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【書評】ある日突然オタクの夫が亡くなったら?身近な人が亡くなった時にやるべきこと、起こること/こさささこ著

家族や親しい人が亡くなった時、どんな手続きが必要なのか。生前に何を準備しておく必要があるのか。
直面してからでは遅いので、実際に著者が経験された事を学びたいと思い本書を読みました。

著者は夫・娘・息子の4人家族でした。
保険にも加入しておらず、今の平和な日常がずっと続くと思っていましたが、ある朝、著者と子供たちが起きていつも通り朝食の準備などをしていたところ、夫が布団の上で亡くなっていたのを発見します。急性心不全(心筋梗塞)でした。

亡くなっている夫を発見後、救急車を呼び夫は病院へ搬送されましたが改めて亡くなったとの連絡が入ります。合わせて警察署にも呼ばれご遺体と対面。
その後は、自宅へ警察による現場検証、著者への事情聴取が行われました。

本書では、亡くなったその日からやるべきことを第1章~第8章に分けて詳細にまとめられています。

第1章 葬儀、告別式、法要のこと
第2章 社会的手続きのこと
第3章 お金のこと
第4章 お墓のこと
第5章 相続のこと
第6章 遺族のケアのこと
第7章 遺品整理のこと
第8章 生前にやっておくこと

私は、亡くなった最初に必要な「死亡診断書」や「死体検案書」の作成に結構なお金がかかることも知りませんでした。
(死亡診断書:数千円~1万円程度、死体検案書:3万円~10万円程度)
突然起きることなので費用目安を予め知っておくと、お金の面でも気持ちの面でも準備ができるので助かります。

名義変更が必要な契約類、名義変更時に直面したハンコ問題、子供がまだ小さいためいつでも出かけられる状況でなく困った事、窓口へ行かなくてもネットサービスでクリアできる事など、誰が読んでも参考になりそうなものばかりでした。

私的本書の特徴
・実際に著者が直面した状況を漫画ベースで書かれているので分かり易かった。
実際の状況を漫画で説明→大切なことを改めて文章でまとめる
・費用がかかる項目は目安金額が書かれており、ざっくり見積もることができる。
・死亡届の提出、遺族年金の申請など、各種手続きには期限があり、時系列で期限も記載されているのでタスクリストが作りやすい。
・お金や手続きのことだけでなく、大黒柱が急に亡くなり母子家庭となった家の中の様子や心情も描かれていて、心理面の参考にもなった。


命あるものはいつか死ぬ

死は悲しいものなので、特に身近な人に関してはあまり考えたくありません。
しかし、亡くなってからでは本人の意向を聞くことも相談することも出来ません。
亡くなった方のためにも、残された家族のためにも、元気な内に一度死と向き合い話し合うことは大切なことだと思います。


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