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猛暑のなか、京都へ⑥

この日の夕ごはんは「川床」。
友人が予約していたお店へとプラプラ歩く。
久しぶりの木屋町。
日中はものすごく暑かったけど、夕暮れ時になると、空気が少し涼しくなったような気がする。
予定の時間より30分も早く到着したけど、お店の人にお願いしたら、建物のなかに入れていただけた。テーブルの準備ができるまで、冷房が効いたロビーでソファーに座って一休み。
名前を呼ばれて、川床に移動。
私にとっては生まれて初めての床体験。

建物が西側なので夕暮れの西陽を遮り、川床は日陰になっている。床は板敷きで、板と板の間に若干の隙間があり、その隙間から風が入り込む。川をそよぐ風と床からの風。川の水で冷やされた風はとても心地よい。
川床って、外に設置させているから「暑いんじゃないかな?」と思っていたけど、そんな心配は無用だった。
天然のエアコン。自然の風だから体が冷えすぎることはない。
友人曰く「今日は湿度が低めみたいで蒸し暑くないね。雨の心配もないし床でディナーをいただくのにはラッキーな日だよ。」とのこと。

美味しい料理に舌鼓を打つ。

これは日本酒サングリア。適度な甘さが美味しい。珍しい日本酒のカクテル。

お食事をしているうちに、どんどん陽が落ちて、薄暗くなってきた。
建物に灯りがともり、幻想的な雰囲気。


ちなみにこの建物は元高級料亭旅館「鮒鶴」。
詳しくはこちらをご覧ください。

料理旅館「鮒鶴」の歴史

老舗の料亭旅館だったこの建物。今から数年前に壊される危機に陥ったのだけど、歴史的建造物の建物を利用した事業を展開し、それで得たお金を建物の修繕維持管理に使うというシステムを確立した今の会社が、この鮒鶴の三代目の持ち主から請け負い。フレンチレストラン&結婚式場として復活させたのだとか。(…と、スタッフさんからお話を聞かせていただいた)

FUMATSURU京都鴨川リゾート

ここの川床のスタッフさんは、皆さん若い人ばかりでとても親切だった。お料理も初めて体験する味覚もたくさんあり、最後のデザートまですごく美味しかった。

最後の〆は珈琲。
川の風を感じながら、のんびり珈琲を飲んだ。

お会計のあと、ここのスタッフさんのご厚意で、鮒鶴の建物のなかを見学させていただいた。明治になってすぐ、当時の都の宮大工が腕をふるって建てた建物で、至るところに細かい細工が施され、贅を尽くされている。なんと二条城と同じ作りなんだそうな。また館内には日本で三番目に古いというレトロなエレベーターがあり、今も現役で健在。まるでヨーロッパの映画に出てくるようなエレベーターに乗せてもらい、感無量だった。
この建物、今壊したらもう2度と同じものは作れない…それくらい貴重なものなんだとか。
ここにも明治の都の人々の心意気とプライドを感じた。

ディープな京都を堪能した一日。ホテルに帰る道で、大きな三日月に逢った。

路地の先に大きなお月様。月に向かって歩く私たち。京の夜は静かに更けていくのだった。

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