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ピボット回転し続けている自分のキャリアについて

大学生向けに自分のキャリアについて話す機会が巡ってきたので、ここに書きながら整理してみようと思う。

自分はこれまで、片脚に重心をおいて、ピボット回転するのを繰り返している。

1) 1回目の回転 〜学生団体から就職サイトの会社へ〜

大学生まで静岡で過ごし、就職は東京に行こうと思っていた。

東京で働いているOBやOGに会いにいくツアーというのを教授が企画してくださって、とても良い刺激をいただいた。

静岡に戻ると、同じく東京に行きたい学生向けに情報提供をする機会を作るよう、先生から提案された。有志で集まって、社会人との接点を作ったりそれを学生につなげたりする、学生団体のようなものが緩やかに立ち上がった。

「社会人からいただいた情報を、学生(当事者)目線でわかりやすく伝える」というのが学生時代に興味を持ったことで、それを軸足に、新卒向け就職サイトを運営し始めたばかりのベンチャー企業に入社した。

2) 2回目の回転 〜日本語環境から英語環境へ〜

新卒では、法人営業職として鍛えられたと思う。それも東京のどまんなか、千代田区のIT業界が自分の担当エリアで、扱う商材も新しくて新規開拓しかなかったのが、後から振り返ると本当に良かった。大手企業からベンチャー企業まで、様々な企業の新卒採用を手伝う経験を通じて、事業と組織の成長を、手で届くような距離で体感でき、このあと事業会社の人事に行った時もその経験は活きた。

2010年、楽天やユニクロが「社内公用語を英語にする」宣言をしたとき、自分もビジネス英語をマスターしなければならない、と思った。「名前がえみりなのに、英語が話せないなんて・・!」と急に自分を追い込んだ。

そして、就職サイトの営業経験を片足の軸に、外資系転職サイトの営業職(社内公用語は英語で、7-8ヶ国の人が働く)に飛び込んだ。当初英語が話せないので周りには迷惑をかけまくったけど、営業職としては早い段階で業績をあげられた。「初めて日本人女性を営業職に雇ったけど良い、これからも採用しよう!」とイギリス人社長が言ってくださっていたとの後日談を聞いた。実際私のあとに、日本人女性の営業職はすごく増えて、みんな活躍している。

最初は会議をiPhoneに録音して後から聞き直していたレベルだったけど、7年在籍して、ビジネス英語は1つの自分の武器になった。

3) 3回目の回転 〜オフィス勤務からフルリモートへ〜

上述の会社では営業職を経て、RPO(Recruiting Process Outsourcing)の新規サービスに携わった。クライアントの代わりに、募集内容をヒアリングして求人広告を作成し、データベースからマッチする人材を見つけてスカウトし、候補者と電話で話して、クライアントに繋ぐというもの。

今度はこの経験を軸足に、日系スタートアップのRPOを行うCASTER BIZ recruitingに転職。ものすごく速いスピードで採用活動が進んでいくIT企業を同時に3〜4社担当し、様々なHRTech、そしてポジションを担当する機会に恵まれた。

COVID前のRPOは、オンサイト(クライアントのオフィスに駐在する)が主流だったので、キャスターの全てリモートで担うRPOは革新的。オンラインだから一人が複数社を担当できるし、集合知が溜まっている。子供が小さいから選んだフルリモートだったけど、8社の採用に携わった2年間は、これまでのキャリア人生の中でも最も濃厚だった。

4) 4回目の回転 〜日系スタートアップから外資系大手へ〜

日本の採用マーケットに幅広く関わったことを、外資系で働く友人に話したところ、ちょうど採用マーケティングのポジションがあると紹介された。

所属はAPJC(アジアパシフィック+日本+中国)で、自分は日本をメインに、東南アジア・オーストラリア・ニュージーランドもサブとして担当することになった。

日本人は自分しかいない環境だが、過去の7年間の英語環境のおかげで、比較的早くキャッチアップすることができている。また、これまでダイレクトリクルーティングをコツコツと経験してきたおかげで、入社1ヶ月目で周囲がびっくりするようなアウトカムを出すこともできた。

これから

これまでを振り返ると、自分はつくづく小心者だと思う。新しい環境にとって、自分の経験やスキルは価値があるかどうか、居場所が作れるかどうか、を確認しながら、回転している。未知の世界に飛び込む勇気はなかった。

ちなみに、次に挑戦してみたいことは、ぼんやりとある。

これまでは、単独登山のような生き方だった。山脈を一人で歩いているような感じで、偶然人と会って一緒に登ったり楽しい時間を過ごすが、分かれ道が現れたら、より難しそうで面白そうな道を選んできた。

一人で登る山道には限界があることに、40代手前で気付き始めていて、次はちゃんとパーティを組んで、チームだから登れる山に挑戦したいと思っている。

そろそろ1人でピボット回転するのをやめて、ゆっくりで良いから周りの人と一緒に、見たことのない景色を見に行きたい。

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