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猫との始まりはドラマティックだ #毎日note3日目

我が家の猫、ちょろと出会ったのは5年前のちょうど今時期でした。宮崎の田舎に移住して一か月。家に帰ると朝はいなかった小さな猫が、庭でみゃーみゃー鳴いていたのが始まりでした。

推定生後4か月。キジトラ猫のやせっぽっちの兄妹(姉妹?姉弟?)が、みゃーみゃー鳴いているのです。

始めりのふたり

(出会ったばかりのふたり。切り株で作った椅子に座ってます)

近所の人から「この辺は田舎だから野良猫たくさんいっから、餌やっちゃだめだよ」と言われていました。確かに、それまでも大人の猫がうろちょろしていました。でも、まさかこんなやせっぽっちのちび猫がいるなんて……。

その日は心を鬼にしてスルーしました。でも、翌朝早くに縁側の先から元気な「にゃーにゃー」モーニングコールが聞こえてくるのです。

想像以上にタフなPR力

彼らは(特に今いるちょろは)強かった。PR力が、生命力が、想像以上でした。

「おなかすいたー!ごはんくれー!」
(根性ない私は翌日ふかしたサツマイモをあげました)

「いーえーに、いーれーろー!」元々どこかの家の子だったのか?なんとかして家に入ろうと必死でした。(野良猫って家に入りたがるんでしたっけ?)
(根性のない私は、三日後には庭の屋根の下に、段ボールとタオルで寝床を作っていました)

そして、ちょろの強みの一つ「多彩な声色」。これがすごかった。

夜は控えめに、ちょっと憂いを帯びた声で「みゃーみゃー(夜だよ~家で一緒に眠りたいな~)」

朝は鶏のごとく大きな声で「なぁーお、なぁーお!(おーはーよー!おーきーてー!ごーはーん!)」

こんなにちびなのに、この声色と強弱の使い分けができるなんて……!

さらに、外堀を埋めることも忘れません。私たちが散歩に出ると、足元にくっついてきて「わたしたち家族ですよー!」と近所の人たちにアピールするのです!

おさんぽ

     (私たち家族ですよー!とご近所にアピールするふたり)

なついてくる子猫、とってもかわいい。でも、猫を飼う責任とれないと思い、里親探しを始めました。が、簡単には見つからず、「山に捨ててこい」なんていうおじさんもいました(ガーン)。

はじめてのだっこ

そうこうしているうちに、最初から元気がなかった一人の子が、ますます元気がなくなり、ごはんもほとんど食べてなく、目やにも出て、明らかに弱っていました。ティッシュを濡らして夫がだっこして目やにをふいてあげました。初めてだっこした日でした。

その翌日、その子は冷たくなって亡くなっていました。

何もできなかった。助けられなかった。

あんなに元気だったもう一人の子も、ちょっと元気がなくなっている気がして、亡くなった子を埋葬したあと、町の動物病院に連れて行きました。

「猫風邪をひきかけてるけど、大丈夫」と、薬を飲ませてもらって帰ってきて、そして、家族になりました。

一緒に九州から北海道、そして逗子へ

猫と暮らす想定を全くしていなかった私たち夫婦でしたが、その出会いから5年、住む場所も仕事も変わっても、隣にはちょろがいます。

宮崎の田舎で山をかけまわり、障子に猫型の穴をあけまくり、おてんば元気いっぱい、もう一人の子の分も(いや三倍くらい)生きるんだー!というように、元気でやさしくすくすく育ってくれました。

ちいちゃい

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飛行機に乗って宮古島にも行きました。車とフェリーで北海道へ移り、雪の上も歩きました。こたつとストーブのぬくぬくを知りました。

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(宮古島で初めて海を見たちょろ。サトウキビ畑をたくさん散歩しました)

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(雪の上のお散歩。おててが冷たいねぇと言いながらやっぱりお散歩好き)

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(北海道のでっかい道は誰もいなくてドライブも快適でしたbyちょろ)

そして、飛行機と電車を乗り継いで、逗子へ。移動が多い私たちに、ずっとついてきてくれました(北海道を出るときは、自らゲージに入り「さ!行きましょか~!」と先導してくれる逞しさです)。

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(ほう。ここが逗子ね。悪くないねぇ。キリッと逗子を眺めるちょろ)

予想もしなかった出会いで、ちょろとの始まりは物語があったなぁと、ちょろとの出会いから家族になるまでのエピソードは、何度話しても飽きずに私たち夫婦の鉄板トピックです。

猫との始まりはいろんなドラマがある

けど、私たちだけが特別なわけではなく、猫ちゃんと暮らす人たちの話を聞くと、どうやらみんななんだか不思議なドラマティックな物語があるようでした。

例えば、長年一緒に暮らしていた猫ちゃんが事故で亡くなってしまい、悲しくて悲しくて悲しすぎて、もう新しい猫ちゃんを迎えることはしないと決めた。その次の人に、仕事へ向かう道を自転車で走っていると、段ボールに入った子猫が……! 

「これは放っておけるわけがない!と、連れ帰って新しい家族になったんだよ。やっぱり猫はかわいくて、もう一度一緒に暮らすチャンスを作ってくれたんだと思う」と嬉しそうに話してくれました。

例えば、小学生の男の子(今は体の大きな立派な男性になりました)が、学校の近くで出会った野良猫(近所のボス猫だったそうな)。ボス猫の野良猫なので自由に生きているだろうに、あるときからその男の子の登下校を一緒についてくるようになりました。

そして、いつも間にか家で暮らすようになり、そのあとも毎日学校まで送り迎えをしてくれていたのです。「きっと僕のお母さんのつもりでいたんだろうなぁ」と懐かしそうに話してくれました。

人間が猫を選んで迎えるというより、猫が一緒に暮らしたい人間を選んでくれているんじゃないかなって、思っちゃいます。

猫が自ら選んで一緒にいてくれてるんじゃないかなって思います。

一体どこからやってきたのかわからないけど、あのとき私たちを選んで来てくれて、あきらめずに「一緒に暮らすんだよー!」と言い聞かせ続けてくれて、本当にありがとうって思います。

猫との始まりには、物語がある。ドラマティックだ。

いろんな家族の猫との始まりの物語を聴いてみたいな。ねこ聴き書き本とか、いつかつくれためちゃくちゃ楽しいだろうなぁと思う今日この頃です。

猫のことを考えると元気がでる。

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