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「相手の立場に立って考える」って本当にできるの?ー広石コラムVol.3


コロナによって、メディアでは色々なところで差別が問題になっていましたが、コロナに限らず、いざ、自分の身に起こらないと他人事のまま日常が過ぎていることが沢山あると思います。私は経験したことのない何かについて考えるとき、自分だったらこう思うかな、こうするかな。という判断で物事を見てしまいがちですが、このコラムから相手の立場、目線からの見方についての大切さを、改めて考えさせられました。(事務局 新村)
                      

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「相手の立場に立って考える」って本当にできるの?

「相手の立場にたって考えなさい」・・・子どもの頃から、そう教わります。その通りなのでが、これが案外難しいのは、相手の「立場」を経験する、ということがあまり多くないからではないでしょうか。

例えば、生徒は先生の立場はわからない。新人は上司の立場はわからない。なんとなくわかった気になっているけど、実際に自分が上司になってた時に「あぁ、あの時怒られたのは、こういう意味だったのか」と気づくことは、多くあります。

それが難しいからこそ、「花子とアン」で話題になった「王子と乞食」、映画の「転校生」「フェイスオフ」など、立場が入れ替わるエンタメ作品が多数存在するのでしょう。

先日、文京区の職員研修として、区役所職員が「自分が、社会起業家として起業するならどうする?」という視点で、事業プランをつくり発表していく研修を行いました。この研修は2年目で、同様の研修を目黒区では、10年担当させていただいています。

行政が民間と協働するためには、行政側の人が民間の視点や発想法を理解していないといけないけれど、区職員で企業やNPO、起業の経験者は少ない。実際に自分が地域で起業するとして、真剣に事業プラン作りをするからこそ地域の課題や、解決に取り組むNPOや起業家の見方に、気付く事ができるということを目的にしています。

「相手の立場」で3日間考える経験から、「相手の立場に立って考える」基盤を作るのです。

「行政の方が社会起業のプランづくりなんてできるの?」・・・実はやる前は僕もそう思っていました。ほとんどの受講生も最初そう思っています。

しかし、実際やってみると、みなさん、すごく良いプランをつくります。

例えば、栄養士の方の「健康に配慮したお弁当レシピの配信&提供事業」。他にも「障がい児のためのオーダーメイド服の会員制度」「離職女性の復帰支援プログラム」など、実現してほしいと思う企画がどんどん生まれます。

研修をやって気づいたのは、基礎自治体職員は、地域の課題、困っている人地域の資源をたくさん知っているのです。しかも、多様な職場を経験しているので分野横断的に知っている。その「結び付け方」に気づいていないのだということです。

「社会起業プランづくり」は自分の知る“対象者”と“資源”を結びつけるプロセスを学ぶプログラムでもあるのです。

                     エンパブリック代表 広石
                     (2014年11月19日記)

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このコラムから、相手の立場を同じように経験することが出来なくても、自分がその立場になったらどうなのかという想像、相手の課題や困っている事を知ろうとすることで、歩み寄れることはたくさんあるなと思います。そう心掛けていることで、相手からの言葉の受け取り方も変わったり、そういったことが、良い方向に行くことにつながっていくのではないかなと思います。
                              (新村)


                              

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