【空想日記115日目】9/25 佐々木さん34歳の今日のできごと。

私は計算が苦手だ。
なのにすぐ計算しようとする。
子どもの頃から算数は苦手だし、
数学なんかどうしようもなくて絶望したし、
私は全ての「計算する」という行為が苦手でしかない。

でも、
すぐに計算する。

人にどう思われるかとか、
そういうことを考えて
どう振る舞えばいいのかを計算してしまう。

計算は苦手だからいつも上手くいかない。

計算しなかったのは、
彼に手紙を渡したとき。

失敗したらどうとか、
周りの人にどう思われるかなんて気にしなかった。
私の人生で初めてのことだったと思う。

それから計算を始めて、
何でもかんでも計算して、
もちろん上手くいかなくて、
憂鬱で寂しい日々を送っている。

彼が風邪をひいた。
実家は近くても１人は大変だから、
慌てて彼の家に向かった。

辛そうに眠る彼。
どうにかしてあげたいと思った。

ずっとフラれる気がして怖かったけど、
いつも覚悟してたけど、
彼はそんなこと言わなくて。
対当に接してくれてたのかもしれない。

私にできる精一杯の看病はできたと思う。
夢中だった。
枕元にご飯を置いて帰ろうとしたら
彼が私の手を掴んで何か言っていた。
風邪と薬の眠気とで、
小さな声で何か言った。
たぶん大事なこと。
でも、わからなかった。

早く風邪が治ってくれるなら
私は嬉しい。