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コンビニ劇場

待てど暮らせど来ぬ人を~

という感じで、人や物を待ち続けるのはなかなかしんどいものです。
待っているのに来てくれない、来てくれないから余計に想いは募っていく。
一般に恋の歌になりやすいのは、こういうシチュエーションではないでしょうか。

しかしどちらかと言えば、人を待たせることの方が体力を使うかもしれないと、この頃思うようになりました。

コンビニのコピー機が便利で、よく利用します。
コピーだけでなくスキャンやデータ出力など、様々な機能があるのですが、その多機能ゆえにあまり利用したことのない人は操作に戸惑うかもしれません。

どこにお金入れるの?とか、紙の設定はこれでいいの?とか。
わたしもうっかりカラー設定やサイズを間違えて出力したことが、一度や二度ならずあります。
確定申告に使う書類をツヤツヤの写真用印画紙に出力して一枚80円もとられてしまったときは、心の中で絶叫しました。

さて、今大量の印刷物を出力しようと機械の前でおろおろしている人が、背後に気配を感じたとします。
コピー機の順番を待っている人がいるのです。

待つ人が威圧的な態度をとっているわけではないのに、「待たれること」にはなんとも言えない居心地の悪さがあります。
顔はのぼせてくるわ、紙はバサバサ取り落すわ、プチパニック状態。
どうにもならない場合は目的を果たすのをあきらめ、顔を伏せながら足早に退散するしかありません。

わたしはコピー機が空くのを待っていて、何度かこのようなシーンに遭遇し、なんだか申し訳ないなあという気持ちになったことがあります。
だから先客がいる場合は、あえて並ばずに関係のない雑誌や、唐揚げや、トイレットペーパーなんかを見て時間をつぶすようにしています。
そして時々コピー機の方を盗み見て、作業が終わるのを待つのです。

そして先客がコピー機の前を立ち去るタイミングを見計らって、すかさず。。

あ、別の人が先に並んでた。

待つ、待たれる。
いつもの場所に潜む、小さく切ない物語なのでした。

画材費、展示運営費、また様々な企画に役立てられたらと思っています。ご協力いただける方、ぜひサポートをお願いいたします。