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慰霊堂から銭湯まで 過去未来現在混在東京 #黄金湯 へお湯をいただきに #北斎漫画舞踏 創作過程 8

今日2023年9月1日は関東大震災から100年目。恥ずかしながら私はそのことについてあまり知りません。よい機会と思い両国にある東京都慰霊堂に行ってきました。

墨田区でリサーチしていると必ず関東大震災のことを耳にします。都営白鬚東アパートなど災害を教訓とした防災街づくり。

都立横綱町公園にある東京都慰霊堂

関東大震災による遭難者約58,000人のお骨を収めるための霊堂として、被害が最も大きかった被服廠跡に1930年(昭和5年)建てられました。当時は「震災記念堂」という名でした。

その後、第二次世界大戦の東京空襲で亡くなった方の御遺骨も収められ、名前が「東京都慰霊堂」と改められました。

隣には東京都復興記念館があります。関東大震災から第二次世界大戦後に至るまでの様子が、写真や手紙、被災した日用品などとともに展示されています。

関東大震災、避難してきた人や家財道具で混み合う

同じ東京かと疑うほど今の都市と過去の姿には隔たりがあります。明日は我が身と想像し難い理由の一つでもあります。

震災後、行方不明者を探す張り紙

家族と離れ離れになって助け合う人々。また不安に苛まれる中で根拠のない差別や暴動を起こしてしまった事実。緊急時に助け合うべき共同体が誰かを排除することで団結を図り、見た目や出身で分断していくことがあるという戒め。

震災後に作られた子どもたちの文集

小学生の目線で見る震災。逃げながら亡くなった方をたくさん目撃したり、空が夜でも赤く燃えているなど、痛ましい光景が記されています。受け入れて進むしかない子どもたちの姿を想像します。

被害の規模がどのくらいなのか不明、どこが安全なのか不明。人の噂、人の流れで混乱する東京。

浅草寺、仲見世通り

隅田川に飛び込んだり、川の東へ西へ火のない方へと避難する人々。

この場で亡くなってしまった方々の骨の山

辿り着いた先で逃げ場を完全に失ってしまった人々。

陸軍被服廠跡の火災動態
関東大震災で最も痛ましい大惨事は被服廠跡で起こりました。
避難した人の中には大八車に家財道具を満載して持ち込んだ人も多く、燃えやすい荷物の山積みにされた中に、多数の人々が密集している状況でした。9月1日午後4時頃、隅田川対岸の蔵前方面からこの火災がこの地に迫り、さらに北・東・南の三方からもほぼ同時に火災が押し寄せてきました。人々は四方を火災に取り囲まれて逃げ場を失い、家財道具にも引火、折からの強風により火災旋風も発生し、火焔が人々を舐め尽くしました。阿鼻叫喚の生き地獄と化した被服廠跡では、この数時間の間に避難者の95%、約3万8千人の尊い命が奪われました。

東京都復興記念館展示パネル
熱でぐにゃりと曲がったトタン

公園を一歩出ると周りは賑やかな屋台が延々と続いていました。現代。子供も大人も楽しそう。テキ屋さんも活き活きと。奇跡的に生き延びた私達。過去から見る未来はこのような姿だっただろうか。

黄金湯

押上からも行けるけど、どちらかというと錦糸町の駅近くにある黄金湯。パッと見、銭湯ではないようなとてもおしゃれな外観です。私が到着した時も次々と若者が入っていきました。

浴室にはDJの音楽が流れています。若い人ばかりがお客さんというわけではなくご年配の方の姿も見えます。地元に長年ある銭湯の面白みを感じます。

1932年創業で2020年にフルリニューアルしたそうです。古民家をリフォームしたおしゃれなカフェかビアバーかというような、今までの銭湯とは全然違ったモダンな雰囲気でありつつ、その新しさが清潔感とワクワク感を感じさせます。先日伺った「大黒湯」と姉妹店だそうです。

お風呂上がりにクラフトビールが飲めるという極楽浄土。

馴染みのない雰囲気に最初は緊張しましたが、風呂に浸かって一杯飲んだらとても居心地が良くなりました。

伝えたいと思っても伝わらなかったり、伝える気がなくても残ってしまっていたり。足元は誰かが息絶えた土地。

過去から繋がってくるもの、それは街の外観が変わっても変わりなく人への接し方という態度で受け継がれていくのだろう。しかし街の外観が人に与える影響ということもあるかもしれない。

大切なのは何が変わったかではなく何が変わらなかったか。などなど考えた一日。

メディア掲載情報

スポーツ報知 コミュニティ季刊誌さま

2023年9月1日発行号にの情報を掲載していただきました。
ありがとうございます!

東都よみうり新聞さま

2023年9月1日発行号にの情報を掲載していただきました。
ありがとうございます!

北斎漫画舞踏「おどる湯」

我妻恵美子(舞踏家・演出家)が代表を務めるAGAXARTはアートプロジェクト「隅田川 森羅万象 墨に夢」にて、北斎漫画舞踏「おどる湯」を開催します。

【WEBサイト】

『北斎漫画』を踊りで楽しもう!

「北斎漫画舞踏ワークショップ」とは?

