聴する」
のも、そういったタイプ3的な動きに沿った発言であったりします。

ところで、今まで、タイプ3が成功と称賛を求めると書いてきましたが、
タイプ3は「関係性の人」でもあります。周りとの関係性において生きています。
タイプ3が属するのは、知情意の情です。ここで言う情は、「心」「想い」「イメージ」までも含んだ意味で使っています。
タイプ3は成功と称賛を求めますが、それは、皆から、そういう良いイメージで見られたいということです。

ここで、バイデン氏のスピーチを思い出してください。

「トランプ大統領の集計作業を止めようとする発言に対して、すべての票が数えられなければならない、誰もわれわれから民主主義を奪うことはできないと強調…」
なんて書かれていましたよね。

アメリカは民主主義の国です。
ですから、それを使って、トランプ氏は民主主義を奪おうとしていると相手のイメージを落とす形の発言をしています。また同時に、民主主義を守る私は称賛に値するという言外の意味まで発言の中には含まれています。
バイデン氏もまたタイプ3文法に沿った形でトランプ氏に対し反論をおこなっているのです。
ちなみに、バイデン氏のこの部分を「反論ではなく攻撃ではないか?」と思ったかたがいるかも知れません。ですが、バイデン氏的には反論となります。イメージを通して関係性を築くタイプ3文化において、イメージの悪い言葉を使うのは避けねばならないことです。当然、氏の発言は、攻撃であってはいけないことになります。タイプ3アメリカなら攻撃よりも反論よりももっとスマートで恰好の良い言葉を使うかも知れません。

今回は、
「米大統領選に見るタイプ3アメリカ文法に沿った言い方」
と題して書いてみました。

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