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【白斑diary⑤】日焼けさせたい箇所・日焼けしたくない箇所

前回の記事では、光線療法5回目の様子について書きました。

今回は、6回目と7回目について。白斑の治療日記です。

◇◇◇

「次回から、自宅で日焼け止めを塗ってきてくださいね」
と看護師さんから言われたことを受けて、光線療法の日の朝、私は身支度の際に、カラダにできた白斑に軟膏を塗りつつ、更に、白斑以外の箇所には日焼け止めを塗布した。

やってみて気が付いたけど、白斑に軟膏を塗るのは簡単だけど、白斑以外の場所に日焼け止めを塗るのって、意外と難しい。

『塗り絵』で例えると、メインのキャラには色を塗りやすいけど、周りの風景に色を塗る場合は、結構、広範囲に塗りたくらなくてはいけない。これが地味に大変なのだ。(以下、参考例)

この無料塗り絵で説明すると…。
キャラに被らないよう、背景をきれいに塗りつぶしていこうと思うと、なかなか難しい💦
それと同じ原理。

しかも、うっかり油断していると、指が滑ってしまい、白斑部分にも日焼け止めをスーと塗っちゃいそうになる。おっと危ない…注意が必要だ。

腹・脇腹・肩・腕…と塗っていき、最後の背中は…。うーん、手鏡を見ながらなので、かなり難易度が高いぞ。「これはもう看護師さんに頼もう」と思った。

こうして下準備を終えて、いざ皮膚科へ…。

この日も、窓口で診察券を出す時、「光線でお願いします!」と言うと、すぐに処置室に呼ばれた。早くやってもらえるのは、とてもありがたい。

処置室では、前回とは違う看護師さんが担当だった。

看護師さんは、私のカルテを見ながら、
「えーと、前回は『日焼け止め』を塗ってから、光線を浴びたんですね…」と、つぶやきながら確認し、
「その後、皮膚の様子はどうでしたか?」と尋ねてきた。
私は、「日焼け止めを塗ったところは、赤くならず大丈夫でした」と伝えた。

やがて先生が処置室に入ってきた。

先生は、事前に先ほどの看護師さんから話を聞いたようで
「日焼け止めを塗ったところは赤くならずに済んだんだね」と言い、「じゃあ、白斑のところはどうだった?」と聞いてきた。

私は、「白斑は、所々が赤くなり、少し痒かったです」と答えた。

この時の先生の様子&話から、どうも

光線療法の後、白斑の箇所が、ほのかに赤くなり、多少の痛みや痒みが出てくるのが「治療が効いている」の証。
…ということらしい。

なるほど…。要は、無毒化した紫外線を当てることで、メラノサイトが消失している箇所に「日焼け」のような状態を起こそうとしているってことなんだな。

先生が診察室に戻った後、看護師さんから
「日焼け止めは塗ってきましたか?」
と聞かれ、私は
「前側と腕、首には塗れたんですが、背中がちょっと難しくて…」と答えた。

看護師さんは、「あっそうなんだ。うーん、今日はそれほど混んでいないし、時間があるから、特別に私が塗ってあげるね。」と言って下さった。(ありがとうございます~🙏)

看護師さんは、私がバッグから取り出した日焼け止めを受け取ると、背中に塗布して下さった。

この時、看護師さん曰く、
「実は私、日焼け止めを生まれてこの方、一度も塗ったことがないのよ。今、生まれて初めて塗っているの。だから、うまく塗れていないかもしれない。ごめんね」と。

「えっ?一度も塗ったことがないんですか!」と驚く私。

看護師さんは、私の背中に日焼け止めをヌリヌリしながら、
「そうなのよ。私、日焼けしたことが無くて、日に当たっても、赤くなるだけで、黒くなったことが全くないの。海水浴に行っても、全然焼けないのよ。だから、塗ったことが一度もないのよ」
と語った。

この看護師さん、私と同世代の方なんだけど、確かに肌は白くてきれいだ。メイクしていないけど、白くてきめ細かい肌をしていらっしゃる。

私は驚いて、
「ひぇー!それは羨ましい~!私なんて海に全然行っていなくても、『海水浴に行ってきたの?』と聞かれるくらい、真っ黒に焼けちゃうんですよね。生活紫外線でも、こんがり日焼けしちゃうから、日焼け止めが手放せなくて、ずっと塗っていますよ」
と答えた。

看護師さんは、
「あぁ、そうか…。Emikoさんの肌は、紫外線を吸収しやすいのね。だから、白斑以外の皮膚も、光線を浴びて赤く反応しちゃうのね。」
とつぶやき、
「さて、こんな感じでいいかな?塗りムラがあるかもしれないけど、一応、白斑以外のところは全部塗っておいたからね」
と言った。

