Emoaki

Omoinotake.Bass&Lyric

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最近の記事

松江ラーメン

松江ラーメン(しじみ醤油)っていうチルド麺がある。 もうきっとこの一行で、わかる人とわからない人のアレがえぐいエグいと思います。解説します。 要すると、いや、要してしまうと一瞬で解説終わってしまうんですが、つまり、めちゃくちゃ島根で根付いてるチルド麺。 母ちゃんから段ボール送られてきたなぁってなって、 開封したら99%入ってて、顔が綻ぶ。 そのまま冷凍庫にぶち込む。だって作るのちょっとだけめんどくさいから、一旦保留する。 結果、今うちの冷凍庫には松江ラーメンが20食ほ

    • 雑記

      爪が随分と伸びてることに気がついた。 ベースを弾きづらくなってしまうから、 ツアー中は毎回出番前に深爪するまで切っていた。 久しぶりに伸び切った爪を纏った僕の指は、 なんだか自分の指じゃないみたいだった。 パチン、パチンと爪を切り、シャワーを浴びた。 バスタオルで身体を拭きながら、ドライヤーを手に取る。 髪を乾かしながら、そういえば最近はずっと、 濡れた髪のまま眠っていたことに気づく。 髪が乾いて鏡に向き合うと、そこにはボサボサの頭と、 とんでもない無精髭をたくわえ

      • 彼方

        5年制の高専を3年で中退した。 僕は何も知らない、18歳だった。 音楽を仕事にできればなって、バンドを始めた中学生の頃から、ずっと思っていた。 だけど18歳の僕は「夢」っていう言葉が、ただただ怖かった。 「売れなかったらどうしよう」 「見栄をきってミュージシャンを目指して上京したって、なんの結果も出せなかったら恥ずかしいや」 「僕みたいな田舎者が、都会で成功できるはずがない」 漠然とした不安に、それらしい理由をつけた。 救いようがないのは、それが利己的で正しいって、自分

        • 引っ越したいのに、僕は引っ越せない

          18歳で東京に出てきて、初めて住んだアパート。 下高井戸駅徒歩1分、ワンルームロフト付きで家賃55000円。 それだけなら聞こえはいいけれど、2年間住んだ感想としては、 控えめに言ってもクソ物件だった。 まず、めっちゃくちゃにゴキブリが出た。 ゴキブリ対策費用で毎月1万円は確実に使っていた気がする。 トランクス一枚で部屋で微睡んでいた僕の股間の僅かな隙間を、 ゴキブリが音速ですり抜けて行ったこともある、とんでもない家だった。 そして、とてつもなく壁が薄かった。 生音の

        松江ラーメン

          「僕はどんな大人になりたかったけな」

          昨年の秋頃、バイトと歌詞の制作をとうとう両立できなくなって、バイトをやめた。 人生の一つの目標でもあった「バイトを辞めること」 それを果たした瞬間でもあったけれど、その目標の前提であったはずの、 「音楽で食べていけるライン」には程遠いのに、単純にストレスと寝不足続きで頭がバグってやめた。 就業中に寝落ちしまくる、ゴミクソバンドマンの僕を雇い続けてくれたコールセンター。 血走った目で唐突に「辞める」って言った僕を、なぜか引き留めまくってくれたみんな。 職場近くの通い詰めた

          「僕はどんな大人になりたかったけな」

          「愛されたい」と僕らは簡単に口にする

          2020年の11月に、兄ちゃんに子供が産まれた。 男四人兄弟で育った僕らからすると、変化球中の変化球の女の子。 もはや魔球みたいな赤ん坊(マホちゃん(仮))が産まれた。 コロナの影響で、年末は帰省もできなかったから、 まだ僕は一度も会えてない。信じられない。 だけど、素敵な時代に産まれた僕らは、 画面越しで繋がれる。顔が見れて、声も聞こえる。 「ちょうどオムツ変えてたらどうしよう」とか 「せっかく寝たタイミングで起こしちゃったらどうしよう」とか いろんな心配をしながら、

          「愛されたい」と僕らは簡単に口にする

          タイムカプセル

          歌詞に行き詰まった時、過去に自分が書いた歌詞を読み漁る時間がある。 「くさぁぁぁぁぁぁぁぁ」って、声に出してしまうほどの黒歴史と向かい合う。 忘れる生き物として産まれた僕らは同時に、 きっかけひとつで思い出してしまう生き物だ。 歳をとると写真を撮らなくなる気がする。 大体いつも同じ景色の日常で、「これ写真に納めなきゃ」って瞬間は 日に日に減っていく。 SNSにあげる写真を探していたつもりが、 ついつい遠い過去までカメラロールを遡ってしまうようになった。 僕の貧弱なカメ

          タイムカプセル

          タバコが僕を童貞にする

          時代に逆行して、爆裂にタバコを吸っている。 特に今年は猛烈に吸った。家にいる時間が増えたことに比例して、 日に日に本数が増えまくった。喉と財布が物理的に痛い。 「クズからは徹底的に搾取する」a.k.aタバコ税増税。 先日、僕の吸っているアメスピメンソールライトは、 10月の値上げをきっかけに、20本入り570円から14本入り400円。 頭がバグる値段設定を仕掛けてきた。 これには本当にヤラれた。 コンビニのレジ前で、一体自分が次にコンビニに来るまでに何本のタバコを必要とす

          タバコが僕を童貞にする

          「コンソメ」への不信感

          めっっちゃくちゃに自炊をする。 居酒屋でバイトしてた時期が長かったことが影響していることは確かだ。 ヤマキさんの「だしの素」を死ぬほど愛用している。 びっくりするくらい何にでもドバドバいれる。出汁ジャンキーがここにいる。 舌の好みは、きっと育ちが影響する。 4人兄弟(全員男)で育った僕の食卓は毎日が茶色かった。 白米とおかずを奪い合う。テレビに目をやった瞬間に肉は奪われる。 毎食が戦いだった。茶色い肉と多分玉ねぎ、炒めたやつ。 母ちゃんが洋食作ったとこを、一回も見たこ

          「コンソメ」への不信感

          ほとんど熊な隣の家の犬

          いつか書いたような気もするけど、 今住んでいるアパートに引っ越してから、気づけば8年の月日が流れた。 レオとルームシェアをしようって決めて、 レオの通っていた大学に程々近いって言う理由で決めた物件。 死ぬほど居心地が良くって、レオが引っ越したあとも ずっと住み続けている。8年も住めばほとんど実家だ。 トイレの換気扇がイカれてて、ちょっとした飛行場みたいな爆音がしたり、 台風で網戸が吹き飛ばされまくったり、いろんな困難もあったけど、 なんだかんだ気に入って暮らしている。

          ほとんど熊な隣の家の犬

          落とし物

          息を吐くように頻繁に、携帯や財布をなくす人生だ。 携帯に関しては一度に4台分くらいの機種代を払ってた時期もあった。 免許証番号の左から12桁目は紛失の回数が刻まれているって最近知った。 へぇ〜って思って確認したら「4」って書いてあって、「そうかぁ〜」って思った。 なくし癖がつくと、本当によくない。 失うことに慣れすぎると、遺失物届けすら出さなくなる。 7年前くらいに携帯を落として機種変をした。 その1ヶ月後くらいに警察から「あなたの携帯届いてますよ、 いつまでに取りに来

          落とし物

          腰痛

          何だか最近、急速に大人になったような気がしてる。 「めんどくさい」ってのが本当の理由なのに、 「興味がない」ってフリしてた税金や年金、 ついには保険のことまで、考えだすようになった。 原因はたった一つ。 「腰痛」 どれだけタバコを吸っても、どれだけ酒を飲んでも、 何だか具合悪いな〜って思ってても、翌日の夜には大体回復してた。 ここ5年くらいは病院も行ってないし、 年一の健康診断もただの体重測定&視力検査くらいの ポジションに捉えていた。 自分の腰、ひいては身体。 永

          腰痛

          「モラトリアム」リリースツアー

          「モラトリアム」リリースツアーが、 明日でファイナルを迎える。 まだ一度もお客さんの顔も見れていないし、 東京以外の場所で演奏もできていない。 いまだに、泣き言ばかり頭の中に浮かぶ。 だけど、いつまでも同じところにはいられない。 先日、僕らの初ライブの日からちょうど8年が経った。 今でも鮮明に思い出せる、高円寺の古ぼけきったビル。 10人もお客さんが入ればパンパンになるスタジオの、 空調はとっくの昔に壊れてしまっていて、僕らは汗だくで演奏した。 ライブが終わったあと

          「モラトリアム」リリースツアー

          夏の幻

          Omoinotake「モラトリアム」リリースワンマンツアーの、 開催中止が発表された。 「One Day」を書いた時に願った、当たり前に寄り添いあえる日々が、 僕らのもとに帰ってくる未来は、まだまだ遠いみたいだ。 延期を発表した時、One Dayを書いた時、 本当のことを言えば今でも、四六時中、 8月には元どおりになるといいなって、 希望的観測を心の拠り所にしながら生きてきた。 そんな揺れ動く感情を抱えたまま、One Dayのレコーディングを終えた頃、 松江水郷祭が中止に

          夏の幻

          「THE HOME TAKE」

          「THE FIRST TAKE」ずっと、この先、数年間。 見て感動する側だと、正直思っていた。 昔から大好きだったアーティストや、 メジャーデビューしていった同世代のミュージシャンが、 命を削るようにマイクに向き合う姿。息遣いを通して、 そこに立った人間の中身まで映し出すような環境。 純粋な感動と、その場所までたどり着けない、 自分自信のふがいなさと悔しさの入り混じった、涙が溢れる。 「THE FIRST TAKE」は僕にとって、そういうものだった。 いつかあの場所に立て

          「THE HOME TAKE」

          鶴瓶の麦茶

          「コスパ」ここ数年でやたらと目にするようになった言葉だ。 東京で数店舗を経営しているラーメン屋「博多天神」 替え玉一回無料。ラーメン500円。辛子高菜、紅生姜、 ゴマ、にんにく取り放題。 今は亡き新宿西口1号店に僕は週3で通ってた。 ワンコインあればいつだって満腹になれた。 増税も博多天神には関係なかった。 立ち寄った帰り道、いつも「コスパ」っていう言葉が頭に浮かんだ。 この店を超える「コスパ」は存在しない。 それを知っている自分の優越感を、抱いて歩いた帰り道。 だけど

          鶴瓶の麦茶