「THE HOME TAKE」

「THE FIRST TAKE」ずっと、この先、数年間。
見て感動する側だと、正直思っていた。
昔から大好きだったアーティストや、
メジャーデビューしていった同世代のミュージシャンが、
命を削るようにマイクに向き合う姿。息遣いを通して、
そこに立った人間の中身まで映し出すような環境。

純粋な感動と、その場所までたどり着けない、
自分自信のふがいなさと悔しさの入り混じった、涙が溢れる。
「THE FIRST TAKE」は僕にとって、そういうものだった。

いつかあの場所に立てるように、今は一歩ずつ、
目の前の階段を登っていこうと思っていた。
だからこそ、今回「THE HOME TAKE」の
オファーをいただいた瞬間、比喩じゃなくって、胸が震えた。

だけど、ひとしきりの感動のあとに、不安が胸を覆った。
これまでの出演アーティストたちに比べて、
圧倒的に僕らは世間に認知されていない。

「好きなアーティストが出演するから聴こう」
「好きな曲のHOME TAKEバージョンだから聴いてみよう」
毎週この企画を楽しみにしている人たちが、
この企画と出会ったのは、きっとそういうきっかけが
多いんじゃないかって思う。僕だってそうだった。

僕らのことを知ってくれてる人は、まだまだ、少ない。
正直に言えば「再生回数」っていう数字が怖かった。

もうすでに撮り終えた、今夜には公開される
僕らの「THE HOME TAKE」を見返す。
自分たちがこれ以上ないくらい、
ベストを尽くして制作してリリースした楽曲、
これまで8年間紡いできたグルーヴ。
当たり前のように、いつだって隣り合って演奏してた僕らが、
離れたそれぞれの場所で録音した音と映像。
そこにはちゃんと、ライブの熱量があった。

いまこの文章を読んでくださっているみんなは、
きっと僕らのことをすでに知ってくれている人たちだと思う。

いつも本当にありがとう。ライブも中止や延期ばっかりで、
交わしたたくさんの約束も果たせないままで、本当にごめんなさい。

わがままばかりですみません、
僕らのことをまだ知らないであろう友達や家族に、
今夜22時からの「THE HOME TAKE」プレミア公開を
一緒に見ようって、
誘ってもらえたら、本当に嬉しく思います。

自信を持って、Omoinotakeらしい
「THE HOME TAKE」になったと思ってる、
これまでみんなが信じてくれた、僕らの想いが全て込もってる。

メジャーとかインディーズとか、
関係なしに、届くものはちゃんと届くと、思いたい。
どうか一人でも多くの人に、僕らの想いを伝えられたらと願う。

それぞれの場所で願った想いが、ひとつになるように。
Omoinotake「THE HOME TAKE」楽しみにしていてください。

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