「ありがとうございます!」(心の中で感謝合掌🙏)

さて、こうして準備OKとなり、施術に入る。
この日も、前回と同じ時間、紫外線を照射してもらった。

光線を浴びながら、「そうか。この世の中には、全く日焼けしない人もいるんだな…」と、ちょっぴり羨ましく感じた。

こうして無事に6回目を終えて、自宅に帰る。

やはり、光線療法を受けた日は、カラダが疲れて眠くなる。

その晩、白斑の箇所は、海で日焼けした後のように、少し赤みを帯びて、所々痛痒い感じになった。
でも、この赤みも痛痒さも、一晩過ぎると治っちゃうんだよなぁ…。

◇◇◇◇◇

そして、今日。
第7回目の光線療法の日。

先週は台風前で非常に蒸し暑く、ずっとエアコンで冷房&除湿をつけていたというのに、今週は気温が爆下がりで、今朝の気温は13℃。
この低温の中、上半身真っ裸になって軟膏&日焼け止めをチマチマ塗る作業は、なかなかの苦行であった(汗)。

まだ9月だから、暖房を焚くには早すぎるもんね…。

これからうんと寒くなって、朝からストーブを焚くようになれば大丈夫だけど、それまでの間は、風邪を引かないよう気を付けなくてはいけないわ!

今日は看護師さんにお願いするのは申し訳ないので、自力で背中に日焼け止めを塗ることにした。大きな鏡の前で、手鏡を見ながら、背中にチビチビと塗っていく。
鏡に映る自分の背中を見ながら塗っていくのは、今までやってきた「白斑に軟膏を塗る」で、ずいぶん慣れてはきたけど、白斑以外の箇所に日焼け止めを塗るのは、なかなか至難の業だった。
私はカラダが柔らかいので、背中に手を回してどこにも手が届くんだけど、鏡越しだから、左右上下の感覚がおかしくなってしまい、自分では左に塗っているつもりが、右側へ指が動いている。
「おいおい、そっちじゃない!」と鏡を見て慌てても、やっぱり反対方向に指が進んでいくため、頭を切り替えて、方向を確認しないといけない。

これって、ある意味「ボケ防止の脳トレ」だわ(汗)。

さんざん悪戦苦闘した後、もうこれ以上、丁寧にきれいに塗るのは無理(泣)と判断した。適当に、ざざっと塗っておくことにしよう。塗り残しがあっても、もういいよ…。

こうして塗布作業を終えて、私は皮膚科に向かったのだった。

今日の皮膚科は、すごく混んでいた。

今までは割と空き空きだったのに、本日は珍しく駐車場は車がいっぱい。私が車庫入れしている間も、次々と車が入ってくる。

三連休の前日だからだろうか?

待合室に入ると、やっぱり人がいっぱいで、座るスペースが無く、立って待っている患者さんが何人かいた。

そんな時でも、「光線でーす!」と言って診察券をサッと受付に出すと、すぐに名前を呼んでもらえる。

「どうもすみませんねぇ…」と心の中でつぶやきながら、待合室の人混みの前を通って、処置室へと入っていった。

今日の看護師さんは、前回の時と同じ看護師さんだった。

皮膚の状態を聞かれ、
「日焼け止めを塗ったところは大丈夫でした」
と伝えると、看護師さんは「背中、大丈夫だった?」と心配そうに尋ねてきた。
私も「はい、大丈夫でした。上手に塗って下さったので、なんともありませんでしたよ。ありがとうこざいました」と答えた。

すると看護師さんは、ほっとした表情で、
「それは良かった。赤くならなくてよかったわ」
と言い、ニコニコしながら
「もしかしたら、塗った人が良かったのかしらねぇ~」
と冗談を言ってウフフと笑った。私もつられて笑顔になる。
「そうそう、塗って下さった人が、すごーく良い人だったからです」と応えて、私もウフフと笑った。

なんともアットホームな雰囲気が漂う。

そこに先生が来てくださり、私の皮膚の状態を確認したあと、先生もニコッと笑顔を見せて、
「じゃあ、時間も線量も同じでいきますね」
と言い、診察室へと戻っていった。

こうして、7回目の光線療法を受ける。

毎週一回ずつ通っていると、なんだか不思議な連帯感が生まれるなぁ…。

この皮膚科、少しずつ私の居場所の一つになりつつある。

◇◇

その後、光線を浴びた箇所が、乾燥して痒いような、ヒリッとしたりチクチクしたりする。

白斑の部分も、少しずつ白から薄いベージュへと色づいているような気がする。

少しずつでも効いているのだとしたら、素直に嬉しい。


(次へつづく)


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