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【えもてく質問箱 vol.2】 顧客満足度調査(CS調査)と顧客体験マネジメント(CXマネジメント)の違い


こんにちは!えもてく質問箱より、まつざきです。
noteでは、みなさんからご質問・お問い合わせいただくことについて
私の主観も交えながらお話します。

* 私(まつざき)について
株式会社Emotion Tech マーケティング部所属。前職ではBtoBの提案営業に従事。300社以上のお客様の販売促進に携わり、売上アップのヒントは「お客様の声にある」と痛感。その後教育系NPOを経て「全ての人がわくわく生きてほしい!」と強い思いを持つようになり、現職へ。主にインサイドセールスやセミナー運営を担当。餃子とレモンサワーが好き。

きょうの質問「CS調査とCXマネジメントは何が違うの?」

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ご質問ありがとうございます。
弊社のセミナーでも、必ずこの質問をいただきます。皆さまが疑問に思われるポイントなんです。

「CS調査」と「CXマネジメント」

何かを購入したときに商品やサービス、お店について等、3~5段階くらいで満足度を聞かれるアンケートに答えたことはありませんか?
こんな感じの。

アンケート

コレです。これがCS調査です。
CS調査は、顧客の声から「商品・サービスに対して満足しているかどうか」「どこが不満に思われているのか」など、商品・サービスそのものが持つ価値やメリットに注目しています。

一方でCXマネジメントは、前回の投稿でもお伝えしたように、商品・サービスにまつわる様々な体験からお客様が感じる価値やメリットを最大化させることに注目しています。

「満足」の正体ってなんだ?

CS調査では「●●に満足していますか?」という質問の仕方をすることが一般的ですよね。
みなさんが「満足している」と評価をつけるときは、どういう状態でしょうか?

「貯まったポイントで、コーヒー一杯を引き換えてきたぞ!さらに試食でクッキーももらえた!なんだか得した気分だな~。」
「それにここのカフェはおしゃれで、客席にゆとりがあっていい。BGMの音量も大きすぎなくて落ち着くなあ。」

どちらの感想もおそらく「満足」してますよね。
価格、おまけ、お店の雰囲気・・・

さあコーヒーを一口、、
このあと、もしこんな感想を持ったら?

「むむむ。思ったより美味しくないぞ、、?まあタダだしいいか・・・でも次は隣の店にしようかな・・・」

コーヒーをポイントと引き換えられたことや店内の雰囲気には「満足」していますが、
実際に飲んだときはおそらく「やや不満」な状態ですよね。
もしかしたら、味はいまいちだけどインスタ映えするから「まあまあ満足」かもしれません。
「満足」かどうかはこんなに変化する可能性があり、判断材料が実はたくさんあるのです。

いったい「満足」ってなんなのでしょうか?
なぜわたしたちは「満足かどうか」をお客様に聞いているのでしょうか。

広辞苑には

①十分なこと。完全なこと。
②望みが満ち足りて不平のないこと。

とありました。うーん、たしかに。
ではその「満足」の状態をつくる要素ってなんでしょうか。

「満足」は2種類あった!

実は、顧客の満足には2種類あると示されています。
これはアメリカのギャラップ社(最近だとストレングスファインダーが有名ですね)のある研究結果によるものです。

・頭の満足:安さや便利さなど合理的な基準・判断によって満たされる満足
・心の満足:安心や愛着など、感情的な基準・判断によって満たされる満足

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また彼らは、満足度と月間の購入金額の関係性についても解き明かしていました!
大手スーパーマーケットでの調査です。そこでは満足度調査で「とても満足した」と答えた顧客が、頭と心のどちらで満足しているのかに注目していました。

「とても満足した」という顧客にも、「頭の満足」をしている人「心の満足」をしている人がいました。
これをさらに分析した結果、頭で満足している顧客よりも、心で満足している顧客のほうがはるかに企業の利益に貢献していることがわかったのです!

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上の図は、月間の利用料金・利用回数を、満足の種類別に分けたグラフです。左から順に<不満足者><頭の満足者><心の満足者>を表しています。

心の満足をしている顧客のほうが、圧倒的に利用金額が高いですね!

また、不満足者と頭の満足者の金額・利用頻度がほぼ同じ結果なのにも驚きです!
頭で満足している顧客の行動パターンは「満足していない顧客=不満のある顧客」と変わらないのですね・・・

つまり
・企業の利益に繋がるような回答を得たいときは、
「どのくらい満足していますか?」という質問では不十分!
・「心の満足」が満たされていることが、企業の利益創出にとっては大事!

ということは、従来のCS調査の質問「あなたは~~にどのくらい満足していますか?」では、商品・サービスの良し悪しやお客様の感想は把握できるけど、それが売上に結びつく「心の満足」についてのご意見・ご感想かどうかはわからないのです。

じゃあ「心の満足」ってどうやって測るわけ?

ここでCXマネジメントが登場するのです。
冒頭でお話しした通り、CXマネジメントでは、商品・サービスにまつわるそれぞれの体験について評価を質問します。

さらに、その評価をつけた要因や要素などを把握していきながら、お客様の「心の満足」を満たしていける改善施策を導きだします
ココが”マネジメント”と言われるポイントですね。

そのため、質問の仕方も「満足度」を聞くのではなく、「おすすめ度」を聞く方法を使うことが多いのです。
これにより「心の満足」を把握することが可能になるのです。

まとめると

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お客様の声を聞くことで何を達成したいのか。目的によって調査手法を選択できると良さそうですね。

あのドラッカーの名言にもこんな言葉がありますね。

顧客と市場を知っているのはただ一人、顧客本人である。したがって顧客に聴き、顧客を見、顧客の行動を理解して初めて、顧客とは誰であり、何を行い、いかに買い、何を期待し、何に価値を見いだしているかを知ることができる。
出典:「創造する経営者」| P.F.ドラッカー

わたしも肝に銘じます(`・ω・´)

というわけで!この記事に出会ってくださった方のお声を聞けたら嬉しく、
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質問にもできれば答えたいと思います^^

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