地方分権への道筋案

中央集権的な体制の限界というのは見えてきていると思うのだが、かといって、それを変えるような具体的な動きを起こせるか、といっても、地方は百人百様、なかなか一つの具体的な制度設計をするのは難しい。かといって地方分権を中央集権で行う、というのは本末転倒だし、地方に任せるといっても、それは都道府県の枠組みに強く縛られることになってしまい、具体的に地方分権への道筋を描こうとしても一筋縄ではいかない。

そこで、具体化するかどうかは別問題として、既存の都道府県とは別の枠組みで、どの規模ならば、できることならば国レベルの政策運営ができるような組織を作ることができるのかというのをシミュレーションしてみるというのはどうだろうか。市区町村レベルでできるのならばそれもよし、もう少し広げて考えるのならばそれも良いが、条件としてはしっかりと住民の声が直接届く範囲で、ということで、住民投票による意志決定の機関設計を含んだ地域憲法案を可決することを要件としたらどうだろうか。都道府県の枠組みに縛られると、その影響力が大きくなりすぎるので、そこから独立して地域を決めても、県境を跨いだものでも構わないとし、ただし、都道府県庁所在地については、もとよりその力が強すぎるので、単独で行うか、もしくは他と合併するのならば、分割した上で合併先の合計人口比率が庁の所在地からの人口よりも多くなるようにする、ということは必要なのではないだろうか。

このようにして、住民が自ら自分たちの地域の憲法や仕組を考えるということを通して、地域の統一感や帰属意識は強まると期待でき、そうしてまとまった地域ならばうまく運営してゆくことができるのではないだろうか。そして、たとえ実現しなくても、そのような議論を行うことによって、政治が予算ぶんどりから、地域のあり方を考えることに切り替わってゆくことが期待され、それ自体地方分権への大きな第一歩となるだろう。中央からのお仕着せで行われた地方分権では、実際に分権化されても、それでどうしたら良いのか、ということが分からず、結局何も変わらない、ということになってしまいかねない。

自分たちの地域のあり方は自分たちで決めるのだ、という誇りと自信を育むことから、地方を主体とした意志決定を行うことができるようになり、それが地方に活力をもたらし、ひいては国全体も元気を取り戻してゆくことになるだろう。地方から、未来に向けた議論が活発に起きることを期待したい。


ここで、来年2023年のサミットについて書きましたが、できればそんなイベントに合わせて、全国で、まとまったところ、案だけでも構わないので、地域憲法案のようなものを公開して、意見交換の場ができたらな、などと考えています。
サミットの議題として、オイルショック50年から環境・エネルギー、関東大震災100年から防災・復興について議論がなされることを期待しているので、それらのテーマについての地域での取り組み事例と、第二次世界大戦についての各地域での記憶といったことと併せて、地域憲法(案)のようなものが公開されて、各地域での取り組みが可視化され、情報共有がなされれば、地域からの地方分権の動きに大きな弾みがつくのではないかと期待しています。
サミットに関して色々まとめている最中なのですが、見ていただける部分だけでも先に見ていただければ、と思い、ブログ等で公開済みの部分を中心に、一部公開いたします。是非ともご覧いただいて、ご感想等いただければ幸いです。



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