ちょっと体を動かしてみたいという方でも楽しめる初心者歓迎のワークショップです。簡単な舞踏の基本トレーニングを紹介し、『北斎漫画』をモチーフとした踊りへと少しずつ発展させていきます。ダンスが苦手と思っている方でも自分のペースで参加できます。

9月6日(水)から毎週水曜日、すみだ生涯学習センター(ユートリヤ)にて開催します。毎回違う内容です。4回連続の参加をおすすめしますが、1回のみでも可能です。運動不足を解消したい、舞踏を体験してみたい等、お気軽にご参加いただけます。

開催概要

イベント名称 :「北斎漫画舞踏ワークショップ」
日程 : 2023年9月6日(水)、13日(水)、20日(水)、27日(水) 各回 18:30~20:30
会場 : すみだ生涯学習センター(ユートリヤ) 東京都墨田区東向島2-38-7
料金 : 全納 11,000円(税込)/ 4回、各回 3,000円(税込)/ 1回 ※墨田区民は500円割引
講師 : 我妻恵美子、塩谷智司

申込フォーム :


舞踏とは?

1960年に日本で生まれたコンテンポラリーダンスで、土方巽と大野一雄が有名な創設者です。舞踏では既成の価値観を疑い、自身の体や内面、日本の風土、そしてダンスを問い直し、独自の視点で再構築します。この独特な身体表現は西洋のダンスとは異なる考え方を持っており、世界から関心を集めています。

『北斎漫画』とは?

『北斎漫画』は浮世絵画家葛飾北斎による絵手本。葛飾北斎は代表作として『富嶽三十六景』があり、その名は世界に広く知られている。この『北斎漫画』は彼自身「事物をとりとめもなく気の向くまま漫ろに描いた画」と表現している。一般的な漫画とは異なり作品は連続性を持たず、無秩序なままに描かれた。この作品は1812年、葛飾北斎が52歳の時に描き始められ、初版は名古屋の永楽屋東四郎から出版された。その後も1878年まで出版が続いた。

実施体制

主催 :AGAXART、「隅田川 森羅万象 墨に夢」実行委員会
共催 :墨田区
協賛 : 株式会社東京鋲兼、東武鉄道株式会社
※「隅田川 森羅万象 墨に夢」実行委員会 事務局は(公財)墨田区文化振興財団が担っています。

舞踏の基本トレーニングを初心者でも楽しめるように紹介

20代から60代まで幅広い年齢層と、ダンサー、役者、アーティスト、学生、医者などバックグラウンドも異なる方にご参加頂きました。基本トレーニングから始まり、『北斎漫画』をモチーフとした踊りへ発展させていきました。のべ56名が参加し、公演には10名が参加しました。

AGAXART(アガックスアート)とは

AGAXARTは、身体、精神、魂の探求を通じて人々の創造性を高めることを目的としたアート集団です。ワークショップ、公演、イベントを企画運営しています。舞踏の身体操法を主軸にして言語では表現しづらい内面と向き合い、多様な表現を発掘する場を提供しています。異なる文化との交流を積極的に行い、地域資源の関心を高める取り組みを行っています。
【WEBサイト】

我妻恵美子 AGAXART代表

舞踏・振付・演出
宮城県出身。1999年早稲田大学文学部を卒業と同時に舞踏集団・大駱駝艦に所属。2020年に独立し舞踏を中心とした舞台・イベントの企画制作を手掛けるAGAXARTを設立。
2015年に自らの震災経験を元に振付・演出した作品「肉のうた」を発表。パリ日本文化会館(フランス)より招聘され、同年第46回舞踊批評家協会新人賞を受賞。2020年台北国際芸術村の滞在芸術家として選出、舞踏ソロ作品「Future Temple」を発表し第39回 Battery Dance Festival(ニューヨーク)よりアジア代表として招聘される。2022年すみだの町工場と職人さんをテーマとした舞踏作品「北斎漫画の墨の囁き、街の響き」演出。

北斎漫画舞踏「おどる湯」北斎漫画舞踏ワークショップ後の企画

第二弾:「おどる湯」創作過程一般公開

「おどる湯」舞台裏を見学できます。美術制作や振付稽古など、すみだの銭湯と北斎漫画をモチーフにした舞踏作品が出来るまでを無料で公開します。

期間 :2023年11月1日(水)~7日(火)の13:00~18:00
会場 :北條工務店となり 東京都墨田区東向島3-22-10

第三弾:舞踏公演「おどる湯」 HOKUSAI MANGA BUTOH "Dancing SENTO”

『北斎漫画』をモチーフとし、すみだの銭湯をリサーチして創り上げる舞踏作品。舞踏ワークショップ生有志も参加。

演出・舞踏 :我妻恵美子
音楽・演奏 :大野慎矢(KiMiMi)
作中オリジナル江州音頭「隅田川」 唄:宇宙軒明星、演奏:プリンス王子(ミックスナッツハウス)
舞台美術 :大漁舟隆之 

日時 :2023年11月10日(金)~12日(日)
会場 :北條工務店となり 東京都墨田区東向島3-22-10
料金 :2,500円(税込)※墨田区民の方は500円割引

「隅田川 森羅万象 墨に夢」(通称:すみゆめ)とは

すみゆめ2023プロジェクト
葛飾北斎が 90 年の生涯を過ごした隅田川流域で、墨で描いた小さな夢をさまざまな人たちの手で 色付けしていくように、芸術文化に限らず、森羅万象あらゆる表現を行っている人たちがつながり ながら、この地を賑やかに彩っていくことを目指していくアートプロジェクトです。「北斎」と「隅田川」を主なテーマに、すみだの地域資源を活用する多彩な企画を約 4 カ月にわたって展開していきます。  

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