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育休明けに風邪をこじらせて肺炎になった話

実は私、もう随分昔の20代の頃に、風邪をこじらせて肺炎になったことがあります。

当時の私は20代後半。結婚してすぐに授かった息子を出産した後、そのまま育児休業に入りました。育休を期限ギリギリまで取り、復帰直前に断乳をして、バタバタと職場復帰しました。

あの頃の職場は、標高1000メートルの寒冷地にある小規模僻地校・・・。全校生徒20人いるかいないか・・・の小さな学校でした。この学校は山の裾野にあるため、日中は日陰になることが多く、夏は涼しくて良いのですが、夏以外の季節は日当たりの悪さから非常に寒くて大変な所でした。

確か、復帰したのは10月の半ば。季節的には秋の中でも一番穏やかで過ごしやすい頃ですが、私が働いていた場所は標高1000メートルの高地です。10月とはいえ、下界の11月下旬から12月頃くらいの気候になります。普通にしていたら寒いです。

休業中は赤ん坊の息子と一緒にぬくぬくと温かい家の中にいたので、鉄筋コンクリート造りの古い校舎特有の、あの底冷えする厳しい寒さに身体がついていけませんでした。

こうして、じわりじわりと身体が冷えていき、「冷え」から体調を崩しました。「冷え」が慢性化していくと、今度はハッキリと「風邪」の症状が出てきました。

この時の私は、もともと冷え性で「冷え」にものすごく弱かったのですが、それ以外にも、身体の不調の原因になるものを、いつくか抱えていました。

その筆頭が「睡眠不足」です。

私は、断乳する直前まで「3時間おき授乳」に取り組んでいました。息子を産んだ病院が、桶谷式の母乳指導をしていたため、教えられるままに「徹底した食事管理」と「定期的な乳房マッサージ」そして「3時間おき授乳」をしていました。

この頃の私は、スゴく熱心に取り組んでいたのですが、それは息子の身体に障害があることが分かったからです。

乳が唯一の食事である息子に対して、私が出来ることは「いいおっぱいをあげること」でした。ありがたいことに、私は母乳がたくさん出るタイプだったので、とにかく「息子の身体にいい乳をたくさんあげよう」と頑張りました。未来がどうなっていくかわからない不安を抱えつつ、でも、私の母乳が子供の身体の発達に良い効果を与えてくれるかもしれない・・・と一抹の望みを掛けて、必死に取り組んでいたのです。

そのため、出産してから断乳までの間、私は毎日欠かさず3時間おきに子供に母乳を与えていました。また、母乳をあげられないときは、おっぱいが張るので乳を搾っていました。これが断乳まで365日、24時間体制で延々と続くわけです。

結果、私は万年「寝不足」状態でした。

更に、今思えば、「栄養不足」もあったかもしれません。

もちろん、しっかり食事を摂っていました。母乳をあげている間は、すぐにお腹がすくので、毎食しっかり食べていました。まるで運動系の部活動をやっている中高生並の食欲でした(汗)。

こんなにガッツリ食べても、太るどころかスッキリ痩せていき、食べても食べても、食べたもの全部が母乳になって吸い取られていくような・・・そんな感じでした(汗)。

以前、「女性は産む機械」という失言がありましたが、当時の私は「乳を出す機械」みたいな状態でした。

(お陰様で、息子の障害は身体障害でおさまり、知的な部分は健常でした。今は障害者枠で社会人となり社会貢献できるところまで成長しました。はたしてこれが「母乳の効果」だったのか否かは、わかりませんが・・・)

・・・とまぁ、こんな状況で、断乳から日にちを明けず仕事に復帰し、しかも職場は超寒くて、足下からジンジンと凍みるように「冷え」てきます。

身体は「寝不足」と「栄養不足」でかなり疲れています。

でも、20代の若さで何とか乗り切ってきました。

◇◇◇

ちなみに復帰後は、学校へは毎日マイカーでで通っていました。片道約1時間のドライブです。

朝早く出て出勤し、夕方、生徒達がスクールバスで帰るのを見届けてから、車に乗って家に帰る・・・という毎日。

私が仕事をしている間は、実家の両親に息子の面倒を見てもらっていました。

昼間は働いている分、家に居る間はキチンと「お母さん」でいようと、母親業にも勤しんでいました。

母親になった経験が、今までなかった新しい視点を生み出し、結果、新鮮な気持ちで仕事に取り組むことができました。また、仕事で日中は子供と離れていた分、新鮮な気持ちで息子と向き合うことができて、毎日がとても充実していました。

ですので、復帰後の私は、何をしても何を見ても全てか新鮮に感じられ、とても楽しかったです。

◇◇◇

こうして順調に仕事をスタートさせたものの、先述した通り、私はすぐに風邪を引いてしまいました。

最初は「あれ?なんか調子悪いなぁ・・・」から始まり、その後はよくある風邪症状が出てきました。身体がだるく、鼻水が出て、頭が痛くて、喉が痛い・・・という感じだったと思います。そこで私は、家にあった市販の風邪薬を飲んでしのいでいました。

とりあえず風邪薬さえ飲んでいれば、症状が抑えられて、仕事は普通に出来ます。

でも、薬効果が切れると、頭がボーとして、身体が重だるく、熱っぽくて節々が痛く感じられ、治るどころか悪くなる一途・・・。

これはヤバい・・・と思いつつも、家に帰れば、まだ1歳の息子が母親の私を待っているので、息子との相手でゆっくり休むことができません。

結局、学校では仕事を頑張ってこなし、家では息子の相手をしながら家事をしたり・・・で、寝不足と疲労は相変わらず続いていました。

◇◇◇

こんな調子で、風邪薬で風邪を抑えながら仕事を頑張っていたのですが、ある時から咳が酷く出るようになり、夜中もゴホゴホと咳くようになりました。

相変わらず悪寒と熱っぽさは続いていて、咳をすると胸の痛みも感じるようになりました。

この辺りで、母が「赤ちゃんに感染させると大変だから、ちゃんとお休みをもらって病院で診てもらいなさい」と言い、私も、ここまで風邪が治らないのは変だと心配になり、かかりつけの病院に行きました。

病院では、咳と胸の痛みのことを伝えました。

この時、風邪薬を飲まない状態で診察を受けたので、診察時には発熱や節々の痛みも出ていました。

レントゲンなど検査を受けた結果、先生から「肺炎を起こしているから、今すぐ大きな病院に行きなさい。」と言われました。

レントゲン写真を見せてもらいましたが、肺が広範囲で真っ白になっていました。相当悪い状態だったそうです。

紹介状とレントゲン写真をもって、近くの総合病院へ行き、そのまま入院となりました。

◇◇◇

入院中は、ずっと点滴を打ってもらい、絶対安静でひたすら寝ていました。

とにかく咳が出っぱなしてゴホゴホと酷く、同部屋の他の皆さんには、咳がうるさくて申し訳ありません・・・という気持ちでした。

入院から数日経った頃から、空咳だったのが、次第に痰がからんだ咳になっていき、そのことを伝えると、看護師さんからは「痰を出してください」と言われました。

出した痰を検査に出して調べてもらいましたが、細菌なのか?ウイルスなのか?原因がイマイチよく分からず、でも、いろいろな状況や年齢等から判断して、「おそらくマイコプラズマ肺炎ではないか・・・」とのことでした。

入院して最初の一週間は、点滴を打ってもらっていたものの、全身が苦しくて苦しくて、胸も痛いし、咳も酷いし・・・で、このまま死ぬんじゃないか!?と思うほどでした。

そのうちに点滴の薬がジワリ効いてきて、咳と共にドロッとした黄色い痰がスゴく出るようになりました。看護師さんのアドバイス通り、痰を根気に出し続けているうちに、身体の苦しさが少しずつ治っていきました。

こうして、少しずつ回復していき、一週間を過ぎた頃には「絶対安静」は解除され、2週間ほど経った頃、検査してもらい「もう大丈夫」ということで退院することができました。

◇◇◇

この体験から、「風邪をなめたらアカン」「風邪をこじらせると恐ろしいことになる」ということを身をもって学びました。

義母(姑)の話だと、まだ義母が子供だった戦前の昭和初期は、風邪が治らず肺炎を起こし、そのまま亡くなった方も多かったようです。結核だけでなく肺炎も、昔から恐れられるとても怖い病だったそうです。

だから、「風邪を引いたら絶対に無理をしてはいけない」「身体を大事にしてしっかり休み、風邪を早く治すこと」が、心に深く染みこんでいるそうです。昔は、命に関わる病気だったんですよ、風邪も肺炎も・・・。

そんな基本的なことすら、私たちはすっかり忘れてしまい、ついつい風邪をなめてかかっていたと思うのです。風邪だから・・・と軽視して油断し、風邪なのに仕事や用事を優先し、自分にかなり無理を強いてきたなぁ・・・と、つくづく思います。

◇◇◇

令和の今、新型コロナウイルスが中国で猛威を振るい、日本にも入ってきてジワジワと広がりつつありますが、新型コロナウイルスでなくても、一般的な風邪でも肺炎は起こります

ですので、お年寄りや病気を持っている方だけでなく、常日頃、家族のために献身的に頑張っている育児中のママさん・パパさんお年寄りの介護をしている皆様も、充分にお気をつけて下さいね。

大切なのは

1、保温 (絶対に身体を冷やさない。暖かくしておく。)

2、睡眠 (しっかり眠る。夜更かししない。)

3、栄養 (バランスの良い食事)

です。

私はこれらが欠けていたので、身体の免疫力が落ち、風邪をこじらせた上に、自分に無理を強いて肺炎を発症させてしまいました。

なので、これをお読みの皆様は、節制と養生に努められて、私のような失敗を犯さないように気をつけてほしいなぁ・・・と思います。

いろんな情報が交錯してしますが、やはり一番頼るべきところは「自分の免疫力」だと思うのです。

まずは自分の免疫力を下げないように・・・。自分の身体を守るためにも、ちゃんと「保温」「睡眠」「栄養」を確保してくださいね。

そして、こんな時だからこそ、意識して「ご自愛」を心がけて、日々養生しましょう。

私も、(もうあんな苦しい思いはしたくないので・・・汗)、心して取り組んでいこうと思います。

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