見出し画像

映画に学ぶ《たたかう韓国》まとめ

noteをはじめてこのかた3年、おかげさまで900名以上のフォロワーの方に読んで頂いております。

音楽やローカルなイベント情報、ビジネスアイディアや個人的ポリシーまで、さまざまに書き散らしてきましたが、ほぼ毎月きちんと書いてきたのが映画コンテンツ「今月見た映画」でした。

せっかくなので、noteを始めるより以前に観た映画たちも交えつつ、テーマごとに(たまに)まとめていくことにしました。ということで、今回は「映画に学ぶ《たたかう韓国》」というテーマで、8作品をピックアップ。

韓国では、2008年~13年の李明博(イ・ミョンバク)政権、2013~17年の朴槿恵(パク・クネ)政権下で作られた「ブラックリスト」に多くの文化人・芸能関係者が掲載され、政権批判的な表現や、朴槿恵の父ちゃん・朴正煕(パク・チョンヒ)による独裁や民主化運動を扱う作品が事実上検閲されていました。そのせいもあって、この間に生み出された作品たちはまさに存在自体が闘い。映画が市民運動のツールとなって、韓国の民主主義を担っています。

『マルモイ ことばあつめ』
(監督:オム・ユナ、2019年)

日本占領下の朝鮮半島で、朝鮮語と文化を残すために命をかけた言語学者たちの闘い。日本化していく朝鮮半島の様子が巧妙に描かれる。

『パッチギ!』
(監督:井筒和幸、2004年)

舞台は1960年代の京都。在日コリアンに向けられる差別、世代間の葛藤、国籍の異なる若者たちのぶつかり合い(パッチギ)。法事の場にて、笹野高史ふんするじいちゃんが歴史の重みを喝破するメッセージは圧倒的。

『KCIA 南山の部長たち』
(監督:ウ・ミンホ、2021年)

1979年、朴正煕による軍事独裁下の韓国。当時スパイ活動を担う情報部長・金載圭(キム・ジェギュ)が、軍事独裁からの解放を望むデモ隊に軍事介入しようとする朴正煕の暗殺に至るまでを、当局内部の視点から追う闘い。

『弁護人』
(監督:ヤン・ウソク、2013年)

後の大統領となる廬武鉉(ノ・ムヒョン)の、弁護士としての闘いを描いた作品。当局によるデモ隊の不当な拘束・拷問に対し、立憲民主主義の信念を説く弁論シーンは圧巻。

『タクシー運転手~約束は海を越えて~』
(監督:チャン・フン、2017年)

1980年、5・18光州。朴正煕暗殺により民主化に一縷の希望をいだいた民衆の運動が、当局の銃弾により一掃された日を、しがないタクシー運転手の目線から描いた作品。感情をぶんぶん揺さぶる闘いです。Huffington Postでのレビューも面白い

『光州5・18』
(監督:キム・ジフン、2007年)

「タクシー運転手」より10年前に制作された本作。タクシー運転手よりもさらに感情の揺さぶり増し増し・フィクションありありで描かれています。

『1987 ある闘いの真実』
(監督:チャン・ジュナン、2017年)

大学生の拷問死をきっかけに起こる、検事vs警察の闘い。これまでの映画ではあまり描かれなかった、韓国の秘密警察当局と日本占領時代・朝鮮戦争との歴史的つながりを想起させるエピソードが挿入されています。

『共犯者たち』
(監督:チェ・スンホ、2017年)

李明博、朴槿恵政権下で行われた言論弾圧に対する、テレビプロデューサーたちの知られざる闘いを追うドキュメンタリー。日本もこれくらいしていいんじゃないかと思うくらい、激しく熱い。

ということで、韓国の歴史を扱ったメジャーな映画を一気に振り返ってきました。私自身が英雄的な戦争映画をあまり好きじゃないせいもありますが、朝鮮戦争(1950年代)、朴正煕政権成立時(1960年代)を扱った面白い視点の映画がまだまだ少ないように思います。おすすめがあれば教えて下さい!

過去、この時期に観ていた映画たちはこちら